シーズインディア支援事業にご協力をいただいている皆様、温かいご支援をいただき誠にありがとうございます。
ご挨拶
長く猛暑に見舞われていたシーズインディアのあるケーララ州では、恵みの雨が降り注ぐ雨季のモンスーンが、今年は例年より少し早く5月30日に始まりました。
2018年の豪雨災害以降、ケーララ州では雨季になると毎年のように洪水の被害が出ていましたが、昨年は雨量が不足し、電力不足や農作業への影響が深刻となりました。
今年は6月までは雨量が不足していましたが、雨が強まる8月が近づき、現在は州内の複数の地域でアラートが発令され、警戒を強いられています。
十分な雨量に恵まれることを願う一方で、大規模な洪水被害が再び起こらないことを願ってなりません。
子どもたちの教育支援について
毎月の教育支援を行う子どもたちが通う学校では、雨季の始まりとともに新しい学期が始まりました。
子どもたちの教育支援では、今回の集会において、新しい学期の始まりにあわせた学用品などを支援しています。
天候不順による食材の高騰が続いていることから、引き続き、支援物資には栄養価のある新鮮な野菜などを多く含めています。
現在は隔月で施設に集まり、子どもたちや家庭の様子を伺いながら支援物資を配布していますが、それ以外の月は、近隣の店舗で物資を受け取れるように手配しています。
ケーララ州はインドでもっとも優れた給食制度を持つ州のひとつといわれ、子どもたちに栄養価の高いバランスの取れた給食の提供が行われています。
しかし現在、ケーララ州では財政危機により、複数の公共福祉事業が中断されています。
給食制度においても、資金不足により学校長が資金の負担をしなければならなかった事例が報告されるなど、多くの課題に直面しています。
こうした状況を補うことができるように、社会の状況を注視しながら、皆様の温かいご支援を活用させていただいています。
一方で、今回の集会では、地域の他機関からゲストを招いて講演を行うこともできました。
子どもたちや保護者の方々が熱心に耳を傾けている姿が見られ、社会でより健やかな生活を送るための有益な機会になっています。
これから雨季の中でも特に雨が強まる時になり、天候によっては学校が休校になることもあります。
高温多湿の状況が続く時でもあるため、子どもたちが体調を崩すことなく、より豊かな学びに励むことができるように願いながら活動を行なっています。
病院での配給について
病院での配給では、引き続き、パンやバナナ、お水などを患者さんたちへ直接配布しています。
続いていた猛暑が和らいでも、雨季は蚊を媒介とする病気が蔓延する時期であり、デング熱対策などが重要になっています。
最近では、ケーララ州においてニパウイルスの感染による死亡例が報告されており、再び注意が呼び掛けられています。
ニパウイルスの自然宿主はコウモリとされていますが、ケーララ州ではここ何年か繰り返し感染が広まっています。
デング熱に加え、こうした感染症の増加の一因には近年の気候変動の影響があるとも伝えられています。
現在のところ、シーズインディアの周辺地域で感染症が広まっている状況はありませんが、病院での配給では、一層気を引き締めていかなければなりません。
毎年、感染症が増えるこの雨季の時期は、病院での配給食の需要がもっとも増える時となります。
引き続き、穏やかな自然の循環を祈りつつ、人々の健康と安全を守るための活動に積極的に取り組んでまいります。
災害支援について
豪雨災害支援募金を通じては、子どもたちの教育支援とあわせて、かつての被災者に生活物資の支援を行なっています。
また、ケーララ州へ出稼ぎ労働に来ている人々へ、街でパンの配布支援を行なうこともあります。
今年は厳しい暑さで水不足になり、農作業や建設業が滞ったことで、かつての被災者をはじめ、仕事を得られなかった労働者が多く見られました。
現在は恵みの雨が降り、農作業や建設業も捗っていますが、雨量によっては労働ができなくなることがあります。
常に厳しい環境で不安定な状況にある人々に、不定期ではありますが、食事を配る支援を続けています。
インドでも災害級の暑さが続き、労働者を支援するためのさまざまな対策が講じられています。
社会的な弱者は気候変動の影響を特に強く受けているといわれる今、社会の課題に向き合い、必要な支援に取り組んでいく計画です。
最後に
緑が溢れる自然が豊かなケーララ州では、気候変動の影響が顕著に表れており、教育、医療、労働など、さまざまな分野で課題に直面しています。
シーズインディアでは、これらの課題に対して継続的な支援を行い、地域社会の安定と発展に貢献していく所存です。
そこでは、皆様のご支援が、厳しい環境下にある人々の希望の光となっています。
課題は多くありますが、子どもたちの笑顔や地域の人々との絆を大切にし、今後も現地のニーズに寄り添いながら、持続可能な支援を続けてまいります。
いつも温かいご支援をいただき、心より御礼申し上げます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます
(スタッフ:ひるま)
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