ヴァサント・パンチャミー

2015年1月24日にインドはヴァサント・パンチャミーを迎えます。
ヴァサントとは、「春」の意味で、このお祭りは、春の到来を祝うお祭りです。光の祭典であるディーワーリーは富の女神ラクシュミーを祀り、ナヴァラトリーはドゥルガー、そしてヴァサント・パンチャミーは、学問と芸術の女神であるサラスワティーを祀るお祭りにあたります。
 ヒンドゥー教では、サラスワティー女神は、このヴァサント・パンチャミーの日に生まれたとされ、この日、盛大に祝福されます。
このお祭りでは、黄色が特に重要な意味を持ちます。黄色は、春の作物がたわわに実ることをあらわしています。この日、サラスワティー女神は黄色の衣装を装い祝福されます。またそれを祝う人々も黄色の服を着て、人々にふるまわれるお菓子なども黄色、食べ物もサフランなどで黄色に色づけがされています。
サラスワティー女神は、ブラフマー神と同じように、インドでは寺院の数も少なく、あまり大々的に礼拝されることのない女神です。しかし、この祭日には、インドの学生はペンやノートをサラスワティー女神の像の前に置いて、学業の成就を祈願します。またこの祭日を設立日としている教育機関も少なくありま日本ではこの時期、受験シーズンにあたりますが、受験を控えた方々は、この祭日にあわせて弁財天に合格祈願されるのもよいかもしれません。
ここでは、ヴァサント・パンチャミーについて、アーチャーリヤ・サティヤム・シャルマ・シャーストリ氏の解説をご紹介いたします[1]。

  『ヴァサント・パンチャミーは、学問の女神であるサラスワティーに捧げられるお祭りです。マーガ月(1月〜2月)の新月から5日目が、ヴァサント・パンチャミーにあたります。世界中のヒンドゥー教徒は、熱心にこの祭日をお祝いします。この祭日は、サラスワティーの誕生日だと信じられています。
 この祭日では、黄色が特別な意味を持つことになります。サラスワティーの女神像は、黄色の衣服で飾り付けられて礼拝されます。また人々も、この日は黄色の衣服を着るようにしています。親類や友人の間では、黄色のお菓子などが贈られます。
 中には、この日は僧侶に食事を与える人もいます。また先祖供養(ピトリ・タルパン)を行ったり、愛の神であるカーマ・デーヴァを礼拝する人もいます。
 子どもたちにとっては、学習を始めるのに最適な日であることから、アルファベットを学ぶ初日になります。そして、学校、大学などの教育機関は、サラスワティー女神への特別な礼拝を行います。パンディット・マダン・モーハン・マラヴィヤ氏は、バナーラス・ヒンドゥー大学をこの日に創設しました。今では、世界的に有名なトップクラスの教育機関となっています。
 ヒンドゥイズムでは、マカラ・サンクラーンティや、ヴァサント・パンチャミーのように、宗教的な祭事を季節に織り込むことを特に重要視しています。人々は、個人の信条や願望に応じて、家庭の主宰神(イーシュタ・デーヴァータ/デーヴィー)を礼拝する傾向があります。また一般に人々は富や権力を求める傾向にあります。カリ・ユガ(現在)の時代では、お金(富、権力、名声)の追求が、ほとんどの人々の主目的になっています。まるでお金が神のように崇められています。
 しかし、分別のある人々は、霊的な啓蒙のために、サラスワティー女神を礼拝します。彼らによると、王と学識ある人(霊的に優れた人)との間には何の違いもありません。王は、王国の中では敬意を払われますが、学識ある人は、どこに行っても敬われます。高徳の人、霊的な進歩に邁進する人々は、サラスワティー女神への礼拝を非常に重視します。
 サラスワティー、ラクシュミー、ドゥルガーの三女神に割り当てられた乗り物は、彼女たちの特別な力を象徴しています。サラスワティー女神の乗り物である白鳥は、サットヴァ・グナ(清浄と識別の要素)を象徴します。ラクシュミー女神のフクロウ、そしてドゥルガーのライオン(虎)は、それぞれタマス(暗質)とラジャス(激質)を象徴しています。
 ヴァサント・パンチャミーは、これに続くお祭りであるホーリーの前兆になっています。季節は次第に変化し、春の到来が感じられてきます。木々は新芽を出し、森や草原では新しい生命が息吹き始めます。自然は、マンゴーの木に花を咲かせ、小麦や作物は、新しい生命に活力を与えます。
 ヴァサント・パンチャミーは、季節感、社会的意義と敬虔さに満ちた祭日です。新しい季節の到来を胸に、世界中のすべてのヒンドゥーによって盛大に祝福されます。』

