ヒンドゥー教の習わしでは、あらゆる礼拝がガネーシャ神への祈りによって始まることから、ガネーシャ神は重要な神格として崇められています。家にガネーシャ神像を置くことは、吉兆な選択となりえます。神像を置くことは、家を飾るためではなく、幸せを呼び込む行いであるからです。中でもガネーシャ神像がとりわけ好まれるのは、あらゆる偉業や吉兆な行いが、ガネーシャ神の礼拝によって始まると信じられているためです。家にガネーシャ神像を置くことは、そんなガネーシャ神への礼拝の始まりとなるでしょう。
ヒンドゥー教徒の家庭では神々の像を祀る習慣があり、神像がない家は珍しいほどです。多くの家で祀られる、ガネーシャ神の重要性と、ガネーシャ神に捧げる祝祭について知ってみましょう。
ガネーシャ神に帰依するヒンドゥー教徒は、ガネーシャ・チャトゥルティーという盛大な祝祭を祝福します。ガネーシャ・チャトゥルティーは、シヴァ神の息子であるガネーシャ神が、帰依者の祈りに応え、地上にあらわれたことを祝福する降誕祭です。人々はこの日、美しいガネーシャ神像を清める香水をかけ、礼拝を行います。
家にガネーシャ神像があろうとなかろうと、この祝祭を通じてガネーシャ神を礼拝し、家を飾り、その喜びを享受することができます。インドの一部地域では、この祝祭が10日間にもわたって祝福され、多くの喜びに包まれます。
ガネーシャ神と兄であるカールッティケーヤ神が世界を一周する競争を行った時、カールッティケーヤ神が世界に飛び立ったのに対し、ガネーシャ神はあらゆる存在の源である両親のシヴァ神とパールヴァティー女神の周りを一周し、その競争に勝利しました。この競争に勝った後、ガネーシャ神はあらゆる存在であるガナ(Gana、群)のイーシャ(Isha、神)となりました。
ガネーシャ神がどうのようにして象の頭を持つようになったかには、有名な神話があります。一説には、パールヴァティー女神がシヴァ神の留守中にガネーシャ神を創造した際、シヴァ神がパールヴァティー女神に会おうと家に戻ると、ガネーシャ神がそれを許しませんでした。シヴァ神はガネーシャ神が息子であると気づかず、ガネーシャ神の頭を切り落としてしまったため、通りかかった象の頭をつけたからだといわれています。
今年も残りわずかとなりました。ガネーシャ神の祝福のもと、2017年も皆さまにとって、幸多き年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
(SitaRama)
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