ナヴァラートリ祭

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ナヴァラートリとは、ドゥルガー、ラクシュミー、サラスワティー女神をお奉りするヒンドゥー教の三大祭典のひとつです。「ナヴァ」はサンスクリット語で9をあらわし、「ラートリ」は夜を意味します。したがって、ナヴァラートリとは、9日間の夜となります。この祭典は、春と秋の年2回、9日間にわたって行われます。ヒンドゥー教のカレンダーでは、月齢にしたがっているために毎年開催時期が多少前後しますが、2015年は10月13日から10月21日(日本時間では14日から22日)まで行われます。

ナヴァラートリの9日間は、礼拝する神さまに応じて、3日間ずつに分けられます。はじめの3日間は、わたしたちの心の中に潜む不純物や悪徳、欠点を破壊するため、強力な戦士でもあるドゥルガー女神を礼拝します。次の3日間は、すべての帰依者に尽きることのない富と幸福を授けるといわれるラクシュミー女神を礼拝します。そして、最後の3日間は、創造主ブラフマーの妻であり、学問と芸術、そして叡智を授ける女神であるサラスワティー女神を礼拝します。わたしたちは人生のさまざまな局面で、神々からの祝福を求めて、3つの側面をもつそれぞれの女神さまにお祈りを捧げます。そのために、この祭典には9日間が費やされます。

ナヴァラートリの期間中、真摯な帰依者の中には、断食をしながら、健康や繁栄を願って祈りを捧げる人々もいます。じぶん自身の日々の生活を見つめ直して、人生の向上につながる新しい習慣をはじめるには、昔からナヴァラートリはこの上ない吉祥の日であるといわれています。

10月22日(日本時間では23日)に行われるナヴァラートリの第10日目は、ダシャラー(Dussehra)と呼ばれる吉日です。この日には、ラーヴァナという悪魔をかたどった像が燃やされ、ラーマに主導される善の勢力が、悪に打ち勝った日として盛大に祝われます。

ナヴァラートリは、自身の内面に潜む不浄な傾向を克服するために、非常に重要な期間とされています。この神聖な期間を活かして、かつてラーマが悪鬼ラーヴァナに勝利したように、わたしたちの内面に潜む悪魔を討ち滅ぼすことができるよう日々を過ごされてみるとよいでしょう。

参照
[1] “Navaratri” from Wikipedia, Free encyclopedia, http://en.wikipedia.org/wiki/Navratri

マハートマー・ガーンディー生誕祭

広大で様々な宗教や慣習が入り混じるインドでは、それぞれの祝祭に合わせ多くの祝日がありますが、国全体が祝日となる日は年に3日しかありません。そのうちの一日が本日10月2日、非暴力と不服従を基にインドの独立を率いたマハートマー・ガーンディーの生誕祭です。

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「あらゆる執着からの自由とは
神を真理として現実化させることである」
―マハートマー・ガーンディー

“Freedom from all attachment is the realization of God as Truth.” -— Mahatma Gandhi

ガーンディーが望んだように、世界平和と共に、多くの人々の心が安らかにありますことを心よりお祈りしております。

参照:真理

アナンタ・チャトゥルダシー 2015~ガネーシャ降誕祭の最終日~

2015年は9月17日、インドで盛大に祝福されたガネーシャ・チャトゥルティー(降誕祭)は、それから10日間続く祝祭として知られ、ガネーシャへの礼拝がより一層深く行われる時が続いています。そしてその10日目にあたるのが9月27日のアナンタ・チャトゥルダシーと呼ばれる吉日です。

ガネーシャ降誕祭を祝福するこの10日間、伝統に従う人々は、土でできたガネーシャ神像をそれぞれの家庭に祀り、プージャーを行い、供物や祈りを捧げ、いつも以上にガネーシャとの大切な時を過ごします。そしてこのアナンタ・チャトゥルダシーにおいて欠かすことができないものが、その神像を川や海へと流す行いです。土でできたガネーシャが、人々のカルマを吸い取り、自然に還る過程でそのカルマを溶かしていくと信じられているからです。

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この10日間に捧げられるガネーシャへの祈りや想いは、いつもよりも増して大きくそして深いものです。それらが込められた神像を海や川へ流す行いは、時に悲しみや苦しみを伴うものでもあると、人々のその心の内を耳にしたことがありました。

