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雑記帳

他を想うこと

古くから伝わる数々の叡智は、心の働きと向き合う術を多様に伝えています。ヨーガにおいても、その目的は心の止滅であると先ず説かれます。そして仏陀も、苦しみが生み出されるところ、それが心であると、その働きを滅する術を説きました。
私たちの心には、無明という苦しみの生まれるところがあると言われます。それは、苦しみのもとである煩悩が生まれるところです。煩悩は心の働きでもあり、それさえなければ苦しみも生まれることはないと、心の働きから自由になることが時を超えて求められてきました。「涅槃」の字義が、「ニルヴァーナ=吹き消すこと」をあらわすように、心が静まり煩悩が吹き消された寂静こそが、最高の境地であることは明確です。
煩悩を吹き消すこと、その一つにトンレンという手法がチベット仏教に伝わります。トンレンは「受け取ること」そして「与えること」を意味し、他者の苦しみを自分が受け取り、自分の幸せを他者に与える瞑想法として知られています。その手法は一つに、瞑想の中で家族や愛する人の苦悩を呼吸と共に吸い取り、そして自分の幸せを与えるように息を吐き出すものです。
実際に、苦悩を抱く人々の苦しみが和らぐ事実も報告される中で、これは何よりも、自分自身への執着をなくすと言われています。煩悩は自己への執着心から生まれるとも言われます。他を想う過程でその執着心が減り、自身の内をかき乱す煩悩は消え、心には静寂が生まれます。家族や愛する人、身近にいる人、そして見知らぬ人、それから世界のあらゆるもの、そうしてその慈悲を拡大する中で、個が生み出す苦悩は消え失せ、自分自身と世界にも大きな平安をもたらします。
この世は苦であると仏教は伝えます。自分自身が苦悩を持つように、誰しもが心の内に苦悩を持つということ。他との繋がりの中でその苦を受け止めることで、個としての煩悩を吹き消し、絶対の大きな平安に落ち着くことができるに違いありません。
仏陀の降誕祭を控え、その叡智が多くの人々の胸に響き、無明が明るく照らされることをお祈りしております。皆さまもどうぞ吉兆なブッダ・プールニマをお迎えください。
(文章:ひるま)

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