サラスワティー女神の祝福のもと、霊的知識に恵まれ、豊かな時間を過ごすことができますよう、お祈り申し上げます。


参考:
[1]Vasant Panchami, http://www.hinduism.co.za/vasant.htm

マカラ・サンクラーンティ

2015年1月14日(一部地域、また日本時間では15日)はマカラ・サンクラーンティです。マカラ・サンクラーンティは、春の到来を告げる収穫祭であり、インドに限らず、東南アジアの国々でもお祝いされる盛大なお祭りです。
マカラとは「山羊座」、サンクラーンティとは「変遷」のことであり、この日より太陽が山羊座に入ることから、マカラ・サンクラーンティと呼ばれています[1]。
マカラ・サンクラーンティは日本でいう冬至にあたり、昼がもっとも短い日であり、この日から太陽は北方への回帰を始めます(ウッタラーヤナ)。
緯度の違いから、日本では例年12月22日頃がそれにあたります。
インドの聖典「バガヴァッド・ギーター」では、ウッタラーヤナについて次のように述べられています[2]。
「火、光明、昼、白月、太陽が北に向かう六ヶ月。そこにおいて、逝去したブラフマンを知る人々はブラフマンに達する。(8.24)」
インドでは太古よりウッタラーヤナの期間中に肉体を去ることは、成就に至るために重要であると考えられてきました。
そのためマハーバーラタの英雄として知られるビーシュマは、この吉兆の時に死ぬことを望み、ウッタラーヤナが訪れるまで、矢でできた臥床で死を待ったといわれます。
マカラ・サンクラーンティの吉日では、インド各地において、朝早くから沐浴をし、祈りを捧げ、太陽の恵みに感謝し、豊作を祈願します。
また精神的な恵みを得るためにも重要な吉日であると考えられています。
プラーナ文献では、マカラ・サンクラーンティから1ヶ月間、太陽神スーリヤが息子である土星神シャニの家を訪れると述べています。
山羊座は、インド占星術における土星神シャニが支配する星座です。
父スーリヤとその息子シャニは、いつもはあまり仲が良くありませんが(敵対星座)、父スーリヤが1ヶ月間、息子シャニの家に来ることにより、お互いの関係を確かめ合います。
これは占星術的には、一般の父と息子の関係にとっても重要な意味があるととらえられています。
息子にとっては、父を快く受け入れることで、よりよい家族関係を築くのに重要な時期であるといわれます[3]。
また太陽が北へ向かう6ヶ月の間(冬至から夏至の間)、ここから神々の昼が始まるとして、多くの祭事はこの期間を中心に行われることになります。
太陽が南へ向かう6ヶ月の間(夏至から冬至の間)は、神々の夜にあたる時期と考えられ、ギーターでは、「そこにおいて、逝去したヨーギンは月光に達してから回帰する。(8.25)」と、忌み嫌われている時期であることが窺えます。
しかし、ガンディーが「無執着ヨーガ」の中で、「信愛に従い、ひたすら無執着の行為を行い、真理を見た者は、いつ死のうとも解脱を勝ち得る。」と述べているように[4]、真理とともに生きている人々にとっては、毎日がマカラ・サンクラーンティのような吉日であるといえるのかもしれませんね。
太陽の恵みを感じやすくなるこの時期、皆さまに大きな恵みがありますように。
Reference
[1] Sankranthi, Wikipedia, http://en.wikipedia.org/wiki/Makar_Sankranti
[2] 上村勝彦訳,バガヴァッド・ギーター,岩波文庫,1992
[3] Makar Sankranti, http://www.rudraksha-ratna.com/news_letter/makarsankranti-mailer-2015.html
[4] 赤松明彦著,『バガヴァッド・ギーター』神に人の苦悩は理解できるのか?,岩波書店,2008

