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雑記帳

ヤヤーティ王の気づき

常に欲望を刺激される現代社会。
ひとつの欲望が満たされると、次々に欲望が沸き起こり、心にゆとりがなくなることも少なくありません。
そんな私たちの姿を象徴する、ヤヤーティと呼ばれる王がいます。

ヤヤーティ王は、マハーバーラタにおいて主役として語られるパーンダヴァやカウラヴァの祖先にあたります。
このヤヤーティ王にまつわる神話には、私たちがより豊かな人生を送るための教えが秘められています。
バーガヴァタ・プラーナにおいて語られる有名な神話です。

ある時、欲望にまみれたヤヤーティ王の振る舞いに激怒した師であるシュクラーチャーリヤは、ヤヤーティ王に呪いをかけました。
その呪いによって老人の姿になってしまったヤヤーティ王は嘆き悲しみ、若さを取り戻すべく、シュクラーチャーリヤに許しを請います。

シュクラーチャーリヤは、誰かの若さと老いを交換できれば、若さを取り戻すことができるといいました。
ヤヤーティ王は5人の息子たちに懇願するも、次々に拒まれてしまいます。
そんな中、末っ子のプルだけは、父親の老いと自分の若さを交換することに同意しました。

そうして若さを取り戻したヤヤーティ王は、欲望のままに快楽を求め、日々を楽しみました。
しかし、いつまでたっても満たされることはなく、満たせば満たすほど、火に油を注ぐように燃え上がる欲望に、いつしか苦悩を抱き始めます。
そこで、ヤヤーティ王はある気づきを得ました。
それは、どんな欲望の対象物も人を満足させることはできないということでした。

ヤヤーティ王は若さをプルに返し、再び老人の姿になると、森に入り修行に耽ります。
そうして真理に至り、永遠の至福に安住したと伝えられます。

日々を生きる中で、もうひとつ、という気持ちに駆られることは少なくありません。
私たちを突き動かすその力なしに、成長し目標を達成することはできないのも事実です。
しかし、私たちは何よりもまず、永遠の至福である自分自身の本質に気づいている必要があります。
それは、自分自身の本質に等しい神々の礼拝や、真理が秘められた叡智に触れることで可能になります。
そうして学びを深めながら生きる時、私たちは真に満ち足りた人生を送ることができるはずです。

(文章:ひるま)

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