バガヴァッド・ギーター第2章第2節

श्रीभगवान् उवाच ।
śrībhagavān uvāca |
シュリーバガヴァーン ウヴァーチャ
クリシュナは語った

śrībhagavān【男性・単数・主格】栄光ある方、神聖な神、威厳ある尊者。ここではクリシュナのことを指す。
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】彼は言った、彼は語った

कुतस्त्वा कश्मलम् इदं
kutastvā kaśmalam idaṁ
クタストヴァー カシュマラム イダン
どこからこの弱気はあなたに

kutas【疑問副詞】誰から、どこから、何故に、どんなふうに、いわんや〜をや
tvā【単数・対格、二人称代名詞(附帯形) tvad】あなたに
kaśmalam【中性・単数・主格】小心は、臆病は、弱気は;優柔不断は;失望は、落胆は
idam【中性・単数・主格、指示代名詞 idam】これは

विषमे समुपस्थितम् ।
viṣame samupasthitam |
ヴィシャメー サムパスティタム
危機において、近づいた

viṣame【男性・中性・単数・処格】難事において、災難において、困難において、逆境において、危機において
samupasthitam【中性・単数・主格、過去受動分詞 sam-upa√sthā】近づいた、生じた、起こった

अनार्यजुष्टम् अस्वर्ग्यम्
anāryajuṣṭam asvargyam
アナーリヤジュシュタム アスヴァルギヤム
貴人の意に適わず、天界に導かない

anārya【形容詞】不名誉な、尊敬できない、不品行な、劣った;アーリヤ人(ヴァイシャ以上の階級の人、尊敬すべき人、貴人)でない
juṣṭam【中性・単数・主格】〜の意に適う、〜に好まれる、〜に受け入れられる、〜に望まれる
→anāryajuṣṭam【中性・単数・主格】貴人の意に適わない、貴人に望まれない、貴人に好まれない
asvargyam【中性・単数・主格】天界に導かない。(svarga 天界)

अकीर्तिकरम् अर्जन ॥
akīrtikaram arjana ||
アキールティカラム アルジュナ
不名誉をもたらすこと、アルジュナよ

akīrti【女性】不名誉、汚名、悪名、悪評
karam【中性・単数・主格】もたらすこと、作ること、産出すること
→akīrtikaram【中性・単数・主格、限定複合語】不名誉をもたらすこと、汚名をそそぐこと
arjuna【男性・単数・呼格】アルジュナよ

श्रीभगवान् उवाच ।
कुतस्त्वा कश्मलमिदं विषमे समुपस्थितम् ।
अनार्यजुष्टमस्वर्ग्यमकीर्तिकरमर्जन ॥ २ ॥

śrībhagavān uvāca |
kutastvā kaśmalamidaṁ viṣame samupasthitam |
anāryajuṣṭamasvargyamakīrtikaramarjana || 2 ||
クリシュナは語りました。
危機に際して、この弱気はどこからあなたに近づいたのか。
それは貴人にそぐわず、天界に導かず、不名誉をもたらすものだ。アルジュナよ。

バガヴァッド・ギーター第2章第1節

संजय उवाच ।
saṁjaya uvāca |
サンジャヤ ウヴァーチャ
サンジャヤは言った

saṁjayas【男性・単数・主格】サンジャヤは。ドリタラーシュトラ王に仕える吟唱詩人。
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】彼は言った、彼は語った

तं तथा कृपयाविष्टम्
taṁ tathā kṛpayāviṣṭam
タン タター クリパヤーヴィシュタム
このように悲しみに打ちひしがれた彼に

tam【男性・単数・対格、指示代名詞 tad】彼に
tathā【副詞】このように、そのように
kṛpayā【女性・単数・具格】哀れみによって、同情によって、慈悲によって、悲哀によって
āviṣṭam【男性・単数・対格、過去受動分詞 ā√viś】沈み込んだ、打ちひしがれた、取りつかれた、〜で悩んだ

अश्रुपूर्णाकुलेक्षणम् ।
aśrupūrṇākulekṣaṇam |
アシュルプールナークレークシャナム
涙に満ちて曇った眼をした

aśru【中性】涙
pūrṇa【過去受動分詞 √pṛ】満たされた、満ちた
ākula【形容詞】うつむいた、意気消沈した、困惑した、混乱した
īkṣaṇam【中性・単数・対格 √īkṣ(見る)から派生した名詞】眼;光景、外観;視察、見ること
→aśrupūrṇākulekṣaṇam【中性・単数・対格、所有複合語】涙に満ちてうつむいた眼をした、涙に満ちて曇った眼の

विषीदन्तम् इदं वाक्यम्
viṣīdantam idaṁ vākyam
ヴィシーダンタム イダン ヴァーキヤム
沈み込んでいる、この言葉を

viṣīdantam【中性・単数・対格、現在分詞 vi√sad】絶望している、落胆している、失望している、沈み込んでいる、疲れ切っている
idam【中性・単数・対格、指示代名詞 idam】これを
vākyam【中性・単数・対格】言葉を、話を

उवाच मधुसूदनः ॥
uvāca madhusūdanaḥ ||
ウヴァーチャ マドゥスーダナハ
クリシュナは語った

uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】彼は言った、彼は語った
madhusūdanas【男性・単数・主格】マドゥスーダナは。クリシュナの別名。名前は「(悪魔)マドゥを殺す者」の意。

संजय उवाच ।
तं तथा कृपयाविष्टमश्रुपूर्णाकुलेक्षणम् ।
विषीदन्तमिदं वाक्यमुवाच मधुसूदनः ॥ १ ॥

saṁjaya uvāca |
taṁ tathā kṛpayāviṣṭamaśrupūrṇākulekṣaṇam |
viṣīdantamidaṁ vākyamuvāca madhusūdanaḥ || 1 ||
サンジャヤは言いました。
このように悲しみに打ちひしがれて沈み込み、涙に満ちた眼を曇らせる彼に
クリシュナは次のように語りました。