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雑記帳

ミティヤー女神の姿

ヒンドゥー教において、神々の1年は、人間の360年に等しいとされることがあります。
そして、この時間の単位をもとに、循環する4つの時代があることが伝えられてきました。
それは、サティヤ・ユガ、トレーター・ユガ、ドヴァーパラ・ユガ、そしてカリ・ユガにあたります。
この4つの時代が進む間、少しずつ衰退していくと伝えられるのがダルマ(正義)です。

最初のサティヤ・ユガは、善が支配する黄金の時代です。
しかし、トレーター・ユガでは悪が4分の1を支配するようになります。
そして、ドヴァーパラ・ユガでは悪が4分の2を支配し、現在にあたるカリ・ユガでは、悪が4分の3を支配すると伝えられます。

1年の大吉日であるアクシャヤ・トリティーヤーは、トレーター・ユガの開始日とされる時です。
このトレーター・ユガにおいて、少しずつ姿を見せ始める女神がいるとされます。
それは、不道徳という意味を持つミティヤー女神です。
ミティヤー女神は、アダルマ(不正)の妻とされる女神であり、邪な思いを持つ人々に崇拝されると信じられます。
これは、シュリーマド・デーヴィー・バーガヴァタムにおいて見られるミティヤー女神の姿です(第9巻第1章)。

善に支配されていたサティヤ・ユガにおいては、ミティヤー女神の姿を見ることはできませんでした。
しかし、トレーター・ユガにおいて、ミティヤー女神が小さな姿で現れます。
ドヴァーパラ・ユガでは、その姿が半分ほど見えるようになり、カリ・ユガでは完全に見えるようになるとされます。
そうしてはっきりと姿を現したミティヤー女神は、カパタ(欺瞞)という兄弟と一緒に人々の家から家を歩き回り、どこにでも入り込んで傲慢に暮らすのだと伝えられます。

ミティヤー女神は、誰しもの内に住む女神です。
渇望、怒気、嫉妬、憎悪、不満といった悪の質を感じる時、ミティヤー女神が少しずつ姿を見せ始めていることに気づかなくてはなりません。
そこで私たちは、正直で誠実であることを努め、自分自身の内で善の質を高める必要があります。
そうして私たち自身が善の質を高めれば、ミティヤー女神を封じ、ダルマの衰退を防ぐことが可能になります。

善に支配されていたサティヤ・ユガにおいては、知識・瞑想・苦行がとりわけ重要な意味を持っていたとされます。
こうした行いに真摯に取り組む時、私たちはミティヤー女神の姿を見ることなく、黄金の時を過ごすことができるはずです。

(文章:ひるま)

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