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グル・プールニマー

グル・プールニマー:6つの聖なる教えから学ぶ師の意義

グル・プールニマーは、インドの伝統において師(グル)への感謝と尊敬を表す重要な日です。この記事では、6つの重要な聖典や偉人の言葉を通じて、グルの意味と重要性、そしてグル・プールニマーの精神的な意義を探ります。

1. グルの定義:闇を払う光

アドヴァヤターラカ・ウパニシャッド(Advayataraka Upanishad)14-18, 第5節には次のような一節があります:

गुशब्दस्त्वन्धकारः स्यात् रुशब्दस्तन्निरोधकः ।
अन्धकारनिरोधित्वात् गुरुरित्यभिधीयते ॥

guśabdastvandhakaraḥ syāt ruśabdastannirodhakaḥ ।
andhakāranirodhatvāt gururityabhidhīyate ॥

日本語訳:
「'gu'の音節は闇を意味し、'ru'の音節はその闇を払うものを意味する。
闇を払う力があるため、グルはそのように名付けられた。」

解説:
この一節は、「グル」(guru)という言葉の語源的な意味を説明しています。「グル」は単なる教師以上の存在であり、私たちの無知という闇を払い、知識の光をもたらす存在であることを示しています。グル・プールニマーは、このような啓蒙をもたらす存在への感謝を表す日です。

2. グルの神聖性:神の化身としてのグル

スカンダ・プラーナ(Skanda Purana)には次のような詩句があります:

गुरुर्ब्रह्मा गुरुर्विष्णुः गुरुर्देवो महेश्वरः ।
गुरुः साक्षात् परं ब्रह्म तस्मै श्रीगुरवे नमः ॥

gururbrahmā gururviṣṇuḥ gururdevo maheśvaraḥ ।
guruḥ sākṣāt paraṃ brahma tasmai śrīgurave namaḥ ॥

日本語訳:
「グルはブラフマー、グルはヴィシュヌ、グルは主マヘーシュヴァラ(シヴァ神)。
グルはまさに最高のブラフマン(絶対的実在)である。そのような栄光あるグルに敬意を表す。」

解説:
この詩句は、グルを神格化し、最高の存在と同一視しています。ヒンドゥー教の三大神であるブラフマー(創造神)、ヴィシュヌ(維持神)、シヴァ(破壊と再生の神)とグルを同一視することで、グルの重要性を最大限に強調しています。グル・プールニマーは、このような神聖な存在としてのグルを称える日です。

3. グルの必要性:霊的成長のために

ムンダカ・ウパニシャッド(Mundaka Upanishad)1.2.12には次のような一節があります:

परीक्ष्य लोकान् कर्मचितान् ब्राह्मणो
निर्वेदमायान्नास्त्यकृतः कृतेन ।
तद्विज्ञानार्थं स गुरुमेवाभिगच्छेत्
समित्पाणिः श्रोत्रियं ब्रह्मनिष्ठम् ॥

parīkṣya lokān karmacitān brāhmaṇo
nirvedamāyānnāstyakṛtaḥ kṛtena ।
tadvijñānārthaṃ sa gurumevābhigacchet
samitpāṇiḥ śrotriyaṃ brahmaniṣṭham ॥

日本語訳:
「諸々の世界をくまなく観察し、行為によって達成されるものを得たブラーフマナ(真理の探求者)は、(物質的な)行為によっては達成できないものがあることを悟り、失望する。その(達成できない)知識を得るために、彼は聖なる薪を手に持って、ヴェーダの奥義に通じ、ブラフマンに根ざしたグルのもとに行くべきである。」

解説:
この一節は、霊的な知識を得るためにはグルが不可欠であることを説いています。行為(カルマ)だけでは得られない最高の知識があり、それを得るためにはグルの導きが必要だということです。グル・プールニマーは、このような霊的な導き手としてのグルの重要性を認識し、感謝する日です。

4. グルへの服従:神よりも重要な存在

15世紀の詩人カビール(Kabir)は次のように歌っています:

गुरु गोविन्द दोऊ खड़े, काके लागूं पाँय ।
बलिहारी गुरु आपने, गोविन्द दियो बताय ॥

guru govinda doū khaṛe, kāke lāgūṃ pāṃya ।
balihārī guru āpane, govinda diyo batāya ॥

