バガヴァッド・ギーター第9章第1節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

श्रीभगवान् उवाच ।
śrībhagavān uvāca |
シュリーバガヴァーン ウヴァーチャ
クリシュナは語った

śrībhagavān【男性・単数・主格 śrībhagavat】栄光ある方、神聖な神、威厳ある尊者。ここではクリシュナのことを指す。
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】[彼は〜した]言う、語る

इदं तु ते गुह्यतमं
idaṁ tu te guhyatamaṁ
イダン トゥ テー グヒヤタマン
あなたに、この最高の秘密を

idam【中性・単数・対格、指示代名詞 idam】[〜に、〜を]これ
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
te【単数・為格、二人称代名詞 tvad(tubhyamの附帯形)】[〜に、〜のために]あなた
guhyatamam【中性・単数・対格 guhyaの最上級】[〜に、〜を][最高の]秘密;神秘;陰部

प्रवक्ष्याम्य् अनसूयवे ।
pravakṣyāmy anasūyave |
プラヴァクシャーミ アナスーヤヴェー
不満のない(あなたに)、私は説こう

pravakṣyāmi【一人称・単数・パラスマイパダ・未来 pra√vac】[私は〜だろう](為格・属格)に公言する・告げる・記述する・述べる;〜について語る、暴露する;提議する;賞賛する;(対格)を(対格)に語る・言う;(対格)を(対格)であると宣言する・呼ぶ
anasūyave 【男性・複数・為格 an√asūya】不平を言わない;悪口を言わない、妬まない;親切な

ज्ञानं विज्ञानसहितं
jñānaṁ vijñānasahitaṁ
ジュニャーナン ヴィジュニャーナサヒタン
理論知を、実践知を伴った

jñānam【中性・単数・対格 jñāna】[〜に、〜を]知ること;知識;真の知識、優れた知識;知恵;企図;仮定;意識;感覚器官
vijñāna【中性】識別;知識;熟達、上達、技術;教義;策略、詭計;神聖でない知識、世俗的な知識[jñānaの対義語];知力、判断力;意識の器官(=manas 意)
sahitam【中性・単数・対格 sahita】近くにいる;接合された、結合された;(複)結び合わされた、全部一緒の;(具格、―゜)によって伴われた、と結合された、をそなえている、と一緒にいる

यज् ज्ञात्वा मोक्ष्यसे ऽशुभात् ॥
yaj jñātvā mokṣyase ‘śubhāt ||
ヤジュ ジュニャートヴァー モークシャセー シュバート
それを知って、悪から解放されるものを

yat【中性・単数・対格、関係代名詞 yad】[〜に、〜を]〜であるもの、〜である人
jñātvā【絶対分詞 √jñā】[〜して、〜してから]知る;〜を察知する、〜の知識を有する、(具格)によって認識する;悟る;覚える、経験する、確かめる、調べる;是認する;〜と考える、〜と仮定する、〜と推測する;認める、証す、許す
mokṣyase【二人称・単数・未来・受動活用 √muc】[あなたは〜されるだろう]〜から離す・放つ・釈放する・解放する;〜から免れる、〜から逃げる;許す
aśubhāt【中性・単数・従格 aśubha】[〜から、〜より]悲哀、不運、不幸;加害;悪、悪業、罪

श्रीभगवानुवाच ।
इदं तु ते गुह्यतमं प्रवक्ष्याम्यनसूयवे ।
ज्ञानं विज्ञानसहितं यज्ज्ञात्वा मोक्ष्यसेऽशुभात् ॥१॥

śrībhagavānuvāca |
idaṁ tu te guhyatamaṁ pravakṣyāmyanasūyave |
jñānaṁ vijñānasahitaṁ yajjñātvā mokṣyase’śubhāt ||1||
クリシュナは語りました。
不満のないあなたに、私はこの最高の秘密を説こう。
それを知れば、悪から解放される理論知と実践知とを。