光の祭典−ディーワーリー(ディーパーヴァリー)

2014年10月23日は、ヒンドゥー教の三大祭のひとつであるディーワーリーの祝日です。このお祭りは、別名ディーパーヴァリーともよばれ、サンスクリット語では「光の列、夜のイルミネーション」を意味します。
この祭典期間中は、ろうそくや煌びやかな照明がインド全国の街中で灯され、その美しさはおおくの人々を魅了します。
このお祭りは、以下のように解説されています[1]。
「ディーパーヴァリーは「光の祭典」として知られ、正義が悪に打ち勝った象徴である。ランプには、その勝利の祝福と人類の希望の記として、灯が点される。ディーワーリーまたはディーパーヴァリー(陶器製のランプの列)を祝う理由は、ラーマが宮殿から追放され14年間を森で暮らす間に、シーターを奪った羅刹王ラーヴァナを殺し、凱旋したラーマを祝福するためである。ラーヴァナを殺した日は、ダシャラー(ディーワーリーの19〜21日前日)として祝われる。祭典は、光とランプに焦点がおかれ、地域によっては、花火が打ち上げられるところもある。
ディーパーヴァリーは、ヒンドゥー暦のアーシュヴィン月に6日間連続で祝われる。おおよそ10月あるいは11月に行われるが、インドでは、もっとも人気があり、待ち望まれている祭典のひとつである。ヒンドゥー教徒、ジャイナ教徒、シーク教徒は、この祭典を、人生の祝福、そして家族と社会の絆を深めるために祝う。ジャイナ教徒にとっては、もっとも重要な祭典であり、ジャイナ教暦では新年にあたる。またシーク教徒にとっても、信仰上重要な祭典である。
・ヒンドゥー教における意義
祭典は、悪に対する正義の勝利を象徴する。サンスクリット語のディーパーヴァリーは、光が暗闇に勝利したことをあらわす光の列を意味する。サンスクリット語の知識が廃れるにしたがい、特に北インドでは、名称が一般にディーワーリーと変化した。
ディーワーリーの日は、多くの人は新しい服を身につけ、お菓子を分け合い、爆竹を鳴らす。北インドの経済界では、事業年度はディーワーリーの日に開始され、新しい商業帳簿はこの日から付けられる。
ヒンドゥーでは、この祭典を祝う理由を、次のようにいくつか挙げている。
・スカンダ・プラーナによると、女神シャクティは、シヴァ神の半身を手に入れるために、シュクラ・パクシャのアシュタミー(月が満ちる時)から21日間の苦行を行った。この誓願(ヴラタ)は、ケーダラ・ヴラタとして知られる。ディーパーヴァリーは、この苦行が完了した日である。この日、シヴァ神は左半身にシャクティを受け入れ、アルダナーリーシュヴァラとして顕現した。熱心な帰依者は、空間を意味するカラシャと呼ばれる容器に21本の紐を入れ、35日間21種類の供養を行う。最終日はケーダラ・ガウリー・ヴラタとして祝われる。
・ディーワーリーは、アヨーディヤの王ラーマが羅刹王ラーヴァナを殺し、シーターと弟のラクシュマナとともに、アヨーディヤへと凱旋した祝いでもある。道に沿ってオイルランプに灯りを点すことで、暗闇にある人々の道を照らすと信じられている。北インドでは、祭典はヴィクラム暦の最終日に行われる。次の日は北インドの新年にあたり、アンナクットと呼ばれる。
・クリシュナの妻のひとりであるサティヤバーマーによって、大破壊をもたらした悪鬼ナラカースラ(地獄のアスラの意味)が倒された祝日。クリシュナのアヴァターの時代であるドゥヴァーパラ・ユガにもたらされた。別の解釈では、悪鬼はクリシュナ自身に倒されたともいわれる。南インドでは、シャリヴァハナ暦にしたがうため、ディーワーリーの新年は一致しない。
(以下略)」
地方によっては、女神ラクシュミーをお祀りするところなどもあるようです。この日はインドの習慣にならって、ランプに灯を点し正義の復興を願ったり、日頃お世話になっている人々に贈り物をしてみるのもよいかもしれませんね。
出典
[1] Wikipedia “Diwali”, http://en.wikipedia.org/wiki/Diwali

