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雑記帳

シヴァ神と虎の皮

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吉兆のシヴァ神を礼拝するこの上ない吉日であるマハーシヴァラートリが近づいています。破壊の神であるシヴァ神は、最高のヨーガ行者でもあり、世界の安寧を願ってヒマーラヤにこもりながら、長きにわたり瞑想をする慈悲深い神として崇められる存在です。他の華やかな神々とは異なり、装飾品は頭の三日月のみとも言われ、ルドラークシャと虎の皮を一枚身にまとった慎み深い姿が際立ちます。この虎の皮には、シヴァ神がマハーデーヴァとして最高の存在である象徴が秘められています。

一般的に、虎はその力と強さが象徴的な動物であり、シャクティ(根源的な力)と関連付けられることが多くあります。力を振りかざしながら血肉を奪う猛獣として君臨する虎。しかし、どんなに強くその力をあらわそうと、いずれは老い、そして死を迎える肉体を持った生き物にすぎません。その皮を身にまとうシヴァ神は、私たちの動的なエネルギーを制御する、純粋な意識であることを象徴していると言われます。

また一説に、修行者として裸で各地を歩き回っていたシヴァ神は、ある聖仙たちが住む村に辿り着いたと言われます。聖仙達は修行者としてシヴァ神を受け入れるも、シヴァ神が裸であったため、聖仙達の妻は気が気ではありませんでした。聖仙達は力をもって忠告しようと、シヴァ神がいつも歩く道に穴を掘り、力を集結させ虎を生みだします。しかし、シヴァ神は怖じけることなく虎を捕らえ、その皮を剥いで身にまとったと言われます。それ以来、聖仙達はこの偉大な修行者をマハーデーヴァとして崇めるようになりました。

聖仙たちの思惑とその偉大な力をも凌ぎ、生と死を含め、あらゆるエネルギーを制御するのがシヴァ神です。そんなシヴァ神を礼拝することは、自分自身の内に永遠に輝く純粋な意識を礼拝することに変わりありません。決して変わることなく在り続けるその意識を知る時、肉体の老いや苦しみ、そして死は恐れるものではなくなります。

破壊の神として、私たちの内外に潜む悪の性質を破壊するシヴァ神。その純粋な意識を礼拝し続けることにより、調和のとれた純粋なエネルギーが生まれるはずです。それはまた、シヴァとシャクティが結合した至福でもあるに違いありません。マハーシヴァラートリを前に、改めて、自分自身の内に輝く純粋な意識に気づき、内なる世界の安寧を築いていたいと感じています。

(文章:ひるま)

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