スピリチュアルインド雑貨SitaRama

ルドラークシャ

ルドラークシャ・ジャーバーラ・ウパニシャッド:シヴァ信仰の神聖な教え

はじめに

インド哲学の宝庫であるウパニシャッドは、古代インドの叡智が凝縮された神聖な文献群です。その中でも、「ルドラークシャ・ジャーバーラ・ウパニシャッド」は特にシヴァ神信仰に関連する重要な教えを含んでいます。

ウパニシャッドとは

ウパニシャッドは、紀元前800年から400年頃にかけて編纂されたとされる古代インドの哲学文献です。サンスクリット語で書かれ、「座り近づく」という意味を持ち、師から弟子へ直接伝授される秘教的な知識を指します。ウパニシャッドは、ヴェーダーンタ哲学の基礎となり、アートマン(個我)とブラフマン(普遍的な実在)の一体性を説く等、インド思想の核心を形成しています。

ルドラークシャ・ジャーバーラ・ウパニシャッドについて

ルドラークシャ・ジャーバーラ・ウパニシャッドは、シヴァ神と深く結びついたウパニシャッドの一つです。主に以下の内容を含んでいます:

  1. ルドラークシャ(シヴァの目から生まれたとされる神聖な実)の起源
  2. ルドラークシャを身につけることの重要性と効果
  3. ルドラークシャの種類とその特性
  4. ルドラークシャを身につける正しい方法
  5. ルドラークシャに関連するマントラと瞑想法

このウパニシャッドは、シヴァ信仰者にとって特に重要な指針となっており、ルドラークシャを通じて精神的な向上と解脱を目指す方法を詳細に説明しています。

全文翻訳

以下に、ルドラークシャ・ジャーバーラ・ウパニシャッドの全文翻訳を掲載します。この神聖な文献を読むことで、古代インドの深遠な精神世界に触れ、シヴァ神への信仰の本質を理解する一助となれば幸いです。


ルドラークシャ・ジャーバーラ・ウパニシャッド

ルドラークシャ・ウパニシャッドによって知られる、
大ルドラの光輝に満ちた、
対立を超越したシヴァの純粋な状態を、私は礼拝する。

オーム。私の四肢、言葉、生気、視力、
聴覚、そして力と感覚器官が充満しますように。
すべては梵天。ウパニシャッドは梵天。
私は梵天を否定しませんように。梵天が私を否定しませんように。
否定がありませんように。否定が私にありませんように。
ウパニシャッドに説かれる法が、自己に専念する私の中にありますように。
私の中にありますように。
オーム。平安、平安、平安。

ハリ オーム。そこで、ブスンダはカーラーグニルドラに尋ねた。
「ルドラークシャはどのように生まれたのですか。
それを身につけることでどのような果報があるのですか。」
尊者カーラーグニルドラは彼に答えた。
「三都城を破壊するために、私は目を閉じた。
その時、目から落ちた涙の滴が地面に落ち、それらがルドラークシャとなった。
すべての者に恩恵を与えるために、その名を唱えるだけで
十頭の牛を布施したのと同じ果報がある。見たり触れたりすることで
その果報は二倍になる。それ以上のことは言葉では言い表せない。」
これに関して、以下の詩節がある。