ナヴァラートリ祭

ナヴァラートリとは、ドゥルガー、ラクシュミー、サラスワティー女神をお奉りするヒンドゥー教の三大祭典のひとつです。「ナヴァ」はサンスクリット語で9をあらわし、「ラートリ」は夜を意味します。したがって、ナヴァラートリとは、9日間の夜となります。この祭典は、春と秋の年2回、9日間にわたって行われます。ヒンドゥー教のカレンダーでは、月齢にしたがっているために毎年開催時期が多少前後しますが、2014年は9月25日から10月3日まで行われます。
ナヴァラートリの9日間は、礼拝する神さまに応じて、3日間ずつに分けられます。はじめの3日間は、わたしたちの心の中に潜む不純物や悪徳、欠点を破壊するため、強力な戦士でもあるドゥルガー女神を礼拝します。次の3日間は、すべての帰依者に尽きることのない富と幸福を授けるといわれるラクシュミー女神を礼拝します。そして、最後の3日間は、創造主ブラフマーの妻であり、学問と芸術、そして叡智を授ける女神であるサラスワティー女神を礼拝します。わたしたちは人生のさまざまな局面で、神々からの祝福を求めて、3つの側面をもつそれぞれの女神さまにお祈りを捧げます。そのために、この祭典には9日間が費やされます。
ナヴァラートリの期間中、真摯な帰依者の中には、断食をしながら、健康や繁栄を願って祈りを捧げる人々もいます。じぶん自身の日々の生活を見つめ直して、人生の向上につながる新しい習慣をはじめるには、昔からナヴァラートリはこの上ない吉祥の日であるといわれています。
10月4日に行われるナヴァラートリの第10日目は、ダシャラー(Dussehra)と呼ばれる吉日です。この日には、ラーヴァナという悪魔をかたどった像が燃やされ、ラーマに主導される善の勢力が、悪に打ち勝った日として盛大に祝われます。
ナヴァラートリは、自身の内面に潜む不浄な傾向を克服するために、非常に重要な期間とされています。この神聖な期間を活かして、かつてラーマが悪鬼ラーヴァナに勝利したように、わたしたちの内面に潜む悪魔を討ち滅ぼすことができるよう日々を過ごされてみるとよいでしょう。
参照
[1] “Navaratri” from Wikipedia, Free encyclopedia, http://en.wikipedia.org/wiki/Navratri

