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チャイルド・スポンサーシップ

シーズインディア支援事業の活動報告

シーズインディア支援事業にご協力をいただいている皆様、温かいご支援をいただき誠にありがとうございます。

ご挨拶
インドでは6月から約4か月にわたる雨季のモンスーンが続いていますが、北西部から徐々に終息に向かっています。
しかし、現在はサイクロンが発生している影響もあり、シーズインディアがある南部のケーララ州ではまだ強い雨が続くと予測されています。
今年の雨季は多くの地域で例年を上回る降雨量を記録していますが、ケーララ州では予想を約13%ほど下回っているとされています。
しかしながら、この後は冬のモンスーンといわれる北東モンスーンが強まる時を迎えます。
昨年はこの北東モンスーンにより降雨が強まったことから、穏やかな気候になる12月頃までは警戒を緩めることはできません。
自然と人々が調和して穏やかに暮らすことができるように願いながら、引き続き活動を行なっています。

子どもたちの教育支援について
8月上旬には、毎月の教育支援を行う子どもたちが施設に集まり、必要な物資の配布を実施することができました。
各地で大雨が続き、近隣を流れる大きな川の増水が懸念される中、幸いにも大きな支障なく活動を遂行することができました。
現在は隔月で施設に集まり、子どもたちや各家庭の状況を確認しながら支援物資を配布しています。
それ以外の月は、近隣の店舗で個別に物資を受け取ることができるように手配しています。

シーズインディアの周辺地域では、近隣の河川が氾濫しやすく、低地にある集落や田畑が浸水することが多くあります。
支援対象の子どもたちの家族は、こうした低地に居住していたり、農業に従事し生計を立てていたりすることから、この時期は特に不安定な生活を強いられています。
さらに、インドの各地で酷暑や大雨による休校が増加しているという報告もあり、子どもたちの教育機会が制限されている状況が懸念されます。
このような環境下、少しでも子どもたちの生活に寄り添いながら、その学びを継続的に支援することができるように努めています。

ケーララ州は豊かな自然環境を有する一方で、災害が相次いでおり、さまざまな取り組みが行われています。
ある学校では、水不足や電力不足の対策として「No-ironing day(アイロンなしの日)」という節電の取り組みが実施されました。
これは、水曜日に教職員と生徒がアイロンをかけていない服を着用するというもので、約4000人の生徒が在籍する学校で最大1500 kWhの電力消費を抑えることができたとされています。
子どもたちによって生み出されたこのような創意工夫に富んだ取り組みは、環境問題に対する意識向上にもつながると考えられます。
多くの制約を受ける中、子どもたちが喜びを持って生活を送ることができるように、シーズインディアでも引き続き支援をしていく所存です。

病院での配給について
病院での食事の配給も滞りなく行われており、引き続き、パンやバナナ、水などを患者さんに直接お配りしています。
雨季は感染症が流行しやすい時期であり、配給食の需要が高まる傾向にあります。
特に、近年は毎年のように発生する豪雨災害の影響により、この時期の活動は困難を極めています。
幸いにも今年は大規模な災害がなく大きな混乱は生じませんでしたが、一方でデング熱やニパウイルスなどの感染症への警戒が続いています。

2023年には、デング熱によってケーララ州で153人の命が失われたと報告されました。
これは、インド全体のデング熱の死者数の32%を占めており、次に多いビハール州(74人)の2倍以上になっています。
自然が豊かで緑が多いケーララ州では、気候変動によって自然災害が頻発していますが、デング熱などの感染症の増加も、こうした気候変動が要因のひとつになっていると考えられています。

また、9月にはケーララ州で再びニパウイルスによる死亡例が報告されました。
ニパウイルスは感染するとさまざまな重篤な症状を引き起こす可能性があるとされており、その対応には細心の注意が必要とされています。
シーズインディアの活動地域では直接的な影響は出ていませんが、安全に配慮しながら必要な支援を継続しています。

災害支援について
今年は9月15日に、ケーララ州最大のお祭りであるオーナムが祝福されました。
これにあわせ、かつての被災者に生活物資の支援を実施することができました。
近年は自然災害の影響で十分にお祝いすることができない年もありましたが、今年は比較的穏やかに過ごすことができ、喜びと共に安堵しています。

ケーララ州は西はアラビア海、東はそびえ立つ西ガーツ山脈に挟まれているため、気候変動の影響を受けやすく、ここ数年は激化する自然災害が日常的になっています。
しかし、地域によっても差があり、ケーララ州全体で今年の雨量が不足しているとされる一方で、7月30日には大規模な土砂災害が発生した地域がありました。
これまでに420人の方々が亡くなり、118人の方が行方不明となっていることが報告されています。
被災地は茶園やカルダモン農園があり、他州からの出稼ぎ労働者が多く犠牲になったとされていますが、この災害の背景には茶園開発のための森林伐採や、無許可のリゾート開発など、環境への負荷が指摘されています。
シーズインディアでは、被災地で活動する他団体への寄付を通じて復興支援にも協力しています。

幸いにも、シーズインディアの活動地域周辺では今年は大規模な災害は発生していません。
しかし、近くを流れる川の氾濫により、低地にある家屋の浸水や農地への被害は出ているため、地域の方々と密接に連携を取りながら、常に必要な支援を提供できるように努めています。

最後に

これらの活動は、皆様からの温かいご支援によって支えられています。
ひとつひとつの支援が、人々の生活を改善し、より持続可能な未来への道筋を作る力となっています。
今後も、気候変動や社会経済的変化がもたらす新たな課題に柔軟に対応しながら、地域に寄り添った支援活動を継続してまいります。
自然と人々が調和しながら暮らせる社会の実現に向けて、今後も努力を重ねてまいる所存です。

いつも温かいご支援をいただき、心より御礼申し上げます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます

(スタッフ:ひるま)

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