断食を行う理由

シヴァ神を讃えるもっとも神聖な夜であるマハー・シヴァラートリー。
この夜、多くの人々は断食を行い、シヴァ神への祈りを捧げ、プージャーを執り行います。
インドでは、こうした祝祭やプージャーを受ける際、一般的に断食を行うことが勧められます。
この断食を行う理由には、宇宙の生み出すエネルギーを享受するための深い意味が秘められています。

インドの祝祭の多くは、主に太陽や月といった天体の運行に基づく暦法によって決められ、毎年の日付が多少前後します。
そうして計算される祝祭は、宇宙全体が喜びのエネルギーを放つ瞬間に他ありません。
神々のエネルギーを呼び覚ますプージャーが行われる間も、同じように吉兆なエネルギーが生み出されます。
断食は、そうして放たれる宇宙の幸福に満ちたエネルギーを最大限に吸収するための大切な方法として捉えられてきました。

私たちの身体において、消化や吸収といった代謝を司るのは、マニプーラ・チャクラであると伝えられます。
臍のあたりに位置するマニプーラ・チャクラでは、消化の炎が燃え盛り、黄色の太陽のように輝いているといわれます。

食事を行うと、マニプーラ・チャクラでは食物をエネルギーに変換するための消化の活動が始まります。
一方で、断食や節食をする時、私たちは神々のエネルギーを吸収することに集中できるようになります。
そうして、祝祭やプージャーにおいて生み出される、宇宙の幸福に満ちたエネルギーを最大限に吸収することができるのです。

この他にも、断食は身体の浄化を助けるなど、多くの恩恵が伝えられます。
何より、食欲という欲望を克服することは、感覚の制御を成し遂げることに他ありません。
感覚が制御されると、意識は解き放たれ、より崇高な力を呼び覚ますことが可能となります。

祝祭やプージャーを受ける際、断食や節食をして、心と体の調和をとってみるのも良いかもしれません。
宇宙が放つ偉大なエネルギーを享受し、その大きな恩恵を感じられることと思います。

(文章:ひるま)