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フェスティバル

ディーワーリー

秋の夜空に延々と打ち上がる花火と子どもたちが鳴らし合う爆竹、そして祝福の声が木霊する喧騒の中で、人々は甘いお菓子を分かち合いながら光を灯し、神を待ちます。雑多な生活の中の聖域は言葉にならないほど美しいものでした。
10月に入ると、インドでは街も人もいつも以上に忙しなく活気が溢れるように感じます。インド全体が一年中で最も熱気に包まれる、宗教を超えた最大のお祭り「ディーワーリー」が待ち受けているからです。
宗教が混在するインドでも、このディーワーリーは新たな年の始まりとして多くの人が共に祝福し合います。日本の師走がそうであるように、インドでもこの新年を迎えるにあたり人々はまず家の大掃除に取り掛かります。外壁や屋根までもが塗り替えられ、靴や洋服など全てを新調し、知人や友人、お世話になった人への贈り物を準備します。ディーワーリーに欠かせない甘いお菓子に至っては、何十キロという単位で購入するなど、この時期のインドに溢れる活気にはいつも驚かされるばかりです。
ディーワーリーは文化や地域によって違いはありながらも、ヴィシュヌ神の化身であるラーマが14年間の追放を経て王国へと戻ることを祝福する日です。また、秋の収穫にも重なり、富と幸運の女神であるラクシュミを盛大に称えます。
「光の祭典」と呼ばれるように、このディーワーリーの日ほど光を感じることはありません。王国へと戻るラーマが道に迷わぬよう、それぞれの家庭は明かりを灯してその道筋を照らします。新調された家々は美しく装飾がなされ、神を迎える灯し火で街はいつも以上に明るく、そして何より喜びを共有する人々の明るい笑顔が溢れています。光に包まれた家々は、ラクシュミーを招き入れるためにこの日ばかりは扉を閉めません。神のために光が灯り、扉が開かれ、人々が喜びを分かち合っています。
新月の夜に祝福されるディーワーリーの日は、完全なその暗闇の中で、ディヤと呼ばれる器の中で灯る無数の小さな灯りが世界を照らします。この日ばかりは、どんな人の顔にも悲嘆や苦難を見ませんでした。神という光を自分の内に見出し、そこから溢れ出る喜びによって照らし出された世界、そしてその真実の姿に、究極の教えを見たような気がします。
悪に対する善の勝利を祝福する日でもあるこの夜に、暗闇から光へと、そして幻想から真実へと、私たちが進むべく道筋が照らされます。その道を見失わぬよう、神そのものである光を灯す祭典が今年ももうすぐやってきます。
(文章:ひるま)
※2011年は10月26日がディーワーリーとなります。

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