(Reuters Health) - 週に数回のヨガ・セッションは、睡眠障害や更年期障害を和らげることが、ある研究で明らかになった。
ジャーナル・メノポーズで発表された研究によると、不眠症と診断された人の中に閉経後の女性も含まれていることが分かった。
「ヨガが閉経後の症状を治すと言っているわけではありません。」この研究論文の著者の1人である Helena Hachul 博士は、Reuters Health(ロイター通信の Health と Medical に関するニュースを提供している Web サイト)へあてたメールでこう述べている。「しかし症状を改善して和らげることができます。」
Hachul と共同研究員らは、44人の女性をランダムに3つのグルームに割り振った。内15人は何の治療も受けず、14人は週に2度理学療法士と共にストレッチを行い、15人は週に2度ヨガ教室に参加した。
ヨガ教室では様々なストレッチポーズやチベタンパルシングヨガのテクニックを学び、強くて早い呼吸を練習した。
4ヶ月後、ヨガグループの女性達は何もしなかった人達に比べ、更年期障害による症状の訴えが少なくなった。
女性は更年期になると、よく顔がほてったり、寝汗をかいたり、不安になったり、いらいらしたりして、中には不眠症になったり気分が落ちこんでしまう人もいる。ホルモン補充療法はこういった症状を和らげることができるが、2002年の女性の健康イニシアチブ(Women's Health Initiative)の研究によると、この療法には心臓病や卒中、乳がんなどのリスクがあるという。
以来、ホルモン補充療法を受ける女性の数は減り、大半の人はそれぞれの症状の対処をする為に別の治療法に頼るようになった。例えば、顔のほてりにはブラック・コホッシュやアカツメクサなどのハーブを摂取すると言った具合だ。しかし、そういった治療は気休めの薬に過ぎないことが、ある研究によって判明している。
マツヨイグサ油やチョウセンニンジン、 カヴァ、甘草、セージなどのを使用したホメオパシー療法も、北米閉経学会(North American Menopause Society)によると効果は期待できないという。
これとは対照的に、ヨガがストレスを軽減し、交感神経系のファイト・オア・フライト反応(脅威や危険に対する身体の反応)を抑制するということが研究で証明されている。
「これは沢山あるヨガのメリットの一部に過ぎません。」Cathryn Booth-LaForce は最新の発見についてこう語る。
「更年期障害だけでなく、様々な症状の改善に医師たちがヨガを勧めだしたのです。」 Booth-LaForce は続ける。彼女はワシントン大学の看護学部で更年期障害の代替療法を学んだが、新しい研究には参加していなかった。
ところが、彼女は Hachul のレポートには肝心の情報が抜けていると注意を呼びかける。
「どんなポーズが使われたのか、何人がヨガ教室に欠かさず通ったのか、といった情報がほぼ皆無なのが気になります。」
研究では、女性達が治療の前後にアンケートに答えている。
あるアンケートでは閉経後の症状を尋ね、0から18を軽い、18から35を中間、35以上を重いとした。4ヶ月後、ヨガを行った女性の平均数値が 12.4となる一方、治療を受けなかった女性は19.9にとどまった。
睡眠に関するアンケートでは、28を最も深刻な不眠症状とする0から28の段階に分けたところ、ヨガを行った女性が平均9.7、治療を受けていない女性が13.7であった。
しかし、ストレッチを行った女性とヨガを行った女性にははっきりとした違いは見られなかった。
「テーブルに横になってストレッチをするのは、リラックスにつながったのかもしれません。」Booth-LaForce は言う。「しかし、ヨガは1つ1つの動作に集中することで心と身体をつなぎます。これは単に手足を伸ばすのとは大きな違いです。」
Booth-LaForce は女性達にヨガを始めることを勧めている。元気を回復させるヨガ教室や、レベルの易しい教室に参加してみてほしい、と。
ヨガ教室の受講料は、9ドルから16ドルが相場だ。
「女性には週に1度ヨガ教室に行き、毎日15分家で練習することをお勧めします。」と Booth-LaForce は語る。
出典:http://reut.rs/tX5XN5
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