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インド音楽

140、アーユルヴェーダ音楽療法入門2(音楽療法とは?2)

音楽療法の問題点
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「音楽療法」は、古くは1970年前後から唱えられ始め、2010年には医学界でも認める人々が現れ始めましたが、今現在も尚、エビデンスが充分に得られていないところに、「真贋入り交じった」状況になっていることもあって、その価値が充分に示されていません。
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そもそも現行の「音楽療法」には、極めて大きな問題点(欠陥と言っても良い)があります。

それは「西洋音楽一辺倒の価値観」と、それによる「西洋音楽を基本に行うことの本末転倒」を第一に挙げることが出来ます。

その一方で、音楽療法士が民族打楽器を用いたり、音叉やSinging Bowlなどを用いることも、「体の医学」に於ける「代替医療」や、不勉強の「中医・漢方生薬の起用」と同様の本質的な問題があります。

そもそも民族音楽を理解出来ていない人が民族楽器を用いることを経口薬に置き換えるならば、中医・漢方生薬を「弁証論治」を理解せずに投与していることと全く同じです。

東洋医学では、「症状が同じ」でも、「証」が異なれば全く逆の処方になりますから、「薬が毒に転じる」こともかなり在り得るのです。

実際、アフリカ太鼓や打楽器によって、クライアント(被施術者/ペイシェント)を過度に興奮させるだけだったり、音叉やSinging Bowl、ハープなどの金属音や長い波長、可聴範囲を越る為に弊害が分かりにくい周波数などによって、脳機能の活性が大きく偏ることも懸念されます。

巷に溢れる「サプリメント」と同様に、そもそも全く考え方が異なる東洋医学・医療の産物を、相変わらずの「局所対処療法」的にしか活用出来ないことも大問題です。

そして、「癒されました」という「クライアントの感想(認識)からだけのモニター」で、「療法」が出来たと考える恐ろしい風潮も蔓延しています。

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このような問題点の中で、最も基本的な元凶は、西洋音楽による療法です。
その理由は、ちゃんと説明すれば小学生でも分かる簡単なことです。

西洋音楽と西洋楽器は、一言で言えば「誰が弾いても同じような美しい音が出ること」が基本にあります。言わば「全体主義(結束主義)音楽」です。

私はこれを「小学校の朝礼や運動会の行進のようだ」と喩えます。

一方の非西洋音楽(アジア、アフリカ、古い北米中南米、太平洋の音楽)の場合、
その素材の自然度と工法によって、「同じ製作者が同時期に作っても音が異なる」のが当たり前で、むしろそれを「良し」としています。

西洋歌唱法のコルラトゥールなどの「喉を不自然に作った無個性の声」は、
「全体主義(結束主義)音楽」の合唱では、極めて重要な不可欠の技法ですが、

非西洋諸国では、「地声が最も美しい」とされ、
「人それぞれで異なる声」は、人それぞれが「神から貰ったもの」という考えです。

私はこの様相を「小学校の昼休みの校庭の様子」と喩えます。

縄飛びをする子たち、鬼ごっこ、缶蹴り、サッカーの練習などなど。
「勝手に自由に」のようで、それぞれのグループの中では「遊びをつまらなくさせないためのルール」が厳しく守られ、異なるグループ間でもルールは厳しく問われます。

この話しが理解出来る人は
「大人と子どものどっちがルールを守りますか?」という問いに、
正しく「子ども!」と答えられる人でしょう。

大人は、内心では「ルールなんて知ったことか!」とか「守らないと批判されるから」と極めて自意識過剰な感覚で捕らえています。
「自分のルール」をやたらに堅持する人も居ますが「社会的ルール・対人ルール」を「自分のルール」に出来ている人は極めて希です。「相手次第」で瞬時に変わる人ばかりです。

一方子どもは、「守らないと遊びがダレる、だらしなくなる、
気持ちが荒れる=遊びがつまらなくなる」から、真面目に守ろうとします。

このことが分からないのに、「民族音楽」や「民族楽器」を「楽しみ・癒しのためだけに」好き勝手に用いる人ももの凄く増えました。現地で学んだとしても
「技」だけでは「仏作って魂入れず」に過ぎません。