オーナム祭

2014年9月7日はオーナム祭です。南インド・ケーララ州において祝福される、年に一度の盛大な祝祭です。
オーナム祭は、王国を追われたマハーバリ王が、愛する国民たちの下へ戻る日、またそのマハーバリ王が解脱を得た日として祝福されるものです。
遠い昔、言い伝えによれば、マハーバリ王の下で人々は幸せで平等であったと言われています。それでも王が国を追われたのは、彼がアスラだからでした。しかし、王の信心深さや献身さが神の心に留まり、命を奪われることなく今でも下界で密やかに暮らし、年に一度、愛する国民の下へと戻ると信じられています。
様々な言い伝えがある中で、人々のために尽くし、人々からも愛されたマハーバリ王が神によって王国から追放されたのは、アスラであるということと共に、大きな自我があったからだと述べられています。独占欲や誇りの下では、誰も真の至福を得ることはできないと神は見抜いていたのかもしれません。
しかし、マハーバリ王は年に一度、愛してやまない国民の下へ戻ること条件に、自らを犠牲とし国民を守りこの世界を去っていきます。自我を捨て、全体と一つになることを最後に望んだのです。それはまさに王の解脱です。
精神性を説く教えの中で、全体である神との一体は究極の至福です。人は小さな個人の自我に生きているのではありません。私たちが生涯で理解すべくこととはただ一つ、自分は神という全体と一つであるということに他はなく、その事実を理解するために、私たちは今、この世に生を受け歩みを続けています。
「私」から始まり「全体」で終わる旅路を、マハーバリ王は辿りました。万物が生まれ、万物が戻る場所。至福を感じ、安らぎを得る場所。神の他にないその場所は、永遠でいて真の住まいです。 マハーバリ王はその住処を見つけたに違いありません。そしてその歩みはまさに、人が歩むべく道のりを示しているのだと気づかされます。
マハーバリ王が今年も愛する国民の下へ無事に戻れるよう、そして人々の道が真の住処へと向かうものであるよう祈りながら、このオーナム祭を祝福したいと感じています。
(文章:ひるま)

ガネーシャ降誕祭

2014年8月29日は、障害を取り除き、不正な性質を正す神さまとして知られるガネーシャ神の降誕祭(ガネーシャ・チャトゥルティ)です。
インドの霊的指導者であり、シヴァーナンダ・ヨーガで知られるスワミ・シヴァーナンダ氏は、解脱にいたるためのもっともシンプルな方法として、次の3つの方法を挙げています[1]。
1.否定的で不道徳な性質を取り去り、肯定的で霊的な性質を養うこと。
2.あらゆる活動の最中に、常に神のことを思うこと。
3.すべての活動を、神のおみ足に捧げること。
否定的で不道徳な性質には、さまざまなものがありますが、聖ラーマクリシュナの霊性のパートナーであるサーラダー・デーヴィーは、この性質の一例として、他人の欠点を見ることを挙げて、次のように述べています。
「愛しい子よ、他人の欠点を見るのは止めなさい。人生はとても短いもので、自身の欠点を取り除くにも十分な時間はありません。自身の内面を見つめ、悪い性質を省みれば、とても多くの欠点に気がつき、それだけで時間がなくなってしまいます。人生のすべての時間を費やしても、私たち自身の欠点を取り除くのに十分ではありません。あなた自身の家の掃除を始めずに、他人の欠点を拾い集めるならば、あなたは何も変わることはないでしょう。」
では、このような性質を取り除くためには、どのような方法があるでしょうか。サーラダー・デーヴィーは次のような祈りを提案しています。
「神よ、私は他人の欠点に目がいってしまいました。今までは、それが自身の性格に染みついていたため、障壁の原因となっていることに気がつきませんでした。私は、この習慣を改めて、神聖な性質を身につけます。今日から、誰の欠点も見ないようにします。私は、自身の崇高な目標から、心をそらさないようにします。私は古くから心に染みついたこの習慣を改めます。今後は、このような過ちを犯すことはありません。霊的な成長を阻害するマーヤー(幻力)に、私は心を許しません。神よ、どうかこのための力をお授けください。」
ガネーシャは、障害を取り除き、不正な性質を正す神さまとして知られています。そのため、このような悪習や不道徳な性質を取り除くために、大きな力を貸してくれる神さまとなります。
ガネーシャ・チャトゥルティは、新たなものごとの始まりに、願を立てて祈りを捧げるのに最適な吉日です。高い志をもって祈りを捧げれば、ガネーシャ神は、きっと祝福してくれるでしょう。
ガネーシャ・チャトゥルティの吉日、ガネーシャ神があらゆる障害を取り除く助けとなって、皆さまがより良い人生を歩めますように、心よりお祈り申し上げます。
参考
[1]Sri Swami Chidananda, “A Good Beginning”, http://www.dlshq.org/religions/ganeshchatur.htm

