南インドに位置するタミル・ナードゥ州には、歴史ある寺院が多くあります。チェンナイのマイラポールに位置するカパレーシュワラ寺院は、高さ40メートルにもおよぶ荘厳な塔門(ゴープラム)をもつ高名なシヴァ寺院で、チェンナイの主な見どころのひとつとなっています。シヴァ神がカパレーシュワラ神として、また妃であるパールヴァティー女神がカルパガンバル女神として祀られています。イーシュワラ(主)であるシヴァ神は、手にカパーラ(髑髏)を持っていたためカパーリと呼ばれるようになり、またその崇高なたたずまいからカパレーシュワラ神と呼ばれるようになりました。カパレーシュワラと名付けられたのは、この寺院がシヴァ派の一派であり髑髏を所持することで有名なカーパーリカのものであったためという説もあります。古代において、この寺院があるマイラポールや、同じくチェンナイのティルボッティユールにカーパーリカが住んでいたと考えられています。
カパレーシュワラ寺院とカパレーシュワラ神について記したシヴァ派の聖者ティルニャーナサンバンダルは、呪いにより孔雀とされてしまったパールヴァティー女神が、この地で苦行を行い、元の姿を取り戻したと記しています。マイラポールは「孔雀の叫びの地」を意味します。ここでカルパガンバル女神として崇められるパールヴァティー女神は、「願いを叶える木」として知られる神々しいカルパヴリクシャのように、帰依者の祈りに優しく応えます。歴史的な栄光が輝くこのシヴァ寺院には、現在でも、インド中から多くの帰依者が巡礼に訪れています。
元来のカパレーシュワラ寺院は7世紀頃に建設されるも、チェンナイを支配をしたポルトガル人によって破壊され、16世紀に再建設されました。他説では、元来のカパレーシュワラ寺院はマイラポール・サントメ地区に海岸付近にあり、大洪水で海底に沈んだと伝えられます。遺跡発掘に関わる調査において、柱、碑文、像などが発見されたともいわれます。こうした古い歴史を持つカパレーシュワラ寺院は、一般的なシヴァ寺院の建築様式に従い、精工な装飾を持つ塔門ラージャ・ゴープラムが東に面しています。寺院の外には、観光客を待つ多くのタクシーが常に待機しています。
マルンデーシュワラ寺院はチェンナイ最古のシヴァ寺院のひとつで、ティルヴァンミュールにあります。祀られているシヴァ神は、 マルンデーシュワラ神、またはアウシャデーシュワラ神と呼ばれ崇められています。ヴァールミーキやアガスティヤなど、聖者との関わりが深く、アガスティヤはこの寺院で病を治したと信じられることから、さまざまな病で苦しむ多くの人が参拝に訪れます。また、あらゆる願いを叶えると信じられる聖牛カーマデーヌが、毎日シヴァリンガムにミルクを注ぐために訪れると伝えられ、寺院のシヴァリンガムは白色をしています。寺院には大きな5つのシヴァリンガムを含む、108のシヴァリンガムが祀られています。
今月25日(土)は、神々やリシたちがシヴァ寺院に集結するシャニ・プラドーシャムの吉日にあたります。以下のシャニ・プラドーシャム・プージャーでは、オプションでカパレーシュワラ寺院でのプージャーがお申し込み可能となっております。
シャニ・プラドーシャム・プージャー(2017年3月25日(土)実施)
皆さまに、シヴァ神の大きな祝福がございますよう、心よりお祈り申し上げます。
(SitaRama)
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