スピリチュアルインド雑貨SitaRama

雑記帳

崇高な存在に出会う22のステップ

神々しい崇高なエネルギーが溢れるインドにおいて、とりわけ多くの神秘が伝えられる寺院があります。
美しいベンガル湾に臨み、インドの4大聖地のひとつにも数えられる、東インドのプリーに聳え立つジャガンナータ寺院です。
クリシュナ神の化身であるジャガンナータ神を祀るこの寺院は、世界的にも有名なラタ・ヤートラーが祝福される偉大な巡礼地として知られています。

このジャガンナータ寺院の正門をくぐると、中にある寺院へ入るために、22段の階段を登らなければならないとされます。
この22段の階段には、私たちの霊性を育む神秘的な解釈が多くあります。
そのひとつは、次のように伝えられます。

最初の5段は、物質世界を形作るパンチャ・マハーブータ(五大元素)とされます。
それは、地・水・火・空・風の5つであり、私たちの身体を構成するものでもあります。

次の5段は、5つの知覚器官、または、5つの行為器官にあたるパンチャ・インドリヤとされます。
それは、目・耳・鼻・舌・皮膚(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)、または、口・手・足・生殖器官・排泄器官・(発声・操作・移動・生殖・排泄)にあたります。
このインドリヤは、インドラ神の力の現れとして私たちの内に存在するも、その働きが統制されなければ、私たちを悩ます敵になるものとされます。

そうして迎える次の6段は、6つの敵を意味するシャドリプとされます。
心に現れるこれらの敵は、モークシャ(解脱)を妨げるものとされてきました。
それは、カーマ(渇望)、クローダ(怒り)、ローバ(強欲)、マダ(傲慢)、モーハ(妄想)、マートサルヤ(嫉妬)にあたります。

次の3段は、物質原理を構成するトリグナとされます。
それは、心に働きかける3つの性質でもあり、サットヴァ(純質)、ラジャス(激質)、タマス(暗質)にあたります。

そして最後の3段は、心(チッタ)を構成するブッディ(知性)、アハンカーラ(自我)、マナス(思考) の3つとされます。
ヨーガの経典であるヨーガ・スートラでは、この3つからなる心の働きを止滅することがヨーガの目的であると説かれます。

これらの22段に象徴されるものは、私たちが生きる物質世界を生み出すものでもあり、私たちが支配下に置かなければならないものでもあります。
それを理解し、ヨーガや瞑想といった霊性修行に取り組むことで、私たちは本当の自分に出会うことが可能になるとされてきました。

この22段を登り終えた後に謁見するジャガンナータ神には、宇宙の主という意味があります。
その崇高な存在に出会うために登る22段の階段は、本当の自分を知るためのステップとして見ることができます。
そうして私たちを真実へと導くジャガンナータ神は、個々の内に存在しているということを忘れてはなりません。
自分自身の内にあるその聖地を見失うことがないように、与えられた日々を一歩一歩、大切に歩んでいきたいと感じます。

(文章:ひるま)

参照:God Goddess Inside Jagannath Temple, Puri, Odisha

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


RANKING

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3

CATEGORY

RECOMMEND

RELATED

PAGE TOP