この時こそが、離執の実践でもあると言います。姿や形といった目に見える物に対する執着心をまず手放さなければなりません。この間において育まれたガネーシャという神、その私たちの本質との繋がりは、物質を超えた所にあるものです。姿や形が見えなくとも、そうして強まった繋がりを見失わず、常に私たちに本質のあるところに気づいていなければなりません。

10日間に深く捧げられたさまざまな祈りや想いは、私たちの内なる世界を確実に浄化し、そしてすべてを、最後にガネーシャが取り去っていきます。神聖な存在を礼拝する行いによってさまざまなカルマが浄化され、その中で生み出される強い繋がりが、私たちをより純粋なものとへ導いてくれるに違いありません。

こうした祝祭に込められた意味、そしてそこで経験する一つ一つの物事から多くを学び、本質へと向かう生きる日々での修行を続けていきたいと感じています。皆さまにもガネーシャの祝福がどんな時もありますように、心よりお祈りしております。

(文章:ひるま)

ガネーシャ降誕祭

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2015年は9月17日、ガネーシャ・チャトゥルティー(ガネーシャ降誕祭)が祝福されます。ガネーシャ・チャトゥルティーは、バードラパダー月(8月~9月)の新月から4日目にあたり、この日から10日間にわってガネーシャ神への礼拝が行われる盛大な祝祭です。

シヴァ神とパールヴァティー女神の息子であり、世界中で愛されるガネーシャ神の誕生には、とても有名な言い伝えがあります。

ある時、パールヴァティー女神が身体から出た垢から人形を作り息吹を与えると、美しい息子が生まれました。その息子に門番を頼み入浴をしていると、夫であるシヴァ神がやってきます。門番をしていた息子はシヴァ神が父親だと分からず、またシヴァ神も門番が息子だと気がつかず争いになり、シヴァ神は息子の頭を切り落としてしまいます。パールヴァティー女神はひどく怒り悲しみました。困ったシヴァ神は、最初に出会った動物である象の頭を息子に与えます。こうして、愛らしい象の頭を持つガネーシャ神が生まれたと言われています。

ガネーシャ神の誕生として伝わるこの有名な神話を通じても、霊性を育むための深い意味を教えられたことがあります。

シヴァ神は男性原理であり精神(プルシャ)、パールヴァティー女神は女性原理であり物質(プラクリティ)として知られています。一説には、この二つのものが一つになる時、永遠の至福である解脱に至ると考えられてきました。精神であるシヴァ神は、常に物質であるパールヴァティー女神との結合を待っています。しかし、その結合には数多くの障壁や困難が待ち受けています。

家に戻り、パールヴァティー女神に会おうとするも、息子に阻まれ会えなかったシヴァ神は、息子の頭を切り落とさねばなりませんでした。こうした精神と物質の結合を阻むもの、その障壁や困難は、エゴとして私たちの内に潜んでいます。シヴァ神がその障壁や困難を切り落とし生まれたのが、障壁除去の神として崇められるガネーシャ神です。ガネーシャ神は、私たちのエゴを取り去り、精神と物質の結合を助けてくれる神に他ありません。

頭を失った息子を哀れに思ったシヴァ神とパールヴァティー女神は、ガネーシャ神に、あらゆる面でまず始めに礼拝される神としての地位を与えたと伝えられることもあります。それは、永遠の至福という解脱を阻むエゴを取り去るために、私たちが何よりも始めに礼拝するべく存在であることを伝えているようです。

ガネーシャ神への礼拝を通じ、私たちの内なる障壁が取り除かれ、精神と物質の結合による永遠の至福へと向けた道が開けることを心から願っています。皆さまもどうぞ祝福に満ちたガネーシャ降誕祭をお迎えください。

(文章:ひるま)

クリシュナ降誕祭

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2015年9月5日はクリシュナ神の降誕祭です(日本時間では9月5日、もしくは6日となります)。

クリシュナ降誕祭には、クリシュナ・ジャヤンティ、クリシュナ・ジャンマーシュタミー、ゴークラーシュタミー、クリシュナーシュタミーなどさまざまな名称があります。

クリシュナ降誕祭は、地域や教派によって行われる日程が異なります。
これは、伝統的なインド占星術によると、クリシュナ神の誕生日が、シュラヴァナ月の2回目の満月から新月に向かう8日目(アシュタミー)で、月の星座(ラーシ)がヴリシャバ(牡牛座)、ナクシャトラがローヒニーであることに由来します。

