ガネーシャ神は、「一本の牙」を意味する「エーカダンタ」という名前で崇められることがあります。
ガネーシャの牙が一本である理由にはさまざまな神話が伝わりますが、その一つに、聖仙ヴィヤーサとの神話が伝わります。
大きな耳を持ち、注意深く聞くことができる能力を持つガネーシャ神は、聖仙ヴィヤーサから「マハーバーラタ」を書き記して欲しいと頼まれました。
その重要性を理解したガネーシャ神は、自らの牙を折り、その牙でマハーバーラタを書き記したと伝えられます。
マハーバラタを書き記すという偉業を成し遂げたガネーシャ神には、自らの牙を折るという犠牲の精神がありました。
エゴを持つ私たちは、思い通りにならない状況に障害を見出し、自分自身に限界を定め、幸せを遠ざけています。
何よりも始めに礼拝すべき存在であるガネーシャ神の姿は、私たちがまず、エゴを取り除く必要があることを伝えています。
一本の牙を意味するガネーシャ神の御名を唱えることで、犠牲の精神を学び、障害を克服するための知識や知恵が与えられるとともに、大きな成功を収める力を得ることができると信じられます。
・ॐ एकदन्ताय नमः
・om ekadantāya namaḥ
・オーム エーカダンターヤ ナマハ
・意味:一本の牙をもつ神に帰依いたします。
また、このマントラは二元性を打ち破り、一点に定まった心を生み出すマントラでもあります。
このガネーシャ神のマントラを唱えることで、真実だけに心が向かい、ただ一つの存在と繋がることができると信じられます。
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