187、アーユルヴェーダ音楽療法入門49 (Vata気質と精神構造-1-)

トゥリ・ドーシャ(バータ)に於ける「ヴァータ」は、「流れ・運搬・運用」の働きを司ると同時に、過剰に亢進すると、「蓄積を阻害する」という反作用を招くとされます。
何度も申し上げていますが、今日のAyurvedaは、日本のみならず現地でも。「心身」の「体」についてばかり問われ、説かれますが、実際は、「心身」は、極めて強力に関連し合っているのですから、「心の状態=思考回路」についても説かねばなりません。残念ながら、そのような価値観を持っている専門家は、少なくとも日本にはほぼ皆無です。
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何度かご説明しています「ヴァータの図」の左右上半分は、「論理思考領域」が本来の姿で活性されうる「思考性・思考力」を持った人の場合の「右脳左脳」に於ける「Vata気質」の効率良い、効果的な活用例です。
左右下半分は、現代人に極めて多い「気分・感情領域に偏重した思考性・思考力」の人に、残念ながら極めて頻繁に現われてしまう「Vata気質の悪影響・悪癖」の例です。
よって、
日本のAyurveda専門家の多くが、この下半球の話ばかりを都合良く引用し、もっぱら偏った説明や解釈の説得力に利用しているのです。
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つまり、「本来の健康な姿=上半球的な思考性・思考力の活性化」を説き、「Vataの効果的・有益な活用」を説くという観念が、そもそも存在していないのです。
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「Vata気質」の「論理的思考」と「感情思考」の対比の典型的な例が、「上半球(論理思考)の楽観・寛容・協調性」と「下半球(感情思考)の移り気・優柔不断・散漫・混乱」でしょう。
とかく、
人間は、誰しも、自分の関わる事柄を美化したがります。現代人に最も顕著なのは、「他者から被った被害は大袈裟に感じ、自分が与えた損害は軽微に思う」という感覚ですが、
図の
「下半球(感情思考)の移り気・優柔不断」は、見事に「外交的・寛容性」と自認・自称してしまう人が殆どです。
そもそも「外交的・移り気」や「寛容性・優柔不断」の論理的な区別が存在していません。そういう考え方・価値観で物事を理解しないのです。
その結果、
殆どの人が、
「良く言って外交的・悪く言って移り気」「良く言って寛容性・悪く言って優柔不断」などという恐ろしい感覚が「当たり前=普通」だとしてしまう訳です。
「寛容性」は、
『住職に柱に縛り付けられた雪舟が、涙を足の指でなぞって鼠の絵を書いた』
のような、言わば「転んでも徒では起きない」。如何なる状況に置かれても、自分の信念を貫くようなことであり、
「心頭滅却すれば火もまた涼し」の類であれば、昨今の「暑さ寒さが苦手で、直ぐにエアコンを入れる」という感覚が「寛容性」であろう筈はないのです。
つまり、
「論理思考」に於ける「寛容性」には、
「他者・条件・環境の所為にしない」という側面が必ずセットになっているのです。

従って、現代人の殆どがやりかねない。
「良く言って外交的・悪く言って移り気」「良く言って寛容性・悪く言って優柔不断」の正体は、
「外交的と良く思いたい・言いいたいが、その実は、単なる移り気」
「寛容性と良く思いたい・言いいたいが、その実は、単なる優柔不断」ということです。

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雪舟の逸話は、
図の上半球右側の「発想の転換・想像力」と、下半球右側の「根気・持久力脆弱」の対比にも当てはまります。
現代人は、
「絵を描きたいのにお勤めばかり→逆らったら縛り付けられた→こんな環境・条件では『やりたいこと』など出来る筈がない!」という結論を短絡的・安直に導いていしまいますが。
逆に言えば
「柱に縛り付けられる」などというありがたい状況はないのです。
その間、
「好きに想像・創造・妄想や、論理思考」を自由に繰り広げられる訳ですし、
実際、雪舟は、「涙」を活用して「足で絵を描いた」訳です。

尤も
「涙が出る」ということが「悲しみ」だった場合。そのような思いつきは得られなかったであろうと思われますから、逸話はイマイチ眉唾的ではありますが…………….。
もし、事実、雪舟が「哀しみ」を抱き、それが涙を誘ったならば、幼い少年にあっぱれな「論理思考活性状態」だったのでしょう。
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(文章:若林 忠宏

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