クリシュナ降誕祭

2014年8月17日、18日はクリシュナ神の降誕祭です。
クリシュナ降誕祭には、クリシュナ・ジャヤンティ、クリシュナ・ジャンマーシュタミー、ゴークラーシュタミー、クリシュナーシュタミーなどさまざまな名称があります。
クリシュナ降誕祭は、南インドやインド西部、インド東部では8月17日に、北インドの多くでは8月18日に行われるなど、地域や教派によって行われる日程が異なります。
これは、伝統的なインド占星術によると、クリシュナ神の誕生日が、シュラヴァナ月の2回目の満月から新月に向かう8日目(アシュタミー)で、月の星座(ラーシ)がヴリシャバ(牡牛座)、ナクシャトラがローヒニーであることに由来します。
クリシュナ降誕祭は、上記すべての条件が揃う必要がありますが、多くのヒンドゥー教派の暦では、すべてが一致することがほとんどありません。
教派によっては、満月から新月に向かう8日目(アシュタミー)を重視するところもあれば、ナクシャトラがローヒニーであることを重要視する教派もあります。そのため、ヒンドゥー教派ごとに、独自の基準を設けて、クリシュナ神の降誕祭を祝うため、地域や教派によって、日程に違いが生じるようです[1]。
ところで、クリシュナ降誕祭の日に、もっとも重要とされるマントラは、「オーム ナモー バガヴァテー ヴァースデーヴァーヤ」といわれます[2]。この日は、バジャンやキールタン、また瞑想や断食を行い、クリシュナを念想しながら神聖な1日を過ごします。
またこの日にできるもっとも簡単で偉大なクリシュナ神への礼拝は、バガヴァッド・ギーターを読むことであるといわれます。
バガヴァッド・ギーターを読むことは、クリシュナの偉大な教えを私たちに思い起こし、クリシュナを讃える最高の礼拝方法であるとされています。
また以下のような簡潔なクリシュナ・プージャーを行う事もできます[3]。
1.身体を洗い清め、静かで清浄な場所を用意します。
2.クリシュナ神とガネーシャ神の像や絵画を設置します。
3.ランプと花・果物・お菓子をお皿に用意します。
4.ガネーシャ神に祈りを捧げます。
5.心を落ち着かせるために、数分間瞑想します。
6.ランプに火を灯します。
7.クリシュナ神への瞑想または祈りを捧げます。
8.花を捧げ、お香を焚きます。トゥラシーの葉があればベストです。また花を捧げるときに、ベルを鳴らしても良いでしょう。
9.「オーム・ナモー・バガヴァテー・ヴァースデーヴァーヤ」あるいは「オーム・ナモー・ヴァースデーヴァーヤ・ナマハ」のマントラを唱えます。
10.このとき、用意した果物やお菓子、食物を捧げます。その後、聖水をふり撒いても良いでしょう。
11.この後、数分間瞑想するか、バガヴァッド・ギーターを読んだりして、神聖な時を過ごします。
プージャーの後は、果物やお菓子は、プラサード(神のお下がり)として、皆でいただくことができます。
クリシュナは、ギーターの中で、行為のすべてを彼に捧げ、彼を信愛することの大切さを説いています。魅力溢れる彼の人生を学び、クリシュナへの想いで、この神聖な1日を過ごすことができれば、クリシュナはきっとその想いに応えてくれるに違いありません。
皆さまにクリシュナ神の祝福がありますように。
[1]”Why is Sri Krishna Jayanti celebrated on two different days?”, http://www.hindu-blog.com/2007/08/why-is-sri-krishna-jayanti-celebrated.html
[2]”Significance of Sri Krishna Jayanti”, http://www.hindu-blog.com/2007/09/significance-of-sri-krishna-jayanti.html
[3]”How to do a Simple Shri Krishna Puja?”, http://www.hindu-blog.com/2008/08/how-to-do-simple-shri-krishna-puja.html

