インドでは一部の地域において、2022年5月30日の新月以降、ガンジス河の降誕を祝福する10日間の祝祭「ガンガー・ダシャハラー」が祝福されます。
その10日目となる6月10日は、ガンジス河が地上に現れた日と信じられ、多くの人々がガンジス河で沐浴をし、祈りを捧げます。
ヒンドゥー教徒にとって、ガンジス河は究極の浄化と解脱をもたらす神聖な存在であるとともに、ガンガー女神として愛と慈悲、無限の恵みを注ぐ母なる存在でもあります。
一説に、天を流れていたガンジス河は、賢者バギーラタの苦行によって、この地に降り注いだと伝えられます。
バギーラタは、殺された祖先の霊を清め解放するために、天を流れる純粋なガンジス河の聖水を必要としていました。
ガンジス河を地上にもたらすために行なったバギーラタの大変な苦行に神々は喜び、ガンガー女神はシヴァ神にその急流を受け止められながら地上へ降り注いだと信じられます。
こうして地上にもたらされたガンジス河であるが故に、その聖水に触れることで罪が清められ、解脱を得ることができると、現代でも多くの人々がこの河を崇め、心を委ねています。
ガンジス河の聖水は、神聖な水としてさまざまな用途に用いることができます。
・神像を洗ったり、プージャー(宗教儀式)などに使用します。
・シヴァリンガムにアビシェーカ(灌水)を行うときに使用することで、すべての聖地を巡礼するのと同様の功徳があるといわれます。
・礼拝に用いることで、物質的豊かさと、霊的成長をもたらすといわれます。
・どのようなヤジュニャ(祭式)に対しても使用することができます。
・銅製の容器に入れて保存することで、災難と不運を追い祓うお守りとして使用されます。
以下のようなマントラを唱えることもできます。
・ॐ शुद्धि दात गङ्गा माता नमो नमो
・om śuddhi dāta gaṅgā mātā namo namo
・オーム シュッディ ダータ ガンガー マーター ナモー ナモー
・意味:清浄をもたらす母なるガンガーに帰依いたします。
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