人々を魅了してやまない神秘の国、インド。この国を知る上で、まず理解しなければならない重要な極意があります。それは、「ジュガール(シュガード)の精神」です。近頃は、このジュガールの精神を経営技術として取り入れる大企業も少なくありません。インドでは誰もが実践するこのジュガールの精神を、霊的観点から見てみたいと思います。
ジュガールとは、創意工夫や応急処置といわれます。日本のように生活の基盤となるインフラが整っていないインドでは、この創意工夫や応急処置が日常に欠かせません。例えば、電気のない暑い日、日よけにかぶるショールを濡らし窓際に干すと、気化熱でひんやりと冷たくなった空気が部屋に入り、臨時のクーラーが出来上がります。
こうした発想力や行動力は、やがて大きな富をもたらすと、その精神を成功の秘訣として取り入れる人々も多くいます。便利な物やサービスが溢れる日本の生活では、それらに発想力や行動力が阻められてしまうことも少なくありません。一方で、インドの生活は、毎日の与えられた状況の中で、最大限に幸せに生きることを学ばせてくれるものでした。
掲載した写真は、ジュガールの精神に溢れた一枚です。友人宅ではクリシュナ神の大切なフルートが行方不明になり、爪楊枝で応急処置がされていました。それでも、クリシュナ神を熱心に崇め至福に浸る友人の姿を目にし、大切なのは形ではないということを教えられました。
インドの生活で学ぶこうしたジュガールの精神は、私にとって何よりも、霊性を育む大切な教えとして生きています。そこには、こんな秘訣があります。
・状況を受け入れる
・足るを知る
・あるがままに生きる
・本質を理解する
なかなか気づくことが難しいこうした教えは、ジュガールの実践を通じてシンプルに理解することが可能です。その実践によって、自分自身が定めた限界は取り払われ、日々は生き生きと、より大きな幸せと喜びを知ることができるはずです。
毎日がわくわくするインドの生活。その生活で受け継がれる極意を実践しながら、生きる喜びを常に見出していきたいと感じています。
(文章:ひるま)
コメント