クリシュナ降誕祭は、上記すべての条件が揃う必要がありますが、多くのヒンドゥー教派の暦では、すべてが一致することがほとんどありません。

教派によっては、満月から新月に向かう8日目(アシュタミー)を重視するところもあれば、ナクシャトラがローヒニーであることを重要視する教派もあります。そのため、ヒンドゥー教派ごとに、独自の基準を設けて、クリシュナ神の降誕祭を祝うため、地域や教派によって、日程に違いが生じるようです[1]。(2015年は、インドでは多くの地域と慣習において、9月5日に祝福が行われるようです。)

ところで、クリシュナ降誕祭の日に、もっとも重要とされるマントラは、「オーム ナモー バガヴァテー ヴァースデーヴァーヤ」といわれます[2]。この日は、バジャンやキールタン、また瞑想や断食を行い、クリシュナを念想しながら神聖な1日を過ごします。
またこの日にできるもっとも簡単で偉大なクリシュナ神への礼拝は、バガヴァッド・ギーターを読むことであるといわれます。
バガヴァッド・ギーターを読むことは、クリシュナの偉大な教えを私たちに思い起こし、クリシュナを讃える最高の礼拝方法であるとされています。

また以下のような簡潔なクリシュナ・プージャーを行う事もできます[3]。

1.身体を洗い清め、静かで清浄な場所を用意します。
2.クリシュナ神とガネーシャ神の像や絵画を設置します。
3.ランプと花・果物・お菓子をお皿に用意します。
4.ガネーシャ神に祈りを捧げます。
5.心を落ち着かせるために、数分間瞑想します。
6.ランプに火を灯します。
7.クリシュナ神への瞑想または祈りを捧げます。
8.花を捧げ、お香を焚きます。トゥラシーの葉があればベストです。また花を捧げるときに、ベルを鳴らしても良いでしょう。
9.「オーム・ナモー・バガヴァテー・ヴァースデーヴァーヤ」あるいは「オーム・ナモー・ヴァースデーヴァーヤ・ナマハ」のマントラを唱えます。
10.このとき、用意した果物やお菓子、食物を捧げます。その後、聖水をふり撒いても良いでしょう。
11.この後、数分間瞑想するか、バガヴァッド・ギーターを読んだりして、神聖な時を過ごします。

プージャーの後は、果物やお菓子は、プラサード(神のお下がり)として、皆でいただくことができます。

クリシュナは、ギーターの中で、行為のすべてを彼に捧げ、彼を信愛することの大切さを説いています。魅力溢れる彼の人生を学び、クリシュナへの想いで、この神聖な1日を過ごすことができれば、クリシュナはきっとその想いに応えてくれるに違いありません。
皆さまにクリシュナ神の祝福がありますように。

[1]”Why is Sri Krishna Jayanti celebrated on two different days?”, http://www.hindu-blog.com/2007/08/why-is-sri-krishna-jayanti-celebrated.html
[2]”Significance of Sri Krishna Jayanti”, http://www.hindu-blog.com/2007/09/significance-of-sri-krishna-jayanti.html
[3]”How to do a Simple Shri Krishna Puja?”, http://www.hindu-blog.com/2008/08/how-to-do-simple-shri-krishna-puja.html

オーナム祭

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2015年8月28日はオーナム祭です。南インド・ケーララ州において祝福される、年に一度の盛大な祝祭です。

オーナム祭は、王国を追われたマハーバリ王が、愛する国民たちの下へ戻る日、またそのマハーバリ王が解脱を得た日として祝福されるものです。

遠い昔、言い伝えによれば、マハーバリ王の下で人々は幸せで平等であったと言われています。それでも王が国を追われたのは、彼がアスラだからでした。しかし、王の信心深さや献身さが神の心に留まり、命を奪われることなく今でも下界で密やかに暮らし、年に一度、愛する国民の下へと戻ると信じられています。

様々な言い伝えがある中で、人々のために尽くし、人々からも愛されたマハーバリ王が神によって王国から追放されたのは、アスラであるということと共に、大きな自我があったからだと述べられています。独占欲や誇りの下では、誰も真の至福を得ることはできないと神は見抜いていたのかもしれません。

しかし、マハーバリ王は年に一度、愛してやまない国民の下へ戻ること条件に、自らを犠牲とし国民を守りこの世界を去っていきます。自我を捨て、全体と一つになることを最後に望んだのです。それはまさに王の解脱です。