ラクシャ・バンダン

2014年8月10日は、ラクシャ・バンダンの祝日です。ラクシャ・バンダンについての簡単な解説を、以下Raksha-Bandan.comよりご紹介させていただきます。
ラキ:愛の紐
ラキは、兄弟・姉妹の愛情で彩られた神聖な紐のお守りです。ラクシャ・バンダン(守護を結ぶの意味)として知られるこの日は、ヒンドゥー暦におけるシュラヴァナ月の満月の日に祝われます。一筋の紐に過ぎないラキは、 愛と信頼の固い絆の中でもっとも美しい関係を結ぶとき、鉄の鎖より強いとみなされます。 また、誰もが助け合い、仲良くするべきという概念を広めるために、ラキの祝日は社会的な意義があります。
伝統と習慣
ラクシャ・バンダンの祝日は、兄弟・姉妹間で分かち合う愛情に捧げられます。 この日、姉妹たちは、兄弟の長寿と祝福を神に祈ります。姉妹たちは兄弟たちに美しいラキを贈り、兄弟たちはこの世界の悪から姉妹たちを守ることを約束します。この習慣は古くからあり、ここで行われる儀式は地域によって異なりますが、その美しい意義はどこにおいても変わることはありません。
ラキの意味
調和をもたらし、家族をひとつにまとめるために、ラキの祝日には大きな意味があります。ラキは、兄弟・姉妹間の愛、すなわち彼らが子供の頃から共有している愛の絆を表しています。 ラクシャ・バンダンを祝う習慣は遙か昔に遡り、今なお、人々は伝統的な方法でその愛情を表現しようとしています。ラキは、古い時代から、兄弟・姉妹間の愛の絆を強く結びつけてきたのです。
ラキのお祝い
ラクシャ・バンダンのお祝いは、兄弟・姉妹間の穢れのない愛を表す祝日です。 古くから、この祝日は歓喜をもって祝福されてきました。ラキは兄弟・姉妹間の無条件の愛の証です。 女性たちは、少なくとも祝日の2週間前から準備を始めます。その一日を特別な日にするために、人々はラキや贈り物、ラキ・プージャーのプレート、お菓子などを買います。 これはまた、この神聖な祝日を祝うために家族が集まるという一つの機会にもなります。愛する人々の間での贈り物は、この特別な日を心に残る美しい思い出にしてくれます。
出典:Raksha Bhandan, http://www.raksha-bandhan.com/
より翻訳転載

ナーガ・パンチャミー

神聖なシュラヴァナ月における祝祭の一つに、ナーガ・パンチャミーと呼ばれる蛇神を讃える祝祭があります。蛇にまつわる神話は世界に広く存在しますが、インドでもまた、その存在が深遠な意味合いを映し出しています。
インドでは広く、蛇は多産や豊穣の象徴とされ、また脱皮を繰り返す姿が輪廻と不死の象徴として崇められてきました。宇宙を維持するヴィシュヌ神は、永遠を意味する「アナンタ」という大蛇に横たわり眠っています。私たちの内に存在する根源的な生命エネルギーもまた、尾てい骨に蛇のようにとぐろを巻いて眠っていると言われます。「クンダリニー」と称されるそのエネルギーは、古代より、多くの探求者がその覚醒に努めてきたものに他ありません。
一方で、シヴァ神もまた蛇と共に描かれます。一説には、シヴァ神の首にぐるりと三周巻きついた蛇の姿が、過去、現在、未来の三つのサイクルを象徴していると伝えられています。それは、心の動きによって生じる過去や未来という「時」を超越した、永遠の存在であることを示しているのだと言います。心を克服し、本質である崇高でいて永遠の存在と一つになるというヨーガの究極の目的を、最大のヨーガ行者であるシヴァ神が静謐に物語っています。
この時期に祝福されるナーガ・パンチャミーは、モンスーンに入り水かさが増え、さ迷い出る蛇の被害を受けないよう祈りを捧げたことが始まりだとも伝えられます。蛇は神聖視される一方で、くねくねと動き回る姿、また毒を持つ危険性が、人々の心のように映ります。そんな蛇を自身に巻きつけるシヴァ神は、心に打ち勝ち、永遠の真実に定まる至福を私たちに示しています。
自身の内に眠るとぐろを巻く真のエネルギーの覚醒は、その内を克服し脱皮した時に初めてあらわれるのかもしれません。この神聖な時、古代の叡智が示す象徴を通じ、改めて求めるものを見つめ直す瞬間にいるような気持ちです。叡智は常に、人々を導き続け、真実を明るく照らしています。その光の下で、心のあるべく場所をしっかりと示し、永遠の至福を自分自身の存在に映し出していきたいと感じています。
※ナーガ・パンチャミーは地域によって差異が生じますが、主な地域では2014年8月1日に祝福されます。
参照:http://en.wikipedia.org/wiki/Nag_Panchami

