バガヴァッド・ギーター第8章第20節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

परस् तस्मात् तु भावो ऽन्यो
paras tasmāt tu bhāvo ‘nyo
パラス タスマート トゥ バーヴォー ニョー
しかし、それより高い別の存在がある

paras【男性・単数・主格 para】より遙かな;来世;過去の、以前の;未来の、以後の;より次の
tasmāt【男性・単数・従格、指示代名詞 tad】[〜から、〜より]これ、あれ、彼
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
bhāvas【男性・単数・主格 bhāva】[〜は、〜が]生成すること、生起すること、起こること;(―゜)に変わること、(処格)に変化すること;在ること、存在;永続、存続;〜である状態;あること・成ること;振る舞い、行状;状態、状況;階級、地位
anyas【男性・単数・主格 anya】他の、別の

ऽव्यक्तो ऽव्यक्तात् सनातनः ।
‘vyakto ‘vyaktāt sanātanaḥ |
ヴィヤクトー ヴィヤクタートゥ サナータナハ
非顕現のものより(高い)、永遠の非顕現のものが

avyaktas【男性・単数・主格 avyakta(a-vi√añjの過去受動分詞)】[〜は、〜が]非顕現の、現れない、認めがたい;不明瞭な、目に見えない、感知できない
avyaktāt【男性・単数・従格 avyakta(a-vi√añjの過去受動分詞)】[〜から、〜より]非顕現の、現れない、認めがたい;不明瞭な、目に見えない、感知できない
sanātanas【男性・単数・主格 sanātanas】永続する、永遠の、永久の、恒常の

यः स सर्वेषु भूतेषु
yaḥ sa sarveṣu bhūteṣu
ヤハ サ サルヴェーシュ ブーテーシュ
それは、一切万物において

yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人
sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
sarveṣu【男性・複数・処格 sarva】[〜らにおいて、〜らのなかで]すべての、一切の、各々の;全体の
bhūteṣu【男性・複数・処格 bhūta】[〜らにおいて、〜らのなかで]存在物[神・人・動物および植物を含む];被創造物;万物;世界

नश्यत्सु न विनश्यति ॥
naśyatsu na vinaśyati ||
ナッシャツ ナ ヴィナッシャティ
消滅しても、それは消滅しない

naśyatsu【男性・複数・処格 naśyat】失われる、没する、消える、去る;破壊された、失われた、消滅した、没した
→sarveṣu bhūteṣu naśyatsu【絶対処格】[〜の時に]万物が消滅する時に
na【否定辞】〜でない
vinaśyati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 vi√naś】[彼は〜、それは〜]失われる;消える;亡びる;実を結ばない

परस् तस्मात्तु भावोऽन्योऽव्यक्तोऽव्यक्तात्सनातनः ।
यः स सर्वेषु भूतेषु नश्यत्सु न विनश्यति ॥२०॥

paras tasmāttu bhāvo’nyo’vyakto’vyaktātsanātanaḥ |
yaḥ sa sarveṣu bhūteṣu naśyatsu na vinaśyati ||20||
しかし、その非顕現のものより高い、別の永遠なる非顕現の存在がある。
たとえ万物が消滅しても、それは消滅しない。