インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
ब्रह्मण्य् आधाय कर्माणि
brahmaṇy ādhāya karmāṇi
ブラフマニ アーダーヤ カルマーニ
ブラフマンに諸行為を捧げて
brahmaṇi【中性・単数・処格 brahman】[〜において、〜のなかで]聖智に満ちた者、婆羅門;祭官とくにヴェーダ祭式を総監する祭官;ブラフマンを神格化した最高神、梵天、宇宙の創造者として保持者ヴィシュヌおよび破壊神シヴァとともにトリムルティを形成する神格;理性
ādhāya【絶対分詞 ā√dhā】[〜して、〜してから]据える、横たえる、置く;(属格)に種子を下ろす;(処格)に(行為を)捧げる;(処格)に(徳を)教え込む;(処格)の方を凝視する;(処格)に意・思念をこらす;注意を払う
karmāṇi【中性・複数・対格 karman】[〜らに、〜らを]行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
सङ्गं त्यक्त्वा करोति यः ।
saṅgaṁ tyaktvā karoti yaḥ |
サンガン ティヤクトヴァー カローティ ヤハ
執着を捨てて行為する人は
saṅgam【男性・単数・対格 saṅga】[〜に、〜を]〜への粘着、妨害;(処格)に執着・接触すること;〜との合一・交際;(処格)に対する欲望
tyaktvā【絶対分詞 √tyaj】[〜して、〜してから]罷る、見捨てる;棄てる;手放す;遺棄する;(場所より)去る;(人を)避ける;放置する、放つ;断念する、離れる、捨てる、護る
karoti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √kṛ】[彼は〜、それは〜]為す、作る、遂行する、用いる
yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人
लिप्यते न स पापेन
lipyate na sa pāpena
リッピャテー ナ サ パーペーナ
彼は罪悪によって汚されない
lipyate【三人称・単数・現在・受動活用 √lip】[彼は〜される、それは〜される]油を塗る、(対格)に(具格)を塗る;汚す、穢す、不潔にする、染める
na【否定辞】〜でない
sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
pāpena【中性・単数・具格 pāpa】[〜によって、〜をもって]罪、悪、不正、悪事
पद्मपत्त्रम् इवाम्भसा ॥
padmapattram ivāmbhasā ||
パドマパットラム イヴァームバサー
蓮の葉が、水によって(汚されない)ように
padmapattram 【中性・単数・主格 padmapattra】[〜は、〜が]昼咲く蓮華の花弁、蓮の葉
iva【副詞】〜のように、〜と同様に、言わば
ambhasā【中性・単数・具格 ambhas】[〜によって、〜をもって]水;天上の水
ब्रह्मण्याधाय कर्माणि सङ्गं त्यक्त्वा करोति यः ।
लिप्यते न स पापेन पद्मपत्त्रमिवाम्भसा ॥१०॥
brahmaṇyādhāya karmāṇi saṅgaṁ tyaktvā karoti yaḥ |
lipyate na sa pāpena padmapattramivāmbhasā ||10||
ブラフマンに諸行為を捧げ、執着を捨てて行為する人は、
水面における蓮弁のように、罪悪によって汚されない。
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