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雑記帳

グルの教えを聴く

さまざまな苦難が訪れる人生においては、光を見失い、暗闇の中で歩みを進めることが困難になる時があります。
精神性が豊かなインドの文化には、そんな人生のさまざまな面において支えとなる、グルの存在があります。
「闇を取り除く者」を意味するグルは、私たちの暗闇を取り払い、光をもたらす偉大な存在です。

グルは、私たちを教え導くあらゆる存在に見ることができます。
それは、ダッタートレーヤ神と24のグルの神話に学ぶことができます。
3つの頭を持つダッタートレーヤ神は、ブラフマー神、ヴィシュヌ神、シヴァ神が一体となった究極の存在です。
あらゆる霊的性質を備えた、全人類を導くグルとして崇められてきました。

ダッタートレーヤ神の24のグルとは、自分自身を育むこの世界のあらわれでした。
それは、自然であったり、動植物の動きであったり、時には人間の行動でもありました。
さまざまに移り変わるこの世界の動きの中に、ダッタートレーヤ神は真理を見ます。

24のグルの中には、1匹の鹿がいました。
猟師の吹く、発情時の鳴き声に似た鹿笛を耳にしたその鹿は、魅惑的な音色に引き寄せられ、捕らえられます。
その姿は、ダッタートレーヤ神に欲望が生み出す苦難について気づきを与えました。
刺激的な喜びを与えてくれる5つの感覚に従う時、その先には必ず苦しみが待ち受けていることを鹿は体現していました。

情報があふれる現代社会において、私たちはさまざまな情報を絶え間なく耳にしています。
その中には、自分が欲するものや、心の潜在的傾向によって、特に魅了されるものがあります。
そうして引き寄せられ、自分自身の本質から遠ざかる時、光を見失い苦難に直面することも少なくありません。

精神性を深める道においては、「聴聞(シュラヴァナ)」がもっとも重要な行いとして位置づけられています。
それは、その道を行く第一歩になるものでもあり、その一歩は、真実であるグルの教えを聴くことに始まります。
ダッタートレーヤ神は、この世界のあらわれをグルとして耳を傾け、真理に至りました。

私たちを育むこの世界には、真理を得るための教えが溢れています。
そこで学び、光のある方へ導かれるためには、何よりも、こうした叡智に繰り返し耳を傾ける必要があります。
自分自身を育むこの世界が何を語るのか、叡智と共に向き合うことで、私たちは光を見失うことなく、強く歩みを進めることができるはずです。
与えられた一瞬一瞬をグルとして崇められるように、どんな時も気づき持って歩むことを心がけたいと感じます。

(文章:ひるま)

参照:SRIMAD BHAGAVATAM, Chapter 8: What One Learns from Nature and the Story of Pingalâ

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