ナヴァラートリの9日間は、ドゥルガー女神(シャクティ)が悪神マヒシャースラと戦った時であり、そしてその悪に打ち勝った時がナヴァラートリ10日目となるダシャハラーとして祝福されるものです。
悪に対する善の勝利が、このナヴァラートリ、そしてダシャハラーの第一の意味に他ありません。
自分自身の内が変化に囚われ乱れる時、その内は悪の性質に支配されると言われます。
それらは悪神マヒシャースラに示されるように、色欲、怒り、執着、強欲、慢心、嫉妬、自己中心、偽り、酷薄、自尊心などと言われてきました。
こうした外界の変化の時においては、特に不安定な状態がその影響をより強く引き起こし、私たちはさまざまな困難や苦難を経験するとも言われます。
ナヴァラートリは、活動的で変化のエネルギーであるシャクティ(女神)の力がより強く高まる時です。
その力を呼び覚ます女神のマントラを唱えること、瞑想や祈祷を行うこと、また自分自身の内を浄化する断食を行うことなどで、悪質を倒す力に繋がることが容易になると、古くから人々はその行いを実践してきました。
現代においても、この時はインドの各地で祈りが捧げられ、食の節制が努められます。
変化そのものである物質という肉体をまとい、そして心の働きを持つ私たちにとって、マヒシャースラはどんな人々の内にも存在し得るものです。
それが神聖なエネルギーであるシャクティに支配される時、人々の内は純粋な質に留まります。それはまた、善の勝利に他ありません。
そして、そこに至るために誰しもが経験するさまざまな葛藤や争いも、信じる力によって容易に乗り越えられるものだということを、私たちはこの祝祭を通じ学びます。
この9日間を通じた行いの後、自分自身の内が浄化されたその感覚は、何よりも清らかで美しいものであることを、忘れることができません。
古くから変わらずに受け継がれてきた大自然や神々との繋がりは、どんな時も、自分自身を幸せへと導く術を示しています。
繰り返し繰り返しその意味を学びながら、自分自身を育み、豊かな日々を築いていきたいと感じています。
ナヴァラートリ、そして最後に迎える盛大な祝福を、皆さまが勝利と共に迎えられることを心よりお祈りしております。
(文章:ひるま)
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