インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
अपि चेत् सुदुराचारो
api cet sudurācāro
アピ チェート スドゥラーチャーロー
たとえ極悪人であっても
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
ced【接続詞】そして、;時に;〜もまた、さえも;もし〜ならば
sudurācāras【男性・単数・主格 sudurācāra】[〜は、〜が]極悪の行為・習慣 【形容詞】極悪の、非常に不行跡な、実に不敬虔な
भजते माम् अनन्यभाक् ।
bhajate mām ananyabhāk |
バジャテー マーム アナニヤバーク
一途に私を信愛する(ならば)
bhajate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √bhaj】[彼は〜、それは〜]分配する、分かつ;実行する、従う、守る;好意を示す;愛する;尊敬する、崇め尊ぶ、崇拝する
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
ananyabhāk【男性・単数・主格 ananya-bhāj】他の何人にも捧げない
साधुर् एव स मन्तव्यः
sādhur eva sa mantavyaḥ
サードゥル エーヴァ サ マンタヴィヤハ
彼はまさしく善人と見なされるべきである
sādhus【男性・単数・主格 sādhu】[〜は、〜が](人間について)高貴な、有徳な、善良な;よい、有徳な 【男性名詞】ふさわしいまたは尊敬すべき人間;聖人、仙人;宝石商
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
mantavyas【男性・単数・主格 mantavya(√manの未来受動分詞)】考えられるべき;〜と見なされるべき;仮定・設定されるべき;考察されるべき;是認されるべき、受け入れられるべき
सम्यग् व्यवसितो हि सः ॥
samyag vyavasito hi saḥ ||
サンミャグ ヴィヤヴァシトー ヒ サハ
なぜなら、彼は正しく決意した人であるから
samyak(samyañcの中性形)【副詞】一方に、ともに;正しく、正確に、真に、当然に、適当に;全く、完全に
vyavasitas【男性・単数・主格 vyavasita(vyava√soの過去受動分詞】終わった(日);〜することを決心した、〜に着手した;かたく決意・決定した;確かめた;確信した
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
अपि चेत् सुदुराचारो भजते मामनन्यभाक् ।
साधुरेव स मन्तव्यः सम्यग्व्यवसितो हि सः ॥३०॥
api cet sudurācāro bhajate māmananyabhāk |
sādhureva sa mantavyaḥ samyagvyavasito hi saḥ ||30||
たとえ極悪人でも、一途に私を信愛するならば、
彼はまさしく善人と見なされるべきである。
なぜなら、彼は正しく決意した人であるから。
コメント