シュラヴァナ月

シュラヴァナ月がとりわけ神聖な月とされるのには、ヒンドゥー教の天地創造神話である「乳海撹拌」が起こったからであると一説に信じられています。
この乳海撹拌には、シヴァ神が別名「ニーラカンタ:青い喉」と呼ばれるようになった理由が存在しています。
大昔、不死の霊薬アムリタを得るため、神々と悪魔たちが協力し海を撹拌したという話がインドには伝わります。これが乳海撹拌です。
この創造神話において、さまざまな財宝が生み出されます。後にヴィシュヌ神の妻となるラクシュミー女神、またアーユルヴェーダの神であるダンヴァンタリ神は、この時に霊薬アムリタを持って登場します。
このような財宝が生み出されながらも、同時に、世界を焼き尽くす猛毒ハーラーハラも吐き出されてしまいます。その猛毒が世界に広まらないよう全て飲み干したのが、シヴァ神でした。
猛毒がシヴァ神の喉へと流れ込むも、妻のパールヴァティー女神がシヴァの首を絞めたため、猛毒はシヴァの身体に入ることはありませんでした。しかし、猛毒が喉に留まったために、シヴァ神は青くなってしまったと伝えられています。シヴァ神が別名ニーラカンタ(青い喉)と呼ばれる理由です。
そして、シュラヴァナ月に熱心に行われるのが、シヴァリンガムへのアビシェーカ(神像に聖水を浴びせる供養)です。
シヴァリンガムは、シヴァとシャクティの結合を示す神聖なシンボルです。太古の昔からシヴァ神はリンガ、またはリンガムとして崇拝されてきました。
このシヴァリンガムの最も一般的な供養が、神聖な沐浴(アビシェーカ)です。牛乳や水、また、ヨーグルト、蜂蜜、澄ましバターなどを、シヴァリンガムへと降り注ぎます。
ここには、乳海撹拌において猛毒を飲み干したシヴァ神の熱を下げるためという一説があります。
リンガムが祀られる寺院などでは、リンガムの真上に吊るされた壺から絶え間なく聖水が降りかけられている光景も目にします。
リンガムは、家庭に置くこともとても吉兆な行いとして広く行われています。シヴァとシャクティの結合をリンガムが象徴するように、夫婦の繋がりを深め、家族の団結と調和をもたらし、いずれは霊的な道へと導くと信じられています。
シヴァ神は破壊神として知られますが、非常に慈悲深い神でもあります。そんなシヴァ神を讃える神聖なひと月が始まっています。この神聖な時、シヴァ神の偉大なる姿を賛美し、吉兆な時をお過ごしください。
参照:http://en.wikipedia.org/wiki/Shiva_Puja
http://en.wikipedia.org/wiki/Samudra_manthan