前々回、猪の女神ヴァーラーヒーのお話を書かせていただきましたが、獣の姿をとる神は意外に多いものです。
またシヴァも「獣の長」ですし、眷属として獣を従える神も多いです。
さらには、実際に土着神お寺などに参拝すると、人間の姿をとったご本尊であるにも関わらず、獣のような雰囲気を感じることがあったりもします。
以前、チンナマスター女神の寺院に参拝した時に、とても獣の雰囲気を感じました。
気のせいかと思いましたが、後に知り合いになった方がチンナマスターの礼拝をした時に獣の雰囲気を感じたとおっしゃっていて、同じことを感じられたのだなと、確信しました。
インドは日本に比べ野生動物が圧倒的に多いのですが、古代インドは、現在よりさらに自然が深く、ジャングルも大きかったに違いありません。
生活をしていく中で、動物に出会うことも多く、種類も多かったでしょう。
話が飛びますが、サンスクリット語の「ムリガ」は日本で「鹿」と訳されることが多いですが実は鹿だけではなく、もっと広い範疇の動物を網羅している、とサンスクリット語の先生におうかがいしたこともあります。
そのような多種多様な動物と触れ合う中で、特殊な力を持つ獣たちを神の姿に投影していったのは想像に難くないと感じます。
特に女神においては、その獣の母性が取り入れる際の重要な要素のひとつになったのだろうと感じます。
動物の子供を育てる際の母性は、非常に強いもので、自分の命に代えても子供たちを守ろうとします。
そのような強い母性で守ってくださるよう、女神からの保護を祈願したに違いありません。
その意味で獣の姿の女神は、より母性の強い女神と言えるのかもしれません。
(文章:ガネーシャ・ギリ)
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ガネーシャ・ギリ氏共著 『インド占星術と運命改善法』
ガネーシャ・ギリによるヨーガクラス
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