ダシャラー祭(ヴィジャヤ・ダシャミー)

2018年は10月10日から10月18日まで、秋のナヴァラートリー祭が祝福されます。そのナヴァラートリー祭を終えると、10月19日には、盛大なダシャラー祭(ヴィジャヤ・ダシャミー)が祝福されます。

ダシャラー祭は、秋のナヴァラートリー祭を終えた後に祝福され、ドゥルガー女神が悪神マヒシャースラを倒した日として崇められます。また、ラーマ神が魔王ラーヴァナに打ち勝った日として、悪に対する善の勝利を象徴するとても吉兆な日でもあります。街のあちこちでは魔王ラーヴァナをかたどった人形が燃やされるなど、盛大な祝福が執り行われます。

ダシャラー祭に深く関わりがある魔王ラーヴァナは、10の頭を持ち、自らの頭を切り落としながらブラフマー神への苦行を行ったことで有名です。この10の頭に象徴されるものは、色欲、怒り、執着、強欲、慢心、嫉妬、自己中心、偽り、酷薄、自尊心といった、私たちの心を支配する悪質な感情や思考の数々と言われます。一方で、それは4つのヴェーダと6つのシャーストラを象徴し、ラーヴァナが知識に卓越した存在であることを象徴していると言われることがあります。そんなラーヴァナが唯一成し得なかったこと、それは感覚の制御でした。

ラーヴァナの10の頭は、5つの知覚器官と、5つの行為器官であるとも伝えられ、それは、目・耳・鼻・舌・皮膚(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)の5つの知覚器官、そして、口・手・足・生殖器官・排泄器官・(発声・操作・移動・生殖・排泄)の5つの行為器官にあたります。ラーヴァナは大きな王国を築くも、こうした常に変化を続ける肉体の知覚や行為を制御することができず、決して幸せに留まることはなかったと伝えられます。

一方で、ラーマ神は、この地において邪悪な力を破壊するために誕生したと言われています。信じがたいほどの超越的な資質に恵まれ、不屈でいて勇敢であり、無比の主として崇敬されています。ラーマ神の人生は、信心深い従順さ、比類のないの純真さ、汚れのない純潔さ、称賛に値する充足、自己犠牲、自我の放棄、そのものであったと言われます。ラーマ神への礼拝を行うことにより、心は守られ、崇高な真実を理解するための備えとなる信念を与えられると信じられています。

肉体をまとう私たちの内には、ラーヴァナの質も、ラーマの質も存在しています。悪質に苛まれる時、人は死の時まで、無数の不安と焦燥に苦しまねばなりません。それが、自分自身の内の無知から生じるものだからです。これらの悪質を滅し、至福に至るための唯一の方法が、自分自身の内にある神性に究極的に気づくということであると古くから示されてきました。ダシャラー祭は、9日間のナヴァラートリー祭を通じて清められた自分自身の神性を讃える日でもあります。

皆様にとって実りある時となりますよう、心よりお祈り申し上げます。