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ラタ・ヤートラー2020

神聖な存在をより身近に感じる瞬間が、インドで過ごす日常には溢れています。偉大すぎて掴みがたいその存在も、インドの世界の中では不思議と親しみやすいものとして際立ち、人々を優しく迎え入れます。そんな神様の一人が、これから盛大な祝祭を迎えようとしているジャガンナータ神でした。

極彩色に彩られた姿、真ん丸とした大きな目、そして愛らしい表情が、一目見ただけで心の奥深くまでぐっと入り込み、大きな存在感を放っていたことを思い出します。ジャガンナータ神は、主に東インドで崇拝される、ヴィシュヌ神、もしくはクリシュナ神の化身とされる神様であり、最も盛大な祝祭が、2020年は6月23日に祝福される「ラタ・ヤートラー」です。

ラタ・ヤートラーは、東インドに位置するオリッサ州の聖地プリーにて、豪華な山車が街を練り歩くお祭りとして知られています。一説に、悪行を働いていたカンサを打ち破ったクリシュナ神が、兄のバララーム神と妹のスバドラー神と共に山車に乗り帰還したことを祝福するお祭りであるといわれ、豪華絢爛な山車と共に進むジャガンナータ神の姿が多くの人々を惹きつけます。

そんな山車は馬車とも捉えられ、精神性を学ぶ上で多くの例えに用いられるものです。カタ・ウパニシャッドにおいては、「真我(アートマン)は車主であり、肉体は馬車、理性が御者、そして意思が手綱である。」(カタ・ウパニシャッド第3章3~4節)と、人の体、心、そして精神のあり方が述べられています。

苦楽を生み出す感覚器官に操られる肉体を、意志と言う手綱を持って導くことは、精神性を向上させるための道において、最も強調される努めるべく行いの一つです。その先にあるものは、体、心、そして精神の統一であり、乱れのないその小さな世界の中において、誰もが偉大な存在に気づくに違いありません。

ジャガンナータ神を乗せた一つの大きな山車が、集まった個々の手によって真っ直ぐに導かれる様子こそ、一人一人が偉大な存在の下に一つであることを物語っています。心が主に定まる時、そこにはいつの時も平安があることを私たち自身が証明しているかのように映ります。

祝祭を通じ、そうした精神性を向上させる教えが、一瞬一瞬に溢れているのがインドでの生活です。ラタ・ヤートラーは9日間に渡る祝祭です。インドの各地から、また世界の多くの場所で、この愛らしい神の下に人々が歩み寄り一体となります。そのエネルギーが生み出す平安が、世界を包み込むことを心から願っています。

(文章:ひるま)

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