精神性を説く教えの中で、全体である神との一体は究極の至福です。人は小さな個人の自我に生きているのではありません。私たちが生涯で理解すべくこととはただ一つ、自分は神という全体と一つであるということに他はなく、その事実を理解するために、私たちは今、この世に生を受け歩みを続けています。

「私」から始まり「全体」で終わる旅路を、マハーバリ王は辿りました。万物が生まれ、万物が戻る場所。至福を感じ、安らぎを得る場所。神の他にないその場所は、永遠でいて真の住まいです。 マハーバリ王はその住処を見つけたに違いありません。そしてその歩みはまさに、人が歩むべく道のりを示しているのだと気づかされます。

マハーバリ王が今年も愛する国民の下へ無事に戻れるよう、そして人々の道が真の住処へと向かうものであるよう祈りながら、このオーナム祭を祝福したいと感じています。

(文章:ひるま)

ラクシャ・バンダン

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2015年は8月29日の満月(日本時間の満月は30日)に、インドではラクシャ・バンダンの祝祭を迎えます。兄弟姉妹の愛に捧げられるこのラクシャ・バンダンでは、姉妹たちが兄弟の健康と幸福を祈り、ラキという聖なる紐を兄弟の手首に結びつけます。ラキを結ばれた兄弟たちは、姉妹を生涯に渡って守ることを約束します。

このラクシャ・バンダンは、現代においてもインドの各地で祝福される盛大な祝祭の一つです。家族が会するこの時のために、姉妹たちは祝祭の前から数々の準備を行い、また、マーケットは色鮮やかなラキで溢れます。守りを意味する聖なる紐ラキは、このラクシャ・バンダンに欠かすことができないものです。

手首に紐を結び付ける行いは、ラクシャ・バンダンだけでなく、インドでは日常的なプージャーでも広く行われています。寺院を訪れれば、赤い紐を手首に巻かれることも少なくありません。この紐はモウリーと呼ばれ、神と自分自身を結びつける象徴として捉えられています。

こうした「結びつき」には、日々を豊かに生きるためのとても深い意味が存在しています。私たちが日常の中で感じる不安や恐れは、自分自身が全体(神)から離れた存在であるという無知にあるといわれ、瞑想を始め、全体と結びつくためのさまざまな行いが説かれてきました。「結ぶ」という意味を持つヨーガが世界中で実践されていることも、今、一人一人が孤立し、不安や恐れを強く抱いていることにあるのかもしれません。

インドでは、兄弟姉妹を結びつけるラクシャ・バンダンのように、家族が何よりも大切なものとして存在しています。霊性を育む道の中でも、家族を大切にする意味の重要性を幾度となく教えられました。身近な存在である家族を通じ、我を忘れ純粋に他に尽くす中で、自我が生み出す多くの苦しみがなくなるからです。そうした結びつきが生み出す心の平安は、社会へと広がり、世界が一つに繋がる大きな平和をもたらしくれるものにも他ありません。

個人としてのあり方が強まる現代社会には、さまざまな苦難が渦巻いています。兄弟姉妹だけでなく、身近な家族との結びつきを、改めて見直してみるのも良いかもしれません。皆さまもどうぞ、祝福に満ちた満月をお迎えください。

(文章:ひるま)

ナーガ・パンチャミー

Cobra Pose

神聖なシュラヴァナ月における祝祭の一つに、ナーガ・パンチャミーと呼ばれる蛇神を讃える祝祭があります。蛇にまつわる神話は世界に広く存在しますが、インドでもまた、その存在が深遠な意味合いを映し出しています。

インドでは広く、蛇は多産や豊穣の象徴とされ、また脱皮を繰り返す姿が輪廻と不死の象徴として崇められてきました。宇宙を維持するヴィシュヌ神は、永遠を意味する「アナンタ」という大蛇に横たわり眠っています。私たちの内に存在する根源的な生命エネルギーもまた、尾てい骨に蛇のようにとぐろを巻いて眠っていると言われます。「クンダリニー」と称されるそのエネルギーは、古代より、多くの探求者がその覚醒に努めてきたものに他ありません。

