ヨーガ・スートラ第1章第11節

Hindu God Yoga Sutra of Patanjali Statue on Exterior of Hindu Temple


अनुभूतविषयासम्प्रमोषः स्मृतिः॥११॥
Anubhūtaviṣayāsampramoṣaḥ smṛtiḥ||11||
アヌブータヴィシャヤーサムプラモーシャハ スムリティヒ
経験した対象を失わないことが、記憶である。

簡単な解説:前節において、心の働きの一つである睡眠は、「無」という状態に対し心が働いている状態であると説かれました。そして本節では、過去に経験した対象が失われず、再び蘇ることが記憶であると説かれます。

ヨーガ・スートラ第1章第10節

Hindu God Yoga Sutra of Patanjali Statue on Exterior of Hindu Temple


अभावप्रत्ययालम्बना वृत्तिर्निद्रा॥१०॥
Abhāvapratyayālambanā vṛttirnidrā||10||
アバーヴァプラティヤヤーラムバナー ヴリッティルニドラー
存在しないものに基づく心の働きが、睡眠である。

簡単な解説:前節において、心の働きの一つである空想は、言葉の理解によって生まれ、実際には存在しないものであると説かれました。そして本節では、存在しないものに基づく心の働き、つまり「無」という状態に対し心が働いている状態が睡眠であると説かれます。

ヨーガ・スートラ第1章第9節

Hindu God Yoga Sutra of Patanjali Statue on Exterior of Hindu Temple


शब्दज्ञानानुपाती वस्तुशून्यो विकल्पः॥९॥
Śabdajñānānupātī vastuśūnyo vikalpaḥ||9||
シャブダジュニャーナーヌパーティー ヴァストゥシューニョー ヴィカルパハ
言葉の知識に生まれ、実体のないものが、空想である。

簡単な解説:前節において、心の働きの一つである間違った認識は、事実の取り違えに基づく誤った知識であると説かれました。そして本節では、心の働きの一つである空想について、言葉の理解によって生まれ、実際には存在しないものであると説かれます。

ヨーガ・スートラ第1章第8節

Hindu God Yoga Sutra of Patanjali Statue on Exterior of Hindu Temple


विपर्ययो मिथ्याज्ञानमतद्रूपप्रतिष्ठम्॥८॥
Viparyayo mithyājñānamatadrūpapratiṣṭham||8||
ヴィパリヤヨー ミッティヤージュニャーナマタドルーパプラティシュタム
間違った認識とは、事実の取り違えに基づく誤った知識である。

簡単な解説:前節までに、心の働きの一つである正しい認識の手段として、直接の経験による知識、正しい推理による知識、聖典による知識があると説かれました。本節では、間違った認識について、事実の取り違えに基づく誤った知識であると説かれます。

ヨーガ・スートラ第1章第7節

Hindu God Yoga Sutra of Patanjali Statue on Exterior of Hindu Temple


प्रत्यक्षानुमानागमाः प्रमाणानि॥७॥
Pratyakṣānumānāgamāḥ pramāṇāni||7||
プラティヤクシャーヌマーナーガマーハ プラマーナーニ
直接の経験による知識、正しい推理による知識、聖典による知識が、正しい認識である。

簡単な解説:前節までに、自分自身が本来の姿であることを妨げる心の働きには、正しい認識、間違った認識、空想、睡眠、記憶の5つがあると説かれました。本節では、正しい認識をする手段として、直接の経験による知識、正しい推理による知識、聖典による知識があると説かれます。

ヨーガ・スートラ第1章第6節

Hindu God Yoga Sutra of Patanjali Statue on Exterior of Hindu Temple


प्रमाणविपर्ययविकल्पनिद्रास्मृतयः॥६॥
Pramāṇaviparyayavikalpanidrāsmṛtayaḥ||6||
プラマーナヴィパリヤヤヴィカルパニドラースムリタヤハ
正しい認識、間違った認識、空想、睡眠、記憶である。

簡単な解説:前節までに、自分自身が本来の姿であることを妨げる心の働きには五種類のものがあり、苦しみを引き起こすものと、引き起こさないものとがあると説かれました。本節では、その五種類の働きについて、正しい認識、間違った認識、空想、睡眠、記憶であると説かれます。

ヨーガ・スートラ第1章第5節

Hindu God Yoga Sutra of Patanjali Statue on Exterior of Hindu Temple


वृत्तयः पञ्चतय्यः क्लिष्टाक्लिष्टाः॥५॥
vṛttayaḥ pañcatayyaḥ kliṣṭākliṣṭāḥ||5||
ヴリッタヤハ パンチャタイヤハ クリシュタークリシュターハ
働きは五種類、苦しみを引き起こすもの、苦しみを引き起こさないものがある。

簡単な解説:前節までに、心の働きは、自分自身が本来の姿であることを妨げるものであると説かれました。そして本節では、その心の働きは五種類あり、苦しみを引き起こすものと、苦しみを引き起こさないものとがあると説かれます。

ヨーガ・スートラ第1章第4節

Hindu God Yoga Sutra of Patanjali Statue on Exterior of Hindu Temple


वृत्तिसारूप्यमितरत्र॥४॥
Vṛttisārūpyamitaratra||4||
ヴリッティサールーピャミタラトラ
そうでない時には、働きに一致する。

簡単な解説:ヨーガとは心の働きを止滅することであり、心の働きが止滅した時、その者は本来の姿となると前節までに説かれました。しかし、心の働きが止滅しない時には、その者は、心の働きが自分自身の姿であると思うと本節で説かれます。

ヨーガ・スートラ第1章第3節

Hindu God Yoga Sutra of Patanjali Statue on Exterior of Hindu Temple

तदा द्रष्टुः स्वरूपेऽवस्थानम् ॥३॥
Tadā draṣṭuḥ svarūpe’vasthānam||3||
タダー ドラシュトゥフ スヴァルーペーヴァスターナム
その時、見る者は、本来の状態に留まる。

簡単な解説:前節で、ヨーガとは心の働きを止滅することであると述べられました。そして、心が止滅する時、その者は本来の姿に安住するということが本節で説かれます。

ヨーガ・スートラ第1章第2節

योगश्चित्तवृत्तिनिरोधः ॥२॥
yogaś-citta-vṛtti-nirodhaḥ ||2||
ヨーガシュチッタヴリッティニローダハ
ヨーガは、心の働きを止滅することである

yogas【男性・単数・主格 yoga】[〜は、〜が]ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一
citta【中性】注意;思考、思想;目的、意志;精神、心、知性、理性
vṛtti【女性】転がること;行為の過程、生活の方式、品行;方法、過程;一般的習慣、規則;あり方、性質、種類;生存、生計、生活、職業;活動、作業、機能;気質、(心の)状態
nirodhas【男性・単数・主格 nirodha】[〜は、〜が]監禁、拘禁;包囲;強制、抑圧、征服;阻止;破壊;失望
→citta-vṛtti-nirodhas【男性・単数・主格、限定複合語】[〜は、〜が]心の状態の抑制、心の働きの止滅