  1. どこに置かれ、何と呼ばれ、どのように人々に身につけられるのか。
    いくつの面があり、どのマントラで身につけられるのか。
  2. 千年もの間、私は目を開いていなかった。
    その時、目から落ちた涙の滴が地面に落ちた。
  3. そこから涙の滴が生まれ、大いなるルドラークシャの木となった。
    不動のものとなり、信者たちに恩恵を与えるために。
  4. 信者がそれを身につけることで、昼夜に犯した罪が取り除かれる。
    見るだけで十万の功徳を得、身につけることで一億の功徳を得る。
  5. それを身につける人は、一億の百倍の功徳を得る。
    百億、千億、百兆の
  6. 功徳を、ルドラークシャを身につけることで人は得る。
    アーマラカ(インドグースベリー)の実ほどの大きさのものが最上とされる。
  7. ベール(マルメロ)の実ほどの大きさのものが中位とされる。
    ヒヨコ豆ほどの大きさのものが下位とされる。これが私の説明である。
  8. バラモン、クシャトリヤ、ヴァイシャ、シュードラは、シヴァの命令により、
    無益に地上に生まれたが、それぞれの階級に対応する吉祥なルドラークシャがある。
  9. 白いものはバラモンのもの、赤いものはクシャトリヤのもの、
    黄色いものはヴァイシャのもの、黒いものはシュードラのものと知るべし。
  10. バラモンは白いものを、王(クシャトリヤ)は赤いものを身につけるべし。
    ヴァイシャは黄色いものを、シュードラは黒いものを身につけるべし。
  11. 滑らかで、光沢があり、堅く、大きく、とげのある良いもの。
    虫に食われたもの、割れたもの、とげのないもの、
  12. 傷のあるもの、不適切なものなど、六種類のルドラークシャは避けるべし。
    自然に穴の開いたルドラークシャが最上とされる。
  13. 人為的に穴を開けたものは中位とされる。
    滑らかで、光沢があり、堅く、大きなものを麻糸で身につけるべし。
  14. 賢明な者は、すべての体の部分に平等に身につけるべし。
    砥石で試すと金色の線が見えるもの、
  15. そのようなルドラークシャが最上とされ、シヴァを崇拝する者が身につけるべし。
    髪の毛に一つ、頭に三百個のルドラークシャを身につけるべし。
  16. 首に三十六個、腕にそれぞれ十六個ずつ、
    手首に十二個、肩に五百個を身につけるべし。
  17. 百八個の数珠を聖紐として用いるべし。
    二連か三連、あるいは五連、
  18. 七連の首飾りを首に身につけるべし。
    王冠、耳飾り、耳たぶの飾り、
  19. 腕輪、指輪、特に腰帯として、
    寝る時も起きている時も常にルドラークシャを身につけるべし。
  20. 三百個が下位、五百個が中位、
    千個が上位とされる。このように区別して身につけるべし。
  21. 頭にはイーシャーナのマントラで、首にはタトプルシャのマントラで、
    喉にはアゴーラのマントラで、そして心臓にも同じマントラで身につけるべし。
  22. アゴーラのビージャ・マントラで両手に身につけるべし。
    五十個のルドラークシャを虚空に広げるように腹に身につけるべし。
  23. 五つのブラフマと肢体のマントラで、三連、五連、七連の首飾りを
    作り、ムーラ・マントラですべてのルドラークシャを身につけるべし。

そこで、ブスンダは尊者カーラーグニルドラに尋ねた。
「ルドラークシャの種類ごとに、その形状と果報を教えてください。
その形状と面の数、災いを取り除く力、望みの成就について
お話しください。」そこで、以下の詩節がある。

  1. 一面のルドラークシャは最高の真理の象徴である。
    それを身につけることで、感覚を制御した者は最高の真理に溶け込む。
  2. 二面のルドラークシャは、ムニの中の最高者よ、アルダナーリーシュヴァラ(半身が女性のシヴァ)の象徴である。
    それを身につけることで、アルダナーリーシュヴァラは常にその人を喜ぶ。
  3. 三面のルドラークシャは三種の火の象徴である。
    それを身につけることで、火神アグニは常に満足する。
  4. 四面のルドラークシャは四面のブラフマーの象徴である。
    それを身につけることで、四面のブラフマーは常にその人を喜ぶ。
  5. 五面のルドラークシャは五種のブラフマンの象徴である。
    五面のブラフマーそのものであり、男性による殺人の罪を取り除く。
  6. 六面のルドラークシャはカールティケーヤ神の象徴である。
    それを身につけることで、大いなる繁栄と最高の健康を得る。
  7. 知恵と知識の獲得、純粋さのために賢者は身につけるべし。
    賢者たちは、それがガネーシャ神の象徴であると言う。
  8. 七面のルドラークシャは七母神の象徴である。
    それを身につけることで、大いなる繁栄と最高の健康を得る。
  9. 大いなる知識の獲得と、常に清浄さを得る。
    八面のルドラークシャは八種の音節の象徴である。
  10. 八種のヴァスの神々に愛され、ガンジス川を喜ばせる。
    それを身につけることで、これらの神々は喜び、真実を語る者となる。
  11. 九面のルドラークシャは九種のシャクティの象徴である。
    それを身につけるだけで、九種のシャクティが喜ぶ。
  12. 十面のルドラークシャはヤマ神の象徴であると言われる。
    見るだけで平安をもたらし、身につけることでその効果は疑いない。
  13. 十一面のルドラークシャは十一のルドラ神の象徴である。
    これらの神々は常に幸運を増すと言われている。
  14. 十二面のルドラークシャは大ヴィシュヌの象徴である。
    十二のアーディティヤ(太陽神)の形でそれを身につける。
  15. 十三面のルドラークシャは欲望を満たし、成功をもたらし、吉祥である。
    それを身につけるだけで、愛の神カーマデーヴァが喜ぶ。
  16. 十四面のルドラークシャはルドラの目から生まれたものである。
    すべての病を取り除き、完全な健康をもたらす。
  17. 酒、肉、ニンニク、タマネギ、ワサビ、
    スレーシュマータカの実、イノシシの肉など、食べてはいけないものを避けるべし。
  18. 日食や月食の時、春分・秋分の日、
    新月や満月の日、祝日には、
    ルドラークシャを身につけることで、即座にすべての罪から解放される。
  19. ルドラークシャの根はブラフマー、その茎はヴィシュヌ、
    その先端はルドラ(シヴァ)、その種子はすべての神々であると言われている。