一方で、シヴァ神もまた蛇と共に描かれます。一説には、シヴァ神の首にぐるりと三周巻きついた蛇の姿が、過去、現在、未来の三つのサイクルを象徴していると伝えられています。それは、心の動きによって生じる過去や未来という「時」を超越した、永遠の存在であることを示しているのだと言います。心を克服し、本質である崇高でいて永遠の存在と一つになるというヨーガの究極の目的を、最大のヨーガ行者であるシヴァ神が静謐に物語っています。

この時期に祝福されるナーガ・パンチャミーは、モンスーンに入り水かさが増え、さ迷い出る蛇の被害を受けないよう祈りを捧げたことが始まりだとも伝えられます。蛇は神聖視される一方で、くねくねと動き回る姿、また毒を持つ危険性が、人々の心のように映ります。そんな蛇を自身に巻きつけるシヴァ神は、心に打ち勝ち、永遠の真実に定まる至福を私たちに示しています。

自身の内に眠るとぐろを巻く真のエネルギーの覚醒は、その内を克服し脱皮した時に初めてあらわれるのかもしれません。この神聖な時、古代の叡智が示す象徴を通じ、改めて求めるものを見つめ直す瞬間にいるような気持ちです。叡智は常に、人々を導き続け、真実を明るく照らしています。その光の下で、心のあるべく場所をしっかりと示し、永遠の至福を自分自身の存在に映し出していきたいと感じています。

※ナーガ・パンチャミーは地域によって差異が生じますが、多くの地域では2015年8月19日に祝福されます(日本時間では8月20日となります)。

参照:http://en.wikipedia.org/wiki/Nag_Panchami

シュラヴァナ・マース

Brahmin reading hindu mantra in Nepal

2015年8月1日~8月29日は、シュラヴァナと呼ばれる神聖な期間に入ります(地域によっては8月15日から9月13日となります(新月を始まりとする場合))。

シュラヴァナ月(シュラヴァナ・マース)は、ヒンドゥー暦の5番目の月であり、もっとも神聖な月の1つです。この月は、チャトゥル・マース(4つの聖なる月)の最初の月にあたり、多くの祭典や吉兆の日で満たされています。
満月の日やシュラヴァナ月の期間は、ヴェーンカテーシュヴァラ神の誕生星である「シュラヴァナ」が天球を支配するため、この月はシュラヴァナ月と呼ばれるようになったといわれます。

特に、シュラヴァナ月の月曜日は、もっとも重要といわれます。この日は、シヴァ神に敬意を示し、多くの帰依者たちが、名高いソームヴァール・ヴラット(月曜絶食)を行います。
またシヴァ寺院では、この期間の月曜日は、一日中シヴァリンガムに聖水を浴びせ、シヴァ神を讃えます。

伝説によると、天地創造の神話であるサムッドラ・マンタン(乳海攪拌)は、この月に起きたといわれています。
シヴァ神が、世界を救うためにハラハラの毒を飲んだ結果、シヴァ神の喉は青くなってしまいました。そのため、シヴァ神は、ニーラ・カンタ(青い喉)と呼ばれるようになりました。
またその毒は、あまりに強力であったために、毒の影響を和らげるために、シヴァ神は三日月を頭に乗せて冷やしました。他の神々たちは、ガンジスの水をシヴァ神に浴びせ、毒の影響を和らげようとしました。
シヴァ神の頭に、三日月とガンジス河が描かれているのは、このような言い伝えがあるためです。

シュラヴァナ月の月曜日に、シヴァ神の象徴であるルドラークシャを身につけることはとても功徳ある行為とされています。
またシヴァ神像やシヴァリンガムに、ミルクやガンガージャルを浴びせることは、多くの功徳を積む行為とされています。

シュラヴァナ月に行うと良い行為には、以下のようなものがあります。
・ルドラークシャを身につける。またはルドラークシャ・マーラーでジャパを行う。
・シヴァ神像にヴィブーティをつける。または自身の眉間につける。
・シヴァリンガムにパンチャームリタ(ミルク、ヨーグルト、ギー、蜂蜜、ヤシ糖を混ぜた甘露)を捧げる。
・シヴァ・チャーリーサーやアーラティを唱える。
・マハー・ムリティユンジャヤ・マントラを唱える。
・月曜日に断食をする。未婚女性は、シュラヴァナ月のすべての月曜日に断食をすると、よい男性に巡り会えるといわれています。(シヴァ神はマッチメーカー(仲介役)としても有名な神様です)

