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雑記帳

クリッティカーの愛

光の祭典として知られるディーワーリーの祝祭は、秋が深まった10月~11月の新月に祝福されます。
この時は、戦いに適するとされるカールッティカ月にあたり、霊的探求の守り神である軍神のカールッティケーヤ神(別名ムルガン神、スカンダ神など)と深いつながりがあるとされる時です。

6つの頭を持つカールッティケーヤ神はシヴァ神の子どもとされますが、一説に、すばる(プレアデス星団)として知られるクリッティカーによって育てられたと伝えらます。
秋から春先にかけて観測される6個または7個の星の集まりであるすばるは、クリッティカーとして27の星宿であるナクシャトラのひとつであり、鋭い知性に例えられる炎や刃の象徴があります。
そして、その支配神は火の神であるアグニ神とされます。

このすばるにあたるクリッティカーは、インドの神話ではもともと7姉妹として崇められていました。
カールッティカ月に祝福されるディーワーリーは、このクリッティカーを崇める時として祝福されることがあります。

クリッティカーにあたる7姉妹は、七聖仙であり星座では北斗七星にあたるサプタリシを夫とします。
ある時、アグニ神がそんな姉妹に魅了され、姉妹を追い求めたことがありました。
しかし、アグニ神は貞淑な姉妹たちに拒絶されたため、苦行を行おうと森に入ります。
そこでアグニ神に魅了されたのが、後にアグニ神の妻となるスヴァーハー女神でした。
スヴァーハー女神はアグニ神と結ばれようと、姉妹になりすまし、アグニ神と情事を重ねます。
そうしてアグニ神と不貞行為をしたと見られた姉妹たちは、サプタリシによって東の地平線に追放され、すばるを形成するようになったと伝えられます。

一方、その姉妹の中でスヴァーハー女神の罠に陥らなかったのが、アルンダティーです。
アルンダティーは信心深さの象徴となり、今は北斗七星のミザールの隣に寄り添うようにして存在する4等星のアルコルとして空に輝いていると伝えられます。

こうした姉妹たちに育まれたのが、6つの頭を持つカールッティケーヤ神です。
カールッティケーヤ神は、個々の内で輝く6つのチャクラをあらわしているといわれることがあります。
その6つの光を育んだ姉妹たちは、汚名を着せられ突き放されながらも、カールッティケーヤ神を深く愛しました。
そうして育まれたカールッティケーヤ神は、さまざまな難題と戦う力を私たちに授けることで、霊的探求の歩みを守り続けると伝えられます。

クリッティカーのように、私たちの誰しもが母性のような慈愛を兼ね備えています。
私たち自身が多くの存在に育まれていることを忘れずに、自分自身の内でカールッティケーヤ神を育む慈愛の力を培う必要があります。
眩い光が灯されるディーワーリーの夜、私たちを育む存在に感謝をしながらその力を見つめ、自分自身の内に光を生み出すことを努めたいと感じます。

(文章:ひるま)

カールッティケーヤ神の誕生やクリッティカーについては、この他にもさまざまに異なる言い伝えがあります。

参照:Krittika Nakshatra | The Womb of Warriors

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