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雑記帳

沈む太陽の教え

美しい自然の営みが神聖な息吹として崇められるインドの大地では、日々の情景が神々の多彩な表情を映し出します。
中でも、沈む太陽の御名である「マールターンダ」は、生と死の絶え間ない循環を鮮やかに描き出します。
空を黄金に染めるこの眩い光は、私たちの魂が辿る道を照らす灯火となり、その内なる目覚めを促しています。

「死んだ卵」を意味する「マールターンダ」は、「やがて蘇生する者」を暗示する象徴的な意味を持つ名前です。
言い伝えによれば、マールターンダは太陽神の集団であるアーディティヤ神群の8番目として、母のアディティのもとに生まれました。
しかし、発育不全であったために生命力を持たないとみなされ、見捨てられてしまいます。

母に受け入れられなかった息子は、後に地平線の彼方へと沈む太陽となり、光から闇への移行を象徴する存在となりました。
拒絶された存在が、宇宙の秩序において不可欠な役割を担うようになるこの過程は、私たちの歩みを照らす尊い教えを湛えています。
それは、人生における受け入れ難い困難こそ、より大きな成長への扉となるということです。

太陽が沈み、世界が闇に包まれる瞬間に、必ず光は戻ってくるということを、マールターンダはその姿で語りかけています。
確実に訪れる夜明けの約束として、沈む太陽に祈りを捧げるとき、私たちはその光を見失わずにいることができます。
夕暮れがもたらす内省の時は、人生のもっとも暗い瞬間にこそ、成長をもたらす尊い機会が隠されているということを教えてくれています。

この永遠なる循環は、魂の進化の過程そのものを映し出しています。
さまざまな試練を経て成長し、より高次の意識へと向かって歩みを進める私たちは、すべての存在がその神聖な目的を持っているということを忘れずにいなければなりません。

私たちの人生には、昼と夜が生み出す壮大な自然のように、光と闇、喜びと憂い、成功と挫折が美しく織り込まれています。
毎夜、死を迎えながらも、朝には必ず蘇るマールターンダの不死なる姿は、私たちの人生に深い教えを与えてくれています。
それは、生命の神秘的な循環を慈しみの心で受け入れ、いかなる境遇にあっても希望の灯火を守り続けることの尊さです。

マールターンダのように自らの光を見出し、それを輝かせていく時、私たちは生きる真の意味を知ることができるはずです。
魂の深みから湧き上がるその光は、どんな闇も照らし出す力を秘めているに違いありません。

(文章:ひるま)

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