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雑記帳

クリシュナ神とバララーマ神

暗い牢獄で生まれたと伝えられるクリシュナ神には、強いラーマを意味するバララーマという名の兄がいます。
クリシュナ神とバララーマ神は、悪王であるカンサ王の策略を逃れ生き延び、ダルマを守り支える存在として現代でも広く崇められています。
暗黒の世に生まれた光の象徴であるこのクリシュナ神とバララーマ神の間には、ある説話が伝わります。

クリシュナ神とバララーマ神が森を歩いていた時のこと、日が暮れ、前に進むことができなくなった二人は、休息をとることに決めました。
しかし、辺りは暗く、遠くでは獣の鳴き声が聞こえています。
二人は交代で眠ることにし、まずバララーマ神が辺りを見張っていると、暗闇から恐ろしい怪物が姿をあらわしました。
慄いたバララーマ神が一歩下がると、怪物は一回り大きくなります。
さらに慄いたバララーマ神がもう一歩下がると、怪物はまた一回り大きくなりました。
そうして二人に怪物が迫ってきたため、バララーマ神は気を失い倒れてしまいます。

それに気がついたクリシュナ神は、バララーマ神が眠り込んだのだと思い、見張りを始めました。
しかし、クリシュナ神が立ち上がって怪物を見つめると、その怪物は小さくなっていきます。
やがて朝が訪れ、バララーマ神は小さくなった怪物を見て驚きました。
クリシュナ神は驚くバララーマ神に、怪物の大きさはバララーマ神の恐怖の大きさであったことを説いたと伝えられます。

この説話に見られる怪物は、まさに私たちが抱える恐怖や不安を象徴しています。
恐怖や不安を抱きすぎると、それは限りなく大きくなっていくものです。
これは、私たちが人生で経験するさまざまな試練にも例えられます。
恐怖や不安を抱く時、直面する試練はとても大きく見えることがあります。
しかし、立ち上がって試練に向き合えば、その試練はどんどんと小さくなり、やがて打ち勝つことが可能になります。

こうした恐怖や不安を払拭し、試練に立ち向かうために必要なのが、信じる心です。
クリシュナ神は、神の詩といわれるバガヴァッド・ギーターで教えを説くように、私たちの内に知性として生きていると伝えられます。
そんなクリシュナ神の御名を唱えたり、バガヴァッド・ギーターを読むことで深まる信心は、私たちの知性を輝かせ、真実を理解する力を与えてくれます。
その力があれば、私たちは不安や恐怖という暗闇を払拭し、常に明るい道を進むことができるに違いありません。

(文章:ひるま)

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