ナラシンハ・ビージャ・マントラ

・ॐ क्ष्रौं नरसिंहाय नमः॥
・om kṣrauṁ narasiṁhāya namaḥ॥
・オーム クシュラウン ナラシンハーヤ ナマハ
・意味:ナラシンハ神に帰命したてまつる

「クシュラウン」はナラシンハ神のビージャ・マントラです。
「クシャ(Ksha)」はナラシンハをあらわし、「ラ(Ra)」はブラフマーをあらわし、「アウ(Au)」は上を向いた牙をあらわします。
ビンドゥは、悲しみを払拭することを意味します。

ナラシンハ神は、ヴィシュヌ神の4番目の化身として崇められます。
人獅子の姿をしたナラシンハ神は、魔王ヒラニヤカシプを倒すために生まれたヴィシュヌ神の最も強い神格であり、帰依者に最高の保護を与えると信じられます。

魔王ヒラニヤカシプは、ヴィシュヌ神の熱心な帰依者である息子のプラフラーダをよく思っていませんでした。
息子が父ヒラニヤカシプに、ヴィシュヌ神の偉大さを説くと、三界を征服していた父は非常に腹立たしくなりました。
ヒラニヤカシプは、苦行の賜物として、神、魔神、人間、動物によって殺されることのない肉体を手にしていましたが、ヒラニヤカシプの悪態を見るに見かねたヴィシュヌは、神、魔神、人間、動物でもない人獅子ナラシンハとなって、ヒラニヤカシプを倒しました。

ヒラニヤカシプとプラフラーダの神話はホーリー・フェスティバルにおいて伝えられます。
ナラシンハ神が生まれた目的は、ヒラニヤカシプからプラフラーダを守り、ヴィシュヌ神の偉大さを説くプラフラーダの言葉を真実にするためでした。
そんなナラシンハ神の姿は、この世界に不可能はないということ、そして、どんな時でも神は真の帰依者を救いに来るということを伝えています。