蛇神を崇める日

シヴァ神を讃える神聖なシュラヴァナ月の重要な祝祭に、ナーガ・パンチャミーと呼ばれる蛇神祭があります。ナーガ・パンチャミーはシュラヴァナ月の新月から5日目に祝福され、2017年は7月28日に迎えます。雨季に入り、さ迷い出る蛇の被害を受けないよう、祈りを捧げたことがこの祝祭の始まりだと伝えられます。

蛇は、古くから多産や豊穣の象徴として崇められてきました。脱皮を繰り返す姿は、不死の象徴でもあります。一方で、毒を持つ蛇は、私たちを苦しめる自我や欲望として例えられることがあります。破壊神であるシヴァ神は、ヴァースキと呼ばれる蛇王を、その首にまるで首飾りのように巻きつけて描かれます。シヴァ神は、自我や欲望を制御し、私たちを永遠の至福へと導く偉大な存在であることを伝えています。

シヴァ神の首に巻きつくヴァースキは、不死の甘露であるアムリタを生み出すために行われた乳海攪拌において、重要な役割を担います。ヴィシュヌ神があらゆる薬草を海へと投入すると、神々は悪魔と協力をしながらマンダラ山に絡ませたヴァースキを引っ張り合い、海を撹拌してアムリタを生み出しました。

私たちは、強い自我や沸き起こる欲望によって、善と悪の狭間をさ迷うことも少なくありません。その中では、時に宝石のような恩恵を得ることがあれば、猛毒のような苦痛を得ることもあります。しかし、自我や欲望が神の支配下にある時、それらはアムリタを生み出す重要な役割を持つことがわかります。

ナーガ・パンチャミーにおいては、日の出から日の入りまでの断食、揚げ物を避ける、牛乳とターメリックを蛇神へ捧げるといった行いが勧められます。こうした行いは、人々に大きな保護を与えると信じられ、特に、カール・サルプ・ドーシャを持つ人は、この日に蛇神へのプージャーを行うことで、その悪影響が緩和されると信じられています。

インドでは、太古の昔から、大自然と調和をして生きることが日々の中心にありました。神聖なシュラヴァナ月のこの時、断食や祈りを通じて自我や欲望を神へと差し出し、その内に生み出される甘露のような平安を感じてみるのも良いかもしれません。

(文章:ひるま)