祈りのツール―ジャパ・マーラー

Prayer beads at Kathmandu market

ジャパ・マーラーとして知られる数珠は、ヒンドゥー教で初めて用いられたと伝えられます。キリスト教ではロザリオとして知られるなど、数珠は宗教を超えて用いられています。数珠の使用が始まったとされるヒンドゥー教においては、一般的に108個の珠が用いられますが、仏教では宗派によって珠の数が異なることもあります。「マーラー」は、もともと「花輪」や「首飾り」を意味します。

108という数字は霊的に神聖な数字とされ、天文学や数学においても重要視されます。ヒンドゥー教の神々には108の御名があり、その御名はさまざまな儀式において唱えられます。クリシュナは108のゴーピー(牛飼いの乙女)達とダンスを踊り、16,108人の妻を持ったと伝えられます。私たち人間は108の煩悩を持つとされる仏教でも、108個の珠を用いた数珠が重要視されます。それは、人間のあらゆる煩悩を引き受けてくれると考えられるからです。チベット仏教においては、111個の珠を使用することもあります。27珠毎に1つ別の珠を入れると、合計111個となり、27珠毎に1つ別の珠があるため、数え間違いを防ぎ、唱えやすくなります。

中国や日本の仏教では、27個の珠を用いた数珠も使用されます。27個の珠を用いた数珠はリスト・マーラーとして知られ、仏や高僧を礼拝する際に使用されます。これによって感謝や崇敬の念が培かわれ、ストレスや緊張、苦悩や欲望を軽減する効果があるといわれます。

数珠にはルドラークシャやトゥラシーが多く用いられますが、仏陀が菩提樹の下で悟りを開いたとされることから、仏教では菩提樹が用いられることも多くあります。その他に、白檀をはじめとする木の実、また、天然石や樹脂などからも作られます。指でひとつひとつの珠を括りながら、祈りやマントラを唱えます。

数珠の力は、祈りと瞑想を通して呼び覚まされます。瞑想中に数珠を用い、自分自身の言葉や思考を熟考する時、一つ一つの珠は、心の中で大きな意味を持つようになります。数珠は、内在する神に近づくための優れたツールの一つです。数珠を用いてマントラや祈りに繋がることで、全ての束縛を解き放つ、強い力が与えられるでしょう。

(SitaRama)