以上。

そこで、サナトクマーラは尊者カーラーグニルドラに尋ねた。
「尊者よ、ルドラークシャを身につける方法を教えてください。」
その時、ニダーガ、ジャダバラタ、ダッタートレーヤ、カーティヤーヤナ、
バラドヴァージャ、カピラ、ヴァシシュタ、ピッパラーダなどが
カーラーグニルドラのもとに集まって言った。カーラーグニルドラは
「何のために皆さんは来られたのですか」と尋ねた。
彼らは「ルドラークシャを身につける方法を聞きたいのです」と答えた。
そこでカーラーグニルドラは語り始めた。

「ルドラの目から生まれたものがルドラークシャであると世間に知られている。
さて、サダーシヴァ(永遠のシヴァ)は世界を滅ぼす時、
破壊を行った後、破壊の目を閉じる。その目から生まれたのが
ルドラークシャである」とカーラーグニルドラは言った。
「それゆえ、ルドラークシャと呼ばれるのだ」とカーラーグニルドラは説明した。

そのルドラークシャを言葉で称えるだけで、十頭の牛を布施したのと
同じ果報を得る。これがアシュマジョーティ(灰の光)のルドラークシャである。
そのルドラークシャに手で触れ、身につけるだけで、
二千頭の牛を布施したのと同じ果報を得る。
そのルドラークシャを耳に身につけると、
一万一千頭の牛を布施したのと同じ果報を得る。
また、十一のルドラ神の状態に到達する。
そのルドラークシャを頭に身につけると、
一千万頭の牛を布施したのと同じ果報を得る。
これらの場所のうち、耳に身につけることの果報は
言葉では言い表せないと彼は言った。

このルドラークシャ・ジャーバーラ・ウパニシャッドを
毎日読誦する者は、子供であれ若者であれ、偉大な者となる。
彼はすべてのマントラの教師となる。
これらのルドラークシャで護摩を行うべきである。これらで礼拝を行うべきである。
同様に、悪魔を払い、死を超越する力を持つルドラークシャを
師から受け取り、首や腕、または頭頂に結びつけるべきである。
七つの島々からなる地球全体を布施しても、それに値しない。
それゆえ、信仰をもってどんな牛でも布施すれば、それが布施となる。

このウパニシャッドをバラモンが夕方に読誦すれば、その日に犯した罪を
消滅させる。正午に読誦すれば、六回の生まれにわたる罪を消滅させる。
朝晩に唱えれば、多くの生まれにわたる罪を消滅させる。
六百万回のガーヤトリー・マントラを唱えたのと同じ果報を得る。
ブラフマン殺し、酒を飲むこと、金を盗むこと、師の妻との不倫、
そしてこれらの罪に関わることなど、大罪から浄化される。
すべての聖地巡礼の功徳を得る。
堕落した者との会話による穢れから浄化される。
十万の集団を浄化する力を持つ。
シヴァとの一体性を得る。そして二度と輪廻に戻ることはない。
二度と戻ることはない。オーム、これは真実である。これがウパニシャッドである。

オーム。私の四肢、言葉、生気、視力、聴覚、そして力と
感覚器官が充満しますように。すべては梵天。ウパニシャッドは梵天。
私は梵天を否定しませんように。梵天が私を否定しませんように。
否定がありませんように。否定が私にありませんように。
ウパニシャッドに説かれる法が、自己に専念する私の中にありますように。
私の中にありますように。オーム。平安、平安、平安。

ここにルドラークシャ・ジャーバーラ・ウパニシャッドは終わる。


結び

ルドラークシャ・ジャーバーラ・ウパニシャッドは、シヴァ信仰の実践的側面と哲学的深みを兼ね備えた貴重な文献です。この教えを学ぶことで、私たちは日常生活の中で精神性を高め、究極的な真理への道を歩むことができるでしょう。ウパニシャッドの智慧が、現代を生きる私たちの心の灯火となることを願っています。

Reference:
Rudraksha Jabala Upanishad. (n.d.). In Sanskrit Documents. Retrieved July 28, 2024, from https://sanskritdocuments.org/doc_upanishhat/rudrakshajabala.html

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


RANKING

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3

CATEGORY

RECOMMEND

RELATED

PAGE TOP