マンゴーを求めて

インドでは、子どもたちに読み聞かせられるさまざまなお話にも、神々の存在と共に霊性を育む深い意味が秘められています。その一つ、ガネーシャ神とカールッティケーヤ神の兄弟のマンゴーにまつわる話を学びました。私たちにも大きな学びとなるものです。
ある時、聖仙ナーラダが夫婦であるシヴァ神とパールヴァティー女神の下に一つのマンゴーを持って訪れました。(マンゴーはとても神聖視される果物です。)シヴァ神とパールヴァティー女神は、そのマンゴーを二人の息子であるガネーシャ神とカールッティケーヤ神に分け与えようとしますが、ナーラダは「このマンゴーは分けられず、一人が丸ごと食べなければならない」と述べます。困ったシヴァ神とパールヴァティー女神に、ナーラダは「この世界を先に3周した者がこのマンゴーを食べることができる」と述べました。
それを聞いたカールッティケーヤ神は自身の乗り物であるクジャクに乗り世界へと飛び立ちます。一方、自身の乗り物が小さなネズミであるガネーシャ神は、少しの間考え、シヴァ神とパールヴァティー女神の周りをぐるりと3周しました。そしてナーラダに「シヴァ神とパールヴァティー女神はこの世界の全てです。」と伝え、その後ガネーシャ神は美味しくマンゴーを頂きました。
このお話は、両親を敬うことを伝える一方で、シヴァ神とパールヴァティー女神という絶対の存在を全体として常に思うことの大切さを伝えています。
カールッティケーヤ神は、この現象世界を全世界と捉え、その周りを回ることに一生懸命でした。そこには大変な苦難もあったに違いありません。その上、マンゴーを手にすることもできませんでした。しかし、学び深いガネーシャ神は、この全世界の本質であるシヴァ神とパールヴァティー女神の周りを回り、いとも簡単に美味しいマンゴーを食しました。
常に本質である神々を全体として思うこと。そうして歩む人生は、とても容易いものとなり、日々の中でその甘味を味わうことができるということを伝えています。また、自分自身に与えられたもの(ネズミ)の中で、何を思い行動するかということも、このガネーシャ神の行いが伝えています。
子どもたちに伝えられるこのお話、自分自身の生活にもしっかりと生かしていきたいと感じています。
(文章:ひるま)
※このマンゴーにまつわるお話はこの他にもさまざまに伝えられることがあります。