バガヴァッド・ギーター第4章第42節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

तस्माद् अज्ञानसंभूतं
tasmād ajñānasaṁbhūtaṁ
タスマード アジュニャーナサンブータン
それ故に、無知から生じた

tasmāt【男性・単数・従格、指示代名詞 tad】それ故に、そのために、したがって、だから、その結果
ajñāna【中性】無知、不注意;無智
saṁbhūtaṁ【男性・単数・対格 saṁbhūta】(従格、―゜)から起こった、〜から生じた;(―゜)で形成された、造られた、〜から出た

हृत्स्थं ज्ञानासिना ऽत्मनः ।
hṛtsthaṁ jñānāsinā ‘tmanaḥ |
フリスタン ジュニャーナーシナー トマナハ
自己の心にある(疑惑を)、知識の剣によって

hṛd【中性】(とくに情緒および心的活動の座としての)心臓;(身体)の内部、胸、胃
stham【男性・単数・対格 stha】立っている、存在している、ある;に専念した、に従事した、〜を実践する
→hṛtstham【男性・単数・対格】心にある、心に存在する
jñāna【中性】知ること;知識;真の知識、優れた知識;知恵;企図;仮定;意識;感覚器官
asinā【男性・単数・具格 asi】[〜によって、〜をもって]剣、刀
→jñānāsinā【男性・単数・具格、限定複合語】[〜によって、〜をもって]知識の剣
ātmanas【男性・単数・属格 ātman】[〜の、〜にとって]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我

छित्त्वैनं संशयं योगम्
chittvainaṁ saṁśayaṁ yogam
チットヴァイナン サンシャヤン ヨーガム
この疑惑を断ち切り、ヨーガに

chittvā【絶対分詞 √chid】[〜して、〜してから]切る、切り落とす、切り倒す;裂き取る、咬み切る;引き離す、断つ;刺し通す;傷つく;分かつ;遮る;砕く、破壊する、撤去する
enam【男性・単数・対格、指示代名詞 idam, etadの附帯形】[〜に、〜を]これ、それ
saṁśayam【男性・単数・対格 saṁśaya】[〜に、〜を]〜に関する疑い、疑わしさ、不確実さ、懸念、ためらい;疑わしい事柄;〜に対する危険、冒険
yogam【男性・単数・対格 yoga】[〜に、〜を]ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一

आतिष्ठोत्तिष्ठ भारत ॥
ātiṣṭhottiṣṭha bhārata ||
アーティシュトーッティシュタ バーラタ
挺身せよ。立ち上がれ、アルジュナよ

ātiṣṭha【二称・単数・パラスマイパダ・命令法 ā√sthā】[あなたは〜せよ](処格)の上に立つ;(対格)に昇る・登る;(靴を)はく;に赴く・行く;(一連の行動を)開始する、に頼る、従う、(規則を)遵守する、(手段を)用いる、(努力を)する;確認する、真実と考える
uttiṣṭha【二人称・単数・パラスマイパダ・命令法 ud√sthā】[あなたは〜せよ]立ち上がる、起き上がる、起きる;昇る
bhārata【男性・単数・呼格 bhārata】[〜よ]バラタの子孫。ここではアルジュナのことを指す。

तस्मादज्ञानसंभूतं हृत्स्थं ज्ञानासिनाऽत्मनः ।
छित्त्वैनं संशयं योगमातिष्ठोत्तिष्ठ भारत ॥४२॥

tasmādajñānasaṁbhūtaṁ hṛtsthaṁ jñānāsinā’tmanaḥ |
chittvainaṁ saṁśayaṁ yogamātiṣṭhottiṣṭha bhārata ||42||
それ故、無知から生じ、自己の心に宿るこの疑惑を、
知識の剣によって断ち切り、ヨーガに身を捧げよ。立ち上がれ、アルジュナ。