またシュラヴァナはサンスクリット語で、「聴聞」の意味があるため、この期間は、グルの講話などを聞くことも大きな功徳を積む行為といわれています。
この神聖な期間を有意義に過ごしましょう。

参照:
Wikipedia, “Shravan”, http://en.wikipedia.org/wiki/Shravan

グル・プールニマー

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インドでは、グル(師)に対しては、とても大きな尊敬が払われます。家庭にあっては親、学校にあっては先生、会社にあっては上司など、グルの指導のもと、人は大きく成長していくことができます。インドでは、グルは神と同一のものと見なしなさいといわれています。それは、太陽の光が反射して月が輝いて見えるように、グルの英知に照らされて、人々が輝きだすといわれるからです。

2015年7月31日は、グルに感謝の意を捧げるグル・プールニマー(師への満月祭)です。
グル・プールニマーの起源は、聖仙ヴィヤーサの誕生日にあたります。
聖仙ヴィヤーサは、ヴェーダ・ヴィヤーサ(ヴィヤーサは編者の意味)とも呼ばれ、ヴェーダ聖典を編纂したことで知られています。彼は、後の時代に、人々の心が醜くなり、すべてのヴェーダを学ぶ能力がなくなることを見通して、莫大なヴェーダを現在の4部(リグ、ヤジュル、サーマ、アタルヴァ)に編纂したといわれています。
さらに、彼はプラーナを記述し、物語や寓話を通じてヴェーダと同様の霊的英知をやさしく説き、それによって多くの人々がヴェーダの英知に触れることができるようになりました。また彼は、ヴェーダンタの本質をなすブラフマー・スートラの作者としても知られています。このような偉業を残したグル・ヴィヤーサを祝福するため、彼の誕生日がグル・プールニマーとして祝われることになりました[1]。

グル・プールニマーの日には、新しい誓いを立て、それを実行することが慣例的に行われています。
例えば、霊的な師がいれば、師からマントラを授かり、それを毎日唱える誓願を立てます。
あるいは毎日瞑想をする、肉食をしないなど、その他の霊的な誓願を立て、実行するのもよいでしょう。

グルの役割について、スワミ・シヴァーナンダは次のように語っています[2]
「人が成長するために、あなたはグルの重要さと神聖な意義について理解していますか。インドがいままでグルを大切にし、グルの意識の光の中で生き続けているのには理由があります。理由もなく、毎年この古くからの伝統を祝い、度々グルへ敬意を払い、信義と忠誠を再確認しているのではありません。グルは、悲しみと死の束縛から脱却させ、真理を体験させる、人々にとっての唯一の保証人なのです。」

またスワミ・シヴァーナンダは、グル・プールニマーの日に行うべきことについて次のように語っています。
「このもっとも神聖な日は、ブラフマームフルタ(午前4時)に起床しなさい。そして、グルの蓮華の御足を瞑想するのです。心の中で、彼の恩寵を祈りなさい。こうしてはじめて、あなたは成就に至ることができます。早朝には、熱心にジャパや瞑想を行いなさい。」
「沐浴したあと、グルの蓮華の御足を礼拝しなさい。また彼の絵や写真に、花やフルーツを供え、お香や樟脳を焚くのもよいでしょう。この日は、断食をするか、食べても牛乳やフルーツだけにするべきです。午後は、あなたのグルの信奉者たちと一緒になり、彼の栄光や教えについて話し合うとよいでしょう。」
「夜は、信奉者たちが集まり、神の御名やグルの栄光を歌いなさい。グルを礼拝するもっともよい方法は、彼の教えに従うことです。彼の教えの顕現としてあなた自身が輝き、彼の栄光とメッセージを伝えなさい。」

グル・プールニマーの日からは、チャトルマースとよばれる神聖な時期が4ヶ月間続き、インドではこの期間に多くのお祭りが行われます。特に2015年8月1日から2015年8月29日までの期間は、シュラヴァナと呼ばれ、チャトルマースの中でも特に神聖な期間とされています。(地域によって異なります)
この時期は、シュラヴァナ(聞くこと)と呼ばれるように、聴聞等による学習に適した期間です。師の教えを聞き、それを実行に移せるよう努力すれば、きっと大きな実りがあることでしょう。

[1]”Guru Purnima”, http://www.amritapuri.org/cultural/guru/purnima.php
[2]Subhamoy Das, “The Guru Purnima”, http://hinduism.about.com/od/festivalsholidays/a/gurupurnima.htm