日本語訳:
「グルとゴーヴィンダ(クリシュナ神の別名)の両方が目の前に立っている。誰の足元に頭を下げるべきか。
自分のグルに栄光あれ。なぜなら彼がゴーヴィンダを示してくれたから。」

解説:
この詩は、グルの重要性を極めて強く表現しています。神(ゴーヴィンダ)よりもグルを先に敬うべきだと述べているのです。これは、グルを通じて初めて神の存在や意味を理解できるという考えに基づいています。グル・プールニマーは、このようなグルへの絶対的な尊敬と感謝を表現する日です。

5. グルへの完全な帰依の必要性

アーディ・シャンカラーチャーリヤ(Adi Shankaracharya)の『विवेकचूडामणि』(Vivekachudamani)32節には次のような記述があります:

जन्तूनां नरजन्म दुर्लभमतः पुंस्त्वं ततो विप्रता
तस्माद्वैदिकधर्ममार्गपरता विद्वत्त्वमस्मात्परम् ।
आत्मानात्मविवेचनं स्वनुभवो ब्रह्मात्मना संस्थितिः
मुक्तिर्नो शतजन्मकोटिसुकृतैः पुण्यैर्विना लभ्यते ॥

jantūnāṃ narajanma durlabhamataḥ puṃstvaṃ tato vipratā
tasmādvaidikadharmamārgaparatā vidvattvamasmātparam ।
ātmānātmavivecanaṃ svanubhavo brahmātmanā saṃsthitiḥ
muktirno śatajanmakoṭisukṛtaiḥ puṇyairvinā labhyate ॥

日本語訳:
「生きとし生けるものの中で、人間として生まれることは稀であり、さらに男性、バラモンとして生まれることは稀有である。
その上で、ヴェーダの教え(ダルマ)に従い、知識を得て、自己とアートマン(真我)を識別し、
ブラフマン(梵、宇宙の根本原理)と一体となる体験を得ることは、さらに稀である。
これらの体験は、幾百幾千の生を通じて善行を積まなければ得られない解脱にほかならない。」

解説:
この詩は、霊的な解脱に至る道のりの難しさを説いています。そして、この難しい道のりを歩むためには、グルの導きが不可欠であることを示唆しています。グル・プールニマーは、このような霊的な旅路においてグルが果たす決定的な役割を認識し、感謝する日です。

6. グルの重要性:バガヴァッド・ギーターの教え

バガヴァッド・ギーター(Bhagavad Gita)4.34には次のような記述があります:

तद्विद्धि प्रणिपातेन परिप्रश्नेन सेवया।
उपदेक्ष्यन्ति ते ज्ञानं ज्ञानिनस्तत्त्वदर्शिनः॥

tadviddhi praṇipātena paripraśnena sevayā।
upadekṣyanti te jñānaṃ jñāninastattvadarśinaḥ॥

日本語訳:
「師に帰依し、質問し、仕えることによって、その知識を理解せよ。
真理を悟った人々は、あなたに知識を授けるであろう。」

解説:
この一節は、知識を得るための三つの要素を説いています:師への帰依(प्रणिपात, praṇipāta)、誠実な質問(परिप्रश्न, paripraśna)、そして奉仕(सेवा, sevā)です。これは、グルと弟子の関係の本質を示しています。グル・プールニマーは、このような師弟関係の重要性を認識し、実践する日です。

最後に:グル・プールニマーの意義

これら6つの引用は、グルの多面的な意味と重要性を示しています。グルは:

  1. 無知の闇を払う光
  2. 神の化身
  3. 霊的成長に不可欠な存在
  4. 神よりも重要な存在
  5. 解脱への道を導く者
  6. 知識を授ける賢者

として描かれています。

グル・プールニマーは、これらのグルの側面すべてに感謝し、敬意を表する日です。それは単なる感謝の表現を超えて、私たち自身の霊的成長と自己実現への決意を新たにする機会でもあります。

この日に、私たちは自分の人生に影響を与えたすべての師、教師、メンターを思い出し、彼らへの感謝の気持ちを表現します。同時に、自分自身も誰かの「グル」となれるよう、知識と智慧を磨き、他者に奉仕する決意を新たにします。

グル・プールニマーの精神は、文化や宗教の枠を超えた普遍的な価値を持っています。それは、知識の重要性、感謝の心、精神的成長の必要性、そして人と人とのつながりの大切さを教えてくれるのです。この精神を理解し、日々の生活に活かすことで、私たちはより豊かで調和のとれた社会を作り上げていくことができるでしょう。

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