カーラ・バイラヴァ神の礼拝

KATHMANDU, NEPAL - CIRCA NOVEMBER 2013: Kaal Bhairav statue at Basantapur Durbar square in Kathmandu circa November 2013 in Kathmandu.

シヴァ神のさまざまな姿の一つに、カーラ・バイラヴァ神という姿があります。カーラ・バイラヴァ神は、カールッティカ月(10月~11月)の満月から8日目(アシュタミー)に降誕したと信じられ、2016年は11月22日に降誕祭が近づいています。

満月から8日目に降誕したとされるカーラ・バイラヴァ神には、主となる8つの姿があります。それぞれはアシュタ・マートリカー(八母神)を妃として持ち、8つの方向を守ると信じられます。タントラの世界ではとりわけ熱心に礼拝される神格です。

カーラ・バイラヴァ神は、欲望にまみれ驕り高ぶった態度を見せたブラフマー神を罰するために、シヴァ神から生まれたと伝えられます。カーラ・バイラヴァ神の姿となったシヴァ神は、5つあったブラフマー神の頭を切り落とし、長きにわたる苦行を行いました。

「カーラ」は「時」、「バイラヴァ」はシヴァ神の化身した恐ろしい姿を意味します。シヴァ神のもっとも恐れられる姿にも関わらず、カーラ・バイラヴァ神への礼拝は限りのない保護と繁栄を授けると信じられます。それは、私たちの欲望という最も恐ろしい敵を倒すとともに、優れた精神力を授けてくれるからに違いありません。

そんなカーラ・バイラヴァ神は、犬を乗り物として描かれることがあります。インドでは古くから、犬は死の世界に関連があると捉えられてきました。そんな犬を乗り物とすることは、時を征服することの象徴でもあります。

過去や未来に囚われる時、私たちは恐怖や衰退を感じることが少なくありません。欲望は、もっとも大切な今という瞬間を見失わせることもあります。今を粗末にすることは、カーラ・バイラヴァ神に無礼を働くことに変わりなく、今を全力で生きることで、カーラ・バイラヴァ神へのもっとも偉大な礼拝が成し遂げられます。そうして生きることで、恐怖や衰退を見せる欲望という強敵は倒され、限りのない保護と繁栄が授けられるように思います。

カーラ・バイラヴァ神の降誕祭が近づき、皆様にも大きな恩寵がございますよう、心よりお祈り申し上げております。

(文章:ひるま)