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インド音楽

52、第1Chakra:MuladharaとRaga

会陰部にあるとされる「第1のChakura:Muladhara」は、腎臓、副腎、腸、骨格に対応し、生命力、パワー、情熱を司ると言われます。中医・漢方弁証論治でも、「腎(解剖学的腎臓とは別次元)」は、同じような役割で説かれ、何よりも共通していることは、「Muladhara」の字義とも言われる、植物に喩えるならば、「根を支えること」であり、「根を張ること」であるということでしょう。「根気」という言葉にも現れているように、根源的、源泉的な力を秘めているのではないでしょうか。

科学音楽でも、このMuladharaと関連する7音は、全ての始まりである、「Sadaj(サラジュ/ドレミのド)」です。Sadajは、属音(相棒のような存在)「Pancham(パンチャム/ソ)」と共に「Akal-Swar(アカル・スワル/不変音)」と呼ばれ、全てのRagaの基本であり、インド音楽は「Sadajに始まりSadajに終わる」と言うことさえ出来るのです。

古代後半以降のインド音楽は、全ての音階/旋法がこの「Sadaj」から始まりますから、並べて語るのもおかしいのですが、西洋音楽の和声(いわゆるコード)でも、基本の音は「Root(根音)」と言われますから、当たらずとも遠からず。似たような感覚を抱いているのでしょう。

単純に考えると、このMuladhara-Chakraに特別に関わるRagaは、「Sadaj」が基本である、ということになるのですが、それでは「全てのインド音楽」に言えてしまう訳です。しかし、ここで「○○を強調する、大切にする、重みを増す」ということを考え直してみて下さい。「お気に入り」ならば、何時でも側に置いておきたいものですが、極めて大切なものは、箪笥の奥にしまって置くかも知れません。

つまり「Sadaj」に重みを与える為には、「頻繁に登場する」という方法の他にも、「巧みに前後の音との関係から印象付ける」もあれば「意図的に避け、枯渇状態を導く」という逆説的な、つまり「中々Sadajが出て来ない」という「究極の強調法」もあるわけです。

これは医学的にも言えるはずです。単純な話、「唾液が足りない」という時に、流石の西洋化学対処療法でも、「唾液の輸液」はしません。「唾液の分泌を促す」はずです。同じ様に、Muladhara-Chakraを活性化させる為には、「活性を妨げている障害を取り除く」「関連のChakraとの関係性を潤滑にする」「そのChakra自体の活性を促す」の異なる手法がバランス良く、または、状態に応じて選択する必要があるに違い在りません。

古代科学音楽とアーユルエーダ音楽療法でも、この数種の手法で考えられています。

具体的には「肝腎要」の言葉があるように、Mujladharaの腎と、「第3Chakra:Manipura/Nabiの肝」は様々な意味において深い関係にあります。

したがって、「Sadajをことのほか強調するRaga」は、自然倍音(長三度)の「ミ:Gandhara」との関係性や、前述の「Pancham:ソ」との関係性から「Sadaj」の存在感を引き出します。

かと思うと、私の師匠の十八番だったRaga:Shyam-Kalyan(Muladhara-Chakraと拘ると言われています)などは、「SadajとPancham以外の音の動きが活発」という、一見逆のようなRagaです。ちなみに、ヒンドゥー教徒の音楽家にとって、この「Shyam」はKrishnaのことです。

このRagaの音の動きは、若いKrishnaが、Vrindavanの森で、Gopi(乳搾りの娘)たちの間をあちこち飛び跳ねるかのように動き回ります。しかし、大局的に見ますと、その動きは大きく二種類に大別され、それはある意味で「二面性/二元性」でもあります。Krishnaの場合は、「しつこさ」と「つれなさ」で、Gopiたちの心を翻弄させます。

やはりこれも「恒常性」と関係がある作用でもあり、何かの働きを活性化させる為には、「北風と太陽」「飴と鞭」「なだめすかす」と常に逆方向からの刺激が用意されていなければならないことを示唆していると考えられます。

そして、そのような「両極端」の対峙からこそ、究極の真理である「ただ一つの基音:Sadaj」が見えてくるわけです。

(文章:若林 忠宏

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