スピリチュアルインド雑貨SitaRama

ガネーシャ・ギリ

楽しかったインドの思い出4

1990年代の後半、足掛け3か月に及ぶヒマラヤの聖地巡礼を終え、私はリシケーシュのガンガー(ガンジス川)沿いのゲストハウスで身体を休めていました。
逗留して10日くらい経ったころでしょうか?窓から見えるガンジス川の変化が現れました。
水位が少しずつ上昇し始めたのです。
最初はほんの少しだったのですが、次第に大幅に上昇し始めました。
そのゲストハウスは、ヨーガの団体が経営するものでしたが、当時は日本ではまだヨーガブーム前で、日本人の宿泊者は私だけでした。
他の宿泊者たちは、危険を感じたのか早々にチェックアウト引き上げていったのですが、私は日本から来るヨーガの師一行と、このゲストハウスで待ち合わせをしていたために宿を変えることが難しい状況でした。
インターネットの通信がまだ一般的でない時代で、日本への連絡は国際電話を扱う店からかけるしかなかったのです。また通信も不安定でしたし、携帯電話もほとんどない時代でしたので、日本へかけても固定電話へでしたので、きちんと連絡が取れるかわからなかったのです。

毎朝とても不安げな顔でガンガーを見ている宿の経営者に「ガンジス川の水は溢れないか?」と尋ねると、その経営者はこれ以上ないくらい不安げな表情で「ノープロブレム(問題ないです)。」と言ったのです。

それを聞いて私は思わず笑ってしまいました。
以前の記事にも書かせていただいたように、(当時のインド人は)何があっても二言目には「ノープロブレム。」と言うのです。たとえ大きな問題があったとしてもです。そういう印象でした。

本当にいい加減な人たちだ、と思いましたが、辿っていくときっとその思想は「神様が何とかしてくれるから大丈夫。」というところから来ているに違いありません。それは幾多の困難に遭いながらも、厳しいインド亜大陸の自然を生き延びてきた、彼らの祖先から受け継いだDNAに刻み込まれた情報なのかもしれません。
私たち日本人から見て、大抵のインド人が能天気に見えるのは、実はある種の強さの裏返しような気がします。

幸いにも水は溢れる直前で引きました。
経営者は、今度は自信満々な表情で「ノープロブレム。」と言ったのです。
それを聞いてまた笑ってしまいました。

今となっては懐かしい思い出です。

貼付写真:当時のゲストハウス前のガンガーの水位の比較写真(水が増えた時と、引いた後)

(文章:ガネーシャ・ギリ)

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ガネーシャ・ギリ氏共著 『インド占星術と運命改善法』

ガネーシャ・ギリによるインド占星術鑑定

ガネーシャ・ギリによるヨーガクラス
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