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雑記帳

鐘の音を聞く

cloches

今年も一年が過ぎ去ろうとしています。こうした変化の時、さまざまな思いが頭の中を駆け巡ります。心が忙しないそんな年の瀬に欠かすことのできないものといえば、大晦日の除夜の鐘。108回撞かれる除夜の鐘は、人にある108の煩悩を払うためであると伝えられます。

鐘を撞くことは、インドの日常でも欠かすことのできない行いです。鐘は「ガンター」と言われ、寺院だけでなく家庭の祭壇にも置かれるものであり、朝晩のお祈りの時間には、あちらこちらに美しい鐘の音が響き渡ります。

ヒンドゥー教で用いられてきた伝統的な鐘は、神聖な金属の配合によって作られているといわれます。そこから生み出されるヴァイブレーションは、あらゆる否定的なエネルギーを打ち消し、私たちの心身にも好ましい影響を与えると伝えられてきました。

実際に、鳴り響く鐘に耳を澄ませる時、絶え間なく続く心の働きや思考が止まり、心に大きな空間が生じることに気づきます。それはほんの一瞬かもしれませんが、そうして生まれる空間は、自分自身の内に確かな静寂をもたらします。

その静寂の中で見つけるものといえば、ただ在る喜びかもしれません。さまざまに揺れ動く心の働きや止まらない思考は、私たちをただ在る喜びから遠ざけていきます。鐘の音に耳を澄まし生まれる心の静寂からは、存在の喜びという何よりも清らなかエネルギーが生じます。そうして自分自身とその周囲からは、否定的なエネルギーが打ち消されていきます。

インドでは、寺院に入る時、お祈りを始める時、人々は必ず鐘を鳴らします。それは、空間を浄化するためだけでなく、自分自身の心に静寂を生み出し、その内に聖域を呼び覚ます大切な行いです。

煩悩が払われた清らかな心で新年を迎えられるよう、除夜の鐘を思うのも良いかもしれません。皆様の来る年が、喜びと幸せに満ちた実り多き一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

(文章:ひるま)

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