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雑記帳

ハヌマーン神とランキニー

私たちの歩みを導く教えが随所に溢れるラーマ神の行状記であるラーマーヤナ。
そこには、ハヌマーン神とランキニーにまつわる神話があります。
ランキニーはラークシャシー(羅刹女)のひとりで、ランカーとも呼ばれるように、羅刹王のラーヴァナが支配するランカー島の守護者でした。

ランキニーは、かつてはブラフマー神の住居を守る守護者として神々に仕える存在でした。
しかし、創造神であるブラフマー神の住居を守る自分を誇りに思い、傲慢になります。
その地位に酔いしれ、神々や聖仙に無礼を働くこともありました。
ブラフマー神はそんなランキニーに呪いをかけ、羅刹に支配されたランカー島の守護者にしてしまいます。

ランキニーはすぐに自分の過ちに気づき、許しを乞いました。
その姿に、ブラフマー神は猿に倒された時に呪いが解けるという恩恵を与えます。
そんなランキニーが守るランカー島に辿り着いたのが、猿の姿をしたハヌマーン神でした。

ハヌマーン神は、ラーヴァナに誘拐され、ランカー島に連れ去られたラーマ神の妃であるシーター女神を救うべく奮闘していました。
そして、ランカー島に入るためにハヌマーン神はランキニーと対峙します。
その後の争いにおいてハヌマーン神に負かされたランキニーは、死の苦しみの中、ブラフマー神の恩恵を思い出します。
そして、ランキニーはハヌマーン神を解放すると、街に入ることを許可しました。

ハヌマーン神がランカー島へ入った後、シーター女神は救い出され、ラーヴァナも倒されます。
ブラフマー神の恩恵通り、猿の姿をしたハヌマーン神に倒されたランキニーの呪いも解かれ、ランキニーは再びブラフマー神の住居の守護者になったと伝えられます。

私たち自身、人生において手にする地位や名誉を誇りに思い、時に慢心し、高慢になることがあります。
しかし、それこそが私たちの歩みを阻む障壁であるということを、この神話は伝えています。
そして、その障壁を倒すことができるのが、ハヌマーン神に象徴される献身や信愛です。

ラーマ神という崇高な存在に定まったハヌマーン神の心は、博愛の精神に満ち溢れ、その姿勢は常に耐え忍ぶものでした。
ランキニーは、一度は道を誤るも、そんなハヌマーン神の力によって正しい方向に導かれ、解放されます。
私たちがハヌマーン神の心を持ち続ければ、直面し得る障壁にも打ち勝ち、まっすぐ究極の目標を達成することができるはずです。

4月6日の満月には、そんなハヌマーン神の降誕祭が祝福されます。
私たちに豊かな教えを示し続ける叡智に触れながら、ハヌマーン神の力を自分自身の内に生み出したいと感じます。
皆様にも大きな恩寵がありますように、心よりお祈り申し上げます。

(文章:ひるま)

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