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雑記帳

幸せを呼ぶ神秘の実

美しい自然が織りなすインドの情景の中に、崇高な寺院を鮮やかに彩る、ある赤い実があります。
緑が広がるインド南部ケーララ州のクリシュナ寺院において、一面に散らばったこの真っ赤な実に、心を奪われたことがありました。
日本では幸せを呼ぶサガの実として知られるこの赤い実には、ケーララ州グルヴァーユールのクリシュナ寺院にまつわるある伝承が伝わります。

クリシュナ神に帰依し、いつかグルヴァーユールにあるクリシュナ寺院を訪れることを切望していた信心深い女性がいたといわれます。
寺院を訪れる際には、捧げものとして供物を持参することが慣例でしたが、女性は貧しく、供物として捧げるものが何もありませんでした。
そこで、女性は光沢のある美しい赤い実を落とす木の下を訪れては、その実を集め始めます。
そして、袋がいっぱいになると、女性は集めた赤い実を手にし、寺院へと歩み始めました。

女性が寺院に到着した日は、地元の支配者が神々に象を奉納する日でした。
役人たちが支配者と象に道を譲るため群衆を払い除けると、そこにいた女性は倒れ、地面には赤い実が散らばります。
女性の目からは涙がこぼれ落ちました。
すると、突然に象が凶暴になり、ありとあらゆるものを破壊し始めます。
人々は慄き、混乱が静まるように祈りを捧げると、寺院の中から声が聞こえました。

「私のマンジャディークル(サガの実)はどこにある。
私に心から帰依する者はどこにいる。
彼女が心を込めて集めた贈り物はどこにある。」

人々は倒れていた女性を助け、女性は赤い実を集めて寺院に捧げます。
すると、象はたちまち落ち着きを取り戻し、寺院には平和が戻ったと伝えられます。

サガの実は重さが均一であり、4粒で1グラムになることが広く知られています。
そのため、古くから金や宝石の重さを測る分銅の代わりとして用いられていたといわれます。
そして、時を経てもその色と輝きが失われることはありません。

この伝承に基づく神秘的な赤い実は、差し出される供物の価値によって変わることなく神の恩寵が一様に注がれていることを伝えているようです。
そして、そこに変わらずに向けられる帰依者の心が、何よりも大きな幸せを与えてくれるのだと気づかされます。
奇蹟が溢れる自然に神威を見るインドの美しい文化に学びながら、この与えられた日々を豊かに過ごしていきたいと感じます。

(文章:ひるま)

参照:Magical Seeds From India: Manjadikuru

コメント

    • 神崎研一
    • 2022.10.16 9:52pm

    サガの実見て見たいですね。

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