インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
विद्याविनयसंपन्ने
vidyāvinayasaṁpanne
ヴィディヤーヴィナヤサンパンネー
学識と規律を兼ね備えた
vidyā【女性】知識、学問、学術(とくに三ヴェーダの知識);呪法、呪術;呪文
vinaya【男性】除去、(衣服を)脱ぐこと;指導、訓練、教授、鍛錬;よい態度、礼儀正しさ、思慮、礼儀正しい作法、よいしつけ、慎み深い行為;職務;律
saṁpanne【男性・単数・処格 saṁpanna(sam√padの過去受動分詞)】生じた;成就した、完成した;完全な、十分な;〜に十分通暁した、〜に完全に熟練した;授かった、所有した、備えた
→vidyāvinayasaṁpanne【男性・単数・処格、限定複合語】学識と修養を備えた、学術と戒行を備えた
ब्राह्मणे गवि हस्तिनि ।
brāhmaṇe gavi hastini |
ブラーフマネー ガヴィ ハスティニ
バラモンに対して、牛、象に対して
brāhmaṇe【男性・単数・処格 brāhmaṇa】[〜において、〜のなかで](ブラフマンまたは聖智に満ちた)、ヴェーダに通じた人、神学者、祭官、婆羅門、四姓中第一階級に属する人
gavi【男性・単数・処格 go】[〜において、〜のなかで]牡牛;牛乳;牡牛の皮、皮革、革紐;水;感官;(複数形)家畜、牛の群;天体 【女性名詞】牝牛;天空;大地;語;弁才の女神(サラスヴァティー)
hastini【男性・単数・処格 hastin】[〜において、〜のなかで]手(鼻)を有する動物、象(を意味する最古の単語)
शुनि चैव श्वपाके च
śuni caiva śvapāke ca
シュニ チャイヴァ シュヴァパーケー チャ
また犬や賤民に対しても
śuni【男性・単数・処格 śvan】[〜において、〜のなかで]犬、猟犬
ca【接続詞】そして、また、〜と
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
śvapāke【男性・単数・処格 śvapāka】[〜において、〜のなかで]犬を調理する人、ある下層階級
पण्डिताः समदर्शिनः॥
paṇḍitāḥ samadarśinaḥ ||
パンディターハ サマダルシナハ
賢者は平等に見る
paṇḍitās【男性・複数・主格 paṇḍita】[〜らは、〜らが]学者、学問のある人、賢い人;パンディット 【形容詞】学問のある;賢い、怜悧な;教養ある、〜に巧みな
sama【副詞】等しく、同様に、同じように
darśinas【男性・複数・主格 darśin】見る、視る、注意する、見放す;知る、理解する;経験する;示す、教える
विद्याविनयसंपन्ने ब्राह्मणे गवि हस्तिनि ।
शुनि चैव श्वपाके च पण्डिताः समदर्शिनः ॥१८॥
vidyāvinayasaṁpanne brāhmaṇe gavi hastini |
śuni caiva śvapāke ca paṇḍitāḥ samadarśinaḥ ||18||
学識と規律を兼ね備えたバラモンに対して、牛、象に対して、
また犬や賤民に対しても、賢者は平等に見る。
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