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雑記帳

ユディシュティラと犬の神話

死の神であるヤマ神には、シャバラとシュヤーマという2匹の犬が従者として寄り添うことがインドの神話では伝えられます。
このシャバラとシュヤーマは、冥界の門を守る存在としても知られるように、犬は死後の世界を象徴するものとしてインドでは広く捉えられています。
それ故、犬を大切に育むことで、天国への道を開くことができるとも信じられることがあります。

これには、今生における私たちの歩みを導く、ある有名な神話が伝わります。
叙事詩のマハーバーラタに登場する英雄、ユディシュティラにまつわる神話です。
ダルマ(正義)の神のもとに生まれたユディシュティラは、ダルマプトラ(正義の子)とも呼ばれるように、徳性の高い人物でした。

マハーバーラタの戦いに打ち勝った後、パーンダヴァ五兄弟の長兄であったユディシュティラは、長らく王国を統治していました。
その統治を終え、自らの役割を成し遂げると、ユディシュティラは妻と兄弟たちと共にヒマーラヤへ人生を締めくくる放棄の旅に出ることになります。
その旅には、1匹の犬が伴いました。
道中、妻と兄弟たちはひとりずつ肉体を離れていきます。

最後、残された1匹の犬と共に歩みを続けていたユディシュティラのもとに、神々の王であるインドラ神が姿を現しました。
ユディシュティラを天国へ連れていくためでした。
インドラ神は、天国へ行くには犬を置いていく必要があると告げるも、ユディシュティラは共に歩み続けた犬を置いていくことはできないと拒否します。
そして、犬を連れていくことができないのであれば、天国は求めないとインドラ神に告げました。

インドラ神は、そんなユディシュティラの正義ある姿勢を讃えます。
すると、共にいた犬はダルマの神に姿を変えます。

これは、正義の道を歩み続けたユディシュティラの心が試される最後の瞬間でした。
インドラ神は、世俗的な誘惑に決して負けることがなかったユディシュティラの姿勢を祝福し、ユディシュティラを天国に導きます。

この価値ある神話は、日々を生きる姿勢を私たちに学ばせてくれるものです。
ユディシュティラを天国に導いたのは、インドラ神ではなく、正義であり、真実であり、慈悲であり、彼が実践してきたダルマに他ありません。
日々においてそれを実践することこそが、私たちを天国に導くものになるということを、この神話は大切に伝えています。

死の神であるヤマ神は、行為の善悪の記録から死者を裁く、ダルマの神としても崇められる存在です。
そんなヤマ神に寄り添う犬の姿にユディシュティラの想いを重ねる時、私たちは迷うことなく正義の道を歩むことができるはずです。

(文章:ひるま)

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