そもそも「民族音楽(風)」だったり「民族楽器の起用」であっても、精神性が西洋式であったならば、それは「だらしなく乱れた行進」のようなものかも知れません。
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そもそも「音楽療法」をしようとする人の殆どが「音楽を子どもの頃から習っていた」とか「音楽が好き」という人ばかりです。

私は、三四歳の頃からピアノ教師だった母に強要されましたが、意識では「頑張ろう」としているのですが、腹痛や蕁麻疹などが現れ(心因性ですが)親を諦めさせました。

一族で西洋音楽が出来ない唯一の存在です。
(母が生徒さんに教えるのを『門前の小僧』で聴いて育ちましたが)

「小学校の音楽の時間」は、まず九割廊下に立たされていました。
六年間同じだったあの先生は、後に私が民族音楽の第一人者として紹介されたり、「題名のない音楽会」でオーケストラと共演をした姿を見て下さったならば、さぞや驚いたことでしょう。
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尤も、近年民族音楽を演る人の多くは、西洋音楽の基礎が無い人も多いことでしょう。そのような風潮や、「お気楽・楽しみのためだけ」の風潮を作ったのは、都下吉祥寺で20年日本初の民族音楽ライブスポットをやっていた「お前にも大きな責任・罪がある」と言われれば、反論は出来ません。

「小手先の基本」を終えた段階(入門~初級)で、「そろそろ心や魂の学びだ」という頃に殆どその意味も価値も理解出来ずに止めてしまう人ばかりだったから。
という言い訳もあります。今頃になって、「先に心」「自分との向い合い」を説いていた方が良かったのだろう、と思っても手遅れでしょうが。
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「西洋音楽で療法すること」の大きな音楽理論上の問題のひとつに、「平均率」があります。これはかなり深刻な問題です。

また、そもそも前述のように、西洋音楽は、「社会性の極み」と言っても過言ではありません。しかし、クライアントの多く、例えば幼児の場合、「多動性」「注意欠陥」「アスペルガー」などの自閉系。青少年の場合「無気力」「感情制御の問題」。青年の場合「アパシー」「鬱」、中高年の場合の「認知症」などはいずれも、「社会性の問題」「社会力の低下」と言えます。

先天的な機能障害を除いて、様々な要因から、当人の「心(意識より深いところの)」が、「社会性」を拒否し、抵抗しているのです。

幼少期の私が「意識では母の期待に応えよう」としているのに、「腹痛」や「蕁麻疹」が出るのは、「心の悲鳴」とも言えます。

今日でこそ、それを理解しようという風潮(むしろ過剰になっていますが)も見られますが、当時はすべて「根性問題」とされて来ましたから、母が「親子だから甘えるのだろう」と雇った音大生の家庭教師には、「竹の物差し」でビシビシ手を叩かれました。

普段は上品で優し気なべっぴんさんでしたが、彼女もそうやって学んで来たのです。そんな時代です。

「社会性の極みの音楽」で、「社会性・社会力が弱まったクライアイント」に療法が出来る筈もありません。

逆に言えば、症状によって、そして、療法の進展によって、(もし社会性の取得が目的ならば)西洋楽器の音や西洋音楽を起用することは、むしろ賢明とも言えますが。

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何時も最後迄ご高読をありがとうございます。

福岡市南区の自宅別棟楽器倉庫の教室では、インド楽器とVedic-Chant、アーユルヴェーダ音楽療法の「無料体験講座」を行っています。詳しくは「若林忠宏・民族音楽教室」のFacebook-Page「Zindagi-e-Mosiqui」か、若林のTime-Lineにメッセージでお尋ね下さい。 九州に音楽仲間さんが居らっしゃる方は是非、ご周知下さると幸いです。

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You-Tubeに関連作品を幾つかアップしております。
是非ご参考にして下さいませ。

Hindu Chant講座Vol.1

Hindu Chant講座Vol.2

Hindu Chant講座Vol.3

Hindu Chant講座Vol.4

Vedic Chant入門講座(基本理解編)

Ayurveda音楽療法紹介(基礎理解編)

アーユルヴェーダ音楽療法 (実践編1)

アーユルヴェーダ音楽療法 (実践編2)

アーユルヴェーダ音楽療法 (実践編3)

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(文章:若林 忠宏

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