インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
यं संन्यासम् इति प्राहुर्
yaṁ saṁnyāsam iti prāhur
ヤン サンニャーサム イティ プラーフル
彼らが放擲と呼ぶものを
yam【男性・単数・対格、関係代名詞 yad】[〜に、〜を]〜であるもの、〜である人
saṁnyāsam【男性・単数・対格 saṁnyāsa】[〜に、〜を](世を)棄てること;(行為の)遠離、放擲
iti【副詞】〜と、〜ということ、以上(しばしば引用句の後に置かれる)
prāhus【三人称・複数・パラスマイパダ・完了 pra√ah】[彼らは〜した、それらは〜した]言明する、宣示する、言う;呼ぶ
योगं तं विद्धि पाण्डव ।
yogaṁ taṁ viddhi pāṇḍava |
ヨーガン タン ヴィッディ パーンダヴァ
それをヨーガと知れ、アルジュナよ
yogam【男性・単数・対格 yoga】[〜に、〜を]ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一
tam【男性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]これ、あれ、彼
viddhi【二人称・単数・パラスマイパダ・命令法 √vid】[あなたは〜せよ]知る、理解する、気付く、学ぶ
pāṇḍava【男性・単数・呼格 pāṇḍava】[〜よ]パーンドゥの息子。ここではアルジュナのこと
न ह्य् असंन्यस्तसंकल्पो
na hy asaṁnyastasaṁkalpo
ナ ヒ アサンニャスタサンカルポー
なぜなら、意図を放擲しないものはいない
na【否定辞】〜でない
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
asaṁnyasta【過去受動分詞 a-saṃ-ni-√as】投げ捨てられず、放棄されず、廃されず、捨てられず、見棄てられず;野営せず;預けられず、まかせられず、引き渡されず
saṁkalpas【男性・単数・主格 saṁkalpa】[〜は、〜が](意manasの)決心・意志・目的・はっきりした意図・決定・欲望;(合成語として)=単に望むだけで、欲望に従って、特定の目的のために
→asaṁnyastasaṁkalpas【男性・単数・主格】意図を捨てない、欲望を放棄しない
योगी भवति कश्चन ॥
yogī bhavati kaścana ||
ヨーギー バヴァティ カシュチャナ
ヨーガ行者は誰も(いない)
yogī【男性・単数・主格 yogin】[〜は、〜が]ヨーガ行者、修行者、実践者
bhavati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在、√bhū】[それは〜、彼は〜]ある、存在する、〜となる;生じる
kaścana【男性・単数・主格、不定代名詞、kim + cana】[〜は、〜が]誰か、誰かある人、何か、何かあるもの
यं संन्यासमिति प्राहुर्योगं तं विद्धि पाण्डव ।
न ह्यसंन्यस्तसंकल्पो योगी भवति कश्चन ॥२॥
yaṁ saṁnyāsamiti prāhuryogaṁ taṁ viddhi pāṇḍava |
na hyasaṁnyastasaṁkalpo yogī bhavati kaścana ||2||
アルジュナよ、放擲と呼ぶもの、それをヨーガと知りなさい。
なぜなら、意図を放擲しないヨーギンは誰もいないから。
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