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若林忠宏:論理とスピリチュアル:新連載 Vol.12 バガヴァド・ギーター:第二章・第11節 ④

バガヴァド・ギーター:第二章・第11節 ④

クリシュナは語った。
貴殿は嘆くに当たらない人間に関しても嘆く。しかも、一見聡明な言葉を語る。
しかし、賢者は、死者や生者について嘆くことはない。
......................................................
この文言は、極めて示唆に富みながらも、実にごちゃごちゃしていて分かり難い言葉でもあります。
何故ならば、

A:人間は、価値ある者とそうでない者が在り、それを分別すべきである。
B:人間は、しばしば「一見聡明な言葉」で、自分(のみならず他人)を騙し誤魔化ししてしまう。
C:生死に関して嘆いていると、その本当の意味・価値を理解出来ない愚者から変われない。

加えて第二章第2節のクリシュナの言葉も加えれば、
D:愚者は永遠に愚考と愚行を繰り返すばかりで、それらは社会の道理に反するばかりか、地球・宇宙の道理に反する。
E:それでは、正しく宇宙の摂理・波動と繋がらない。それこそ「嘆かわしい」ことに他ならない。

などが、言葉も説明も足りないまま、たったの二行に押し込められているからです。

先にご紹介した「第一章第40節」に現われているアルジュナの苦悶の様子には、
「同族を滅ぼしてしまえば、私たちもその伝統を失う」
「しかし、悪に負けてしまえば、善が滅んでしまう」
というものでした。

私はそこで、「宇宙の原理とも共通する生命体の基本原理」を挙げて、「相対悪・相対善」によって誤魔化され見失いがちな「絶対善と絶対悪」についてのブラフマン・ヒンドゥー思想を説明しました。

これらと関連させて、この第二章第11節を考察すれば、その混雑ぶりは、幾らかは解消します。

つまり、
先の連載Vol.10で述べた「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」は、「樹を切るなんて可愛そう」とか「自然の生き物は人間が手を加えずとも自然に生きていた筈だ」などの「詭弁」によって「真実・真理」を見失い。逆に「手を加えてやらねば」と「なんでもかんでも、剪定鋏を入れたがるのもお馬鹿」であり、「摂理・道理」を見失っている。そもそも見ようとさえせず「自分の感覚が宇宙の中心であるかのような愚者」であることを示唆しており、大げさにこじつければ、

日本の名言「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」の原点は、「バガワドギータ第二章・第11節である」
とさえ言いたい・言えるのです。

あながち冗談ではないと思われるのが、
ゾロアスター教などの遥か以前にペルシア・シルクロードに存在した宗教から、ブラフマン教が分離していますが、その母体(土壌)からは、中世にイスラム教神秘主義スーフィーも生まれています。

奇しくも私の「スーフィー・ソングの十八番」でも、「サクランボウ」と「枝を切る」が歌われています。

その一節は、
「サクラの実を得ようとして、誤って枝を折ってしまった」というもので、
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」を知れば、「枝位折ること程度は、誰にもあり得るだろう」では済まされない話であり、これは、「米初代大統領:ジョージ・ワシントンの桜の枝折」にさえ通じるのです。

クリシュナが語ったこと、
「切ってはならないものを切るな!」「切るべきものをためらうな!」
は、
「捨てるべきもの、守るべきものの分別」「捨てると守るの道理・摂理・真理」
を説くものであり、

ひいては、
「その分別が出来ない愚者の人生は、『死にたくないから生きている』に過ぎず」
「生きる・活きることの必然性・宿命が分かっていない愚者であり」
「それは、人間本位の世の中に蔓延する『良さ気な言葉の詭弁』に惑わされているに過ぎない」
というような次元で、

決して「ごちゃごちゃ詰め込まれた分かり難い文言」ではない、
に至るのです。

(つづく)

............................................................................................................
何時も最後までご高読下さってありがとうございます。

バガヴァド・ギータの詳しい語彙の解説は、シーターラーマさんのブログで是非、学んで下さい。
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(文章:若林 忠宏

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