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雑記帳

ヤマ神と水牛

太陽が北半球に回帰し、冬至から夏至に向かうウッタラーヤナを迎えると、インドでは神々の昼が始まるといわれます。
この期間は天国の夜明けとも呼ばれ、満ちていく天日に神威を感じる瞬間があります。
このウッタラーヤナを迎えて最初の新月を、インドでは1月31日に迎えようとしています。
一部の地域において、この新月は先祖供養を行う重要な時であるとされています。

一説に、私たちの亡くなった3世代の先祖の魂は、ヤマ神が司る天と地の間のピトリ・ローカにいると伝えられます。
ヤマ神は死の神であり、隠然と恐怖を感じさせる姿で黒々とした水牛を乗り物とします。
水牛は、古くから無知の象徴として捉えられてきました。
そんな水牛を乗り物とするヤマ神は、行為の善悪の記録から死者を裁く、ダルマの神としても崇められる存在です。

物質という肉体を持って生じた私たちは、始まりがあり、終わりがある時の中で生きています。
そこでは、自分自身の本質である永遠の魂を見失い、いずれ朽ち滅びる肉体に執着や欲望を抱くことが少なくありません。
そうして道を踏み外し、深い暗闇に陥ることが往々にあります。
永遠の魂に対する無知から生じるその執着や欲望によって、私たちは生まれ変わりを続け、この物質世界で繰り返し苦難を経験しなければなりません。

そんな私たちのもとに、無知を象徴する水牛に乗ってやってくるヤマ神は、私たちの魂を肉体から引き離します。
そして、その魂が純粋であれば、時を超えた至高の世界に導くと信じられます。
時間に限りがある肉体をまとう私たちは、その意義ある時間の中で永遠の魂に気づき、常に純粋であることを学ばなくてはなりません。

自分自身の本質である永遠の魂に対する気づきは、永遠不変の存在である神々への礼拝を通じて深めることができます。
その気づきがあれば、恐れることなくヤマ神を受け入れることができるに違いありません。
私たちの魂を導く、こうした豊かな叡智を胸に刻み、気づきとともに日々を歩みことを努めたいと感じます。